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こんにちは。早稲田大学のHOKUTOです。
前回の記事「“意識が高いとか低いとか、そんな概念は存在しなかった”~エリート学生集団『日米学生会議』の実態とは(2)」に引き続き、僕が過去に参加した「日米学生会議」について紹介させてもらいます。
前回の記事では、「日米学生会議」という異質な環境とそれが僕に与えた影響について説明しました。まだ読んでいない方は是非チェックしてみて下さい。
最終回となる今回は日米学生会議の学生達は何故「優秀」と称されるのか、また最近の日米学生会議出身の大学・大学院卒業後の進路などを説明します。今回も前回と同様に、日本側代表学生にフォーカスして話を進めていきたいと思います。
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そもそも「優秀」とは? 共通点は圧倒的「主体性」だった
こんなことを初めから言うのもなんですが、そもそも「優秀」という言葉を明確に定義することは極めて困難です。一般的に、「他より一段と目立って優れていること」などと辞書に記載されていますが、「何が」目立って優れているのかという点で「優秀」という概念を構成する要素は様々であると考えられますし、その感じ方も定義も人それぞれです。
「優秀」な人材が集まると言われる日米学生会議ですが、それも漠然とした感覚から来ている表現だと思います。ここからは僕の主観的なイメージの話となりますが、日米学生会議の学生は他の学生と比べて何が一段と目立って優れているのかと考えてみると、共通して「主体性」が際立っていたと感じています。
「主体性」という言葉もまた少し抽象的な表現ですが、具体的に言えば主体性を持つ人は何をやるか決まっていない状況でも常に「自分の頭で物事を考え判断を下し、その意思決定を実際に行動に移すことが出来る人」だと思います。「主体性」を分解すると、「思考力」+「行動力」といったところでしょうか。日米学生会議のメンバーを俯瞰すると、この「主体性」を強く感じ、誰しもがリーダーのような印象でした。
また、逆のことを言ってしまいますが、「まず動く」という行動規範を持ち「動きながら考え、判断を下す」という人もいます。しかし、それもそれで「優秀」と言われる場合が多いと思います。「行動力」が強いタイプで、日米学生会議のメンバーの中でも結構このタイプがいたと感じます。
動機は様々であれ、日米学生会議に自らエントリーしている時点でメンバーのアクティブさをある程度測ることが出来ると思いますが、それだけではなく、多くのメンバーが日米学生会議以外の課外活動にも精力的に取り組んでおり、その「行動力」の高さがうかがえました。実際に、僕も日米学生会議を含め計4つの政府系の外交プログラムに参加しており、他のメンバーにもそのような傾向が見られました。
大学生活というのは決まった形がなく、その限られた時間を如何に使うかによって、その人にとっての意義は千差万別です。高校までの生活とは大きく異なり、明確なカリキュラムやスケジュールが決まっているケースは極めて少ないです。つまり何も決まっていない状態で、自分で物事を考え判断し行動していかなければいけません。その後の社会に出てからの仕事も人生も同じで、この連続であるかと思います。そこで最も重要となる要素の一つが、この「主体性」なのではないでしょうか。
日米学生会議はハーバード式のプログラム!?
そもそも優秀な学生であるから日米学生会議に参加しているのか。それとも、日米学生会議に参加したから優秀な学生と言われるのか。この因果関係を判断するのは難しいですが、個人的には前者のパターンの方が多いと感じます。
しかし、確実にこの会議を経て成長出来る環境も整っていると思います。つまり、優秀とされる学生はこの会議を経て更に自身に磨きをかけることが出来るということです。
日米学生会議の著名な先輩方の一人に山崎繭加さんがいます。山崎さんは東京大学を卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニー、東京大学先端科学技術研究センターを経て、ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)日本リサーチセンターに勤務、そこではアシスタント・ディレクターを務められました。そんな山崎さんは昨年行われた日米学生会議の報告会でゲストとして登壇し、日米学生会議の経験やそこで学んだことなどを話してくれました。
ハーバード・ビジネス・スクールでは創立以来、教科書を一切使わずに「自分がこの組織のこの立場にいたらどうするか」を議論しながら考える「ケース・メソッド」という方法で授業を行っており、そこでは「話す」「聞く」「考える」を同時に行いつつ意思決定をする訓練をしているとおっしゃっていました。山崎さんはその上で、今後も優れたリーダーを育成していくためには、「知識」から「実践と存在主義」への移行が重要であると説明されました。
これはどういうことかと言うと、Knowing(知識)、Doing(実践)、そしてBeing(自身を知ること)の全てをバランス良く行い、ケース・メソッドとフィールド・メソッドを両立することだそうです。そして、これはまさしく日米学生会議が重視して行っていることであり、山崎さんもその点を強調していました。
日米学生会議のメンバーとなることが決まってから帰国までの約半年間は、国内でのいくつもの事前研修やアメリカで開催された本会議を通じて、従来の日本の教育とは大きく異なる方法で様々なことを学び成長を感じました。これも学生が主体となって、会議を一から作り上げることが出来る日米学生会議だからこそだと思います。
日米学生会議出身者の主な進路先
最後に、明確な数字はありませんが僕の聞いた限りで、ここ3、4年の日米学生会議出身者の進路先などを書いていこうと思います。
もちろん大学・大学院を卒業後は様々な進路があると思いますが、最も多いのが企業就職です。業界としては、外資系コンサル・総合商社・メーカー・広告・メディア系などが主な業界で、ここ数年では特にコンサル業界に進む人が多いです。外資系コンサルでは、マッキンゼー・アンド・カンパニーに代表されるような戦略コンサルから内々定を頂く人を毎年耳にする気がします。総合商社に関しては三菱商事と三井物産が多い気がします。いわゆる五大商社の各社毎に日米学生会議の同窓会が開かれているらしく、その繋がりの強さがうかがえます。大手広告代理店は最近はあまり多くはないですが、電通か博報堂に進む人をちらほら聞きます。昔から安定的に人材を送り出しているといわれるメディア系は、日本経済新聞やNHKが主な就職先となっています。
また、企業就職以外だと国家公務員になる人も大学の周りの友人に比べて多いです。官僚や外交官、自衛官となる人もいました。医学部のメンバーは医師となり、他にも弁護士を目指しているメンバーなど様々です。
業界や企業を知る上でOB・OG訪問は効果的かと思いますが、研究や他の外交プロジェクトの影響で就職活動を始めたのが遅れていた僕は、OB・OG訪問をすることなく就職活動を終え、その後で多くの日米学生会議のOB・OGが様々な業界にいる事を知り、非常に後悔しました(泣)。今後メンバーとなる人は、企業就職をしない人であっても進路選択をする際に、是非とも日米学生会議の繋がりを就職活動等に最大限に生かして欲しいです。
おわりに
これまで3回に渡って「日米学生会議」について紹介してきました。
僕はこれまで大学生活を送ってきた中で、こんなコミュニティがあったのかと自身も驚き、そしてこの繋がりは一生の財産となりました。
しかし日米学生会議だけではなく、学生生活で出来ることは無限にあります。そこで、是非とも「主体性」を持って物事を見極め行動し、限りある学生時代の時間を有意義に過ごして下さい。
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