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「社会のために働きたい」それって官僚? 民間? その違い答えられますか

はじめに

こんにちは、外資就活 編集部です。

就職活動中の学生から見ると、どの企業も事業を通してすばらしい「社会貢献」をしており、説明会に参加しただけで憧れを抱くかもしれません。

例えば、持続可能な社会が重要視されている今日、環境問題に取り組んでいる企業も多いでしょう。それはそれで一つの志望動機になるかもしれませんが、もしかすると採用面接の場において、

「君は弊社の環境問題への取り組みに興味があるんだね? それなら環境省の官僚の方がいいんじゃない?」

と、指摘されるかもしれません。

では「官僚」と「ビジネスマン」には一体どのような違いがあるのでしょうか?

今回はこの両者の違いを、就職活動で大切な軸である「自分のやりたいこと」という観点からご紹介したいと思います。

官僚志望の方だけでなく、漠然と「社会のために働きたい」と思っている民間企業就活生にも必見の内容となっています。

官僚=「国家公務員総合職」

まず「官僚」とは誰のことなのでしょうか? 政治家ではありません。

政治家の仕事は国会議員として、国会で法案や予算案を審議することです。

それに対して、官僚は霞ヶ関の中央省庁の役人として日本政府の政策を考え、それに基づく法案や予算案を作成します。

もちろん国会議員も法案を作れますが、実際には官僚が作る法案の方が多いです。

政治家が選挙で選ばれるのに対し、官僚になるためには中央省庁が行う採用試験(国家公務員試験)に合格する必要があります。

また、地方自治体(東京都庁や神奈川県庁など)とは採用プロセスがまったく異なりますが、若手官僚が地方自治体へ出向し、また東京に戻るというジョブローテンションはよくあるそうです。

中央省庁が行う採用試験、特に国家公務員試験は「国家公務員総合職」と「国家公務員一般職」の2つに分かれます。

中央省庁の人事院によれば、総合職は「政策の企画及び立案又は調査及び研究に関する事務をその職務とする係員」、一般職は「定型的な事務をその職務とする係員」と位置づけられます。

一般職は事務員というわけではなく、金融庁や税関などさまざまな現場で総合職が立案した政策を施工・運用していきます。

一方、高度な知識と技術をもって政策に関わり、時には政治家にも提言する総合職はやはり公務員のエリートとされ、多くの難関大生が志望しています。

つまり、いわゆるエリート官僚とは国家公務員総合職のことを指すのです。

官僚だからできること

どの省庁も利益ではなく日本社会のためにさまざまな政策を打ち出しています。

やはり社会貢献を突き詰めると公務員が妥当なのでしょうか?ここでは3つの業界を例に「官・民」を比べてみたいと思います。

(1)金融業界

金融機関(銀行、信託銀行、証券会社など)

お金が余っている人と足りなくて困っている人をつなげること(金融仲介機能)が金融機関の主な役割です。

そのため、顧客一人ひとりを通して日本経済をお金の面から支えるという点で、金融機関は非常に社会貢献度の高い仕事であるといえるでしょう。

また、個人が人生設計するうえでも、企業がビジネスを展開するうえでも、「お金」は必ず最重要事項となります。

そのため、「お金」のプロとして資産家の事業承継をアドバイスしたり、ベンチャー企業を支援したりできる場面で、「最先端で業界を支えている」点にやりがいを感じる人が多いようです。

財務省

財務省の仕事は、予算作りや税の徴収、国家財産の管理、国際通貨システムの安定化など多岐にわたります。中でも予算を作る主計局、税金を公平・正確に徴収する主税局が有名です。

銀行があらゆる産業を資金の面から支援するように、財務省はあらゆる国の政策を予算の面から審査します。

よく「公務員はノルマがなく、収益性を考えない」と捉えられがちですが、実際には官僚たちは「自分たちの政策案を実現するために、どうやって財務省を説得できるか」と苦心しているのです。

それに対して、財務省は「健全な財政を実現するために、どうやって有益な政策案を選び出すか」を考えます。

近年では上記の論稿で紹介されている通り、「エビデンス(=客観的に示された因果関係)に基づく政策形成」という論点から科学的に政策を実行していく姿勢が重視されています。

また、金融業界の人気就職先である「政府系金融機関」(日本政策投資銀行、日本政策金融公庫など)を整備することで、民間企業が着手しづらい事業を実現させるのも財務省の仕事です。

上記は政策金融の現状と今後の課題に関する資料です。地方創生に貢献するために民間金融機関とどのように連携していく必要があるかが記述されています。

金融庁

一方、金融制度の企画立案や民間金融機関などの検査・監督を行うのが金融庁です。

近年では、持続可能なビジネスモデルへの変革や、国民の安定的な資産形成を促進させる投資信託販売を民間金融機関に求めています。

実際にメガバンクも「銀・信・証」のグループ力を活用した経営理念を掲げています。

金融庁が金融行政の目標を明示し、その進捗・実績を年次で評価した資料です。

金融庁が民間金融機関に対して具体的にどのような方針を提示しているのかが分かります。

このように、金融庁は金融行政を通して民間金融機関を監督することで、国民厚生の増大を目指しています。

(2)商社業界

総合商社

さまざまな商品を(ミネラルウォーターから人工衛星まで)、さまざまな地域で(先進国から途上国にかけて)、さまざまな事業(貿易、事業投資、事業経営など)を通して売るのが総合商社です。

そのため世界中にバリューチェーンを広げたり、海外に日本のプレゼンスを高める仕事ともいわれています。

上記資料では、LNG事業を切り開いてきた三菱商事が、水素エネルギー社会の実現可能性をデータに基づいて説明しています。最後には実現に向けた政策提言も記述しています。

経済産業省

経済産業省はあらゆる業界の経済活力を向上させ、対外経済関係を発展させることが役割です。

特に通商政策としては、日本にとって望ましい国際経済秩序や競争環境を形成し日本経済の成長につなげることを目指しています。

上記の資料ではエネルギーインフラ輸出を取り巻く社会情勢を基に、日本の貢献について議論をしています。

経済産業省が以上のような大きな枠組みとして対外インフラ政策の方針を考え、その実行段階として総合商社をはじめ、様々な日系企業が事業を展開していきます。

日系企業が海外で活躍するための行動指針を定めることができるのは経済産業省だけです。

(3)不動産業界

不動産会社

土地や建物などに関わるビジネスを行うのが不動産業界であり、

①マンションなど大型施設を企画・開発するデベロッパー
②建設を受けもつゼネコン
③物件と顧客をつなげる不動産仲介業者
④物件を管理する管理会社

の4つに大別できます。

特にデベロッパーは不動産の企画を通して街づくり全体に関わる仕事であり、就活生にとっても人気の業界です。

国土交通省

国土交通省は海上も含めた日本国土全体の開発や保全、社会資本の整備を担う官庁です。

近年は「まち・ひと・しごとの創生」政策を打ち出しており、具体的には自然災害への対策や観光事業の促進、地域社会における人的交流・物流の増大を目指しています。

街づくりや地域社会への貢献という点では不動産業界と共通していますが、例えば民間都市開発事業の国際競争力強化を支援したり、観光事業を促進させるために交通整備を改良したりするなど、多様で大規模なソリューションが国土交通省の魅力の一つです。

上記資料では、国土交通省の具体的なインフラ政策が紹介されています。観光・交通・雇用など業界の垣根を越えて、地域の問題に取り組んでいる様子が分かります。

「不動産に興味があるから不動産業界へ」と自動的に絞るのではなく、国土交通省の政策も知ることで他の関連事業へ志望業界が広がるかもしれません。

いずれの業界も実は官庁の仕事と深くつながっています。サッカーを例にすると、実際にプレイヤーとして戦うのがビジネスマンで、レフェリーとして試合を審判するのが公務員であるといえるでしょう。

その中でも官僚は国の政策立案者として、まるでサッカーのルール自体を改変するような大きな影響力と責任を持つというわけです。

官僚の志望動機

上記の3つの例はいずれも業務の一部であり、各省庁は国民生活の向上のため多岐にわたる業務を行っています。

そのため、志望する省庁の仕事内容は概略だけでなく細部にわたって理解し、また時事的な政策も研究する必要があります。

また、国家公務員総合職は採用プロセス上、「人事院面接」と「官庁訪問」という2度の面接があり、「官僚としてどんな政策を行っていきたいか」を厳しく問われます。

ホームページなどの公開情報だけで判断するのではなく、各省庁が行っている業務説明会に参加して「生の情報」を集めてくることを強くおすすめします。

そして公務員受験生も就活生も、「なぜ公務員か(なぜ民間企業か)」「なぜ国家公務員か(なぜ地方公務員か)」「なぜ総合職か(なぜ一般職か)」「なぜ〇〇省か」を丁寧に考えていただきたいです。

おわりに

ニュースなどで良く耳にする「官僚」。

採用プロセスこそ特殊ですが、仕事内容は民間企業と深くつながっているのです。

「行政に関わる仕事がしたい」「社会に貢献したい」「制度を変える仕事がしたい」という方にはおすすめのキャリアです。

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