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こんにちは。私は某私立大学の文系大学院博士後期課程で研究を行っている、文系ドクターです。私はエンジニア就活をしており、内定をいただいた3社のうち金融系企業に就職することにしました。
中編の今回は、就活の流れについて説明します。文系の院生であっても、学会報告や論文執筆などの研究業務や、大学で働いている人であればそれら業務との兼ね合いが難しくなる時期に重なるので、時系列を追って説明したいと思います。
(前編はこちら)
(後編はこちら)
D2/9月:早期就活のススメ
院生こそ早めの就活開始が大事
「就活?3月解禁だからそのあたりの時期になれば…」なんて考えている院生も多いかと思われます。しかし、実際の社会はそんなに甘くありません。若いピチピチの大卒脳筋就活戦士しか求めていない日本企業からすれば、「文系」かつ「院生」の時点で、他の就活生から圧倒的に遅れをとっています。 同じ土俵で戦っても勝てません。 こーの行き遅れがっ!
早い企業であれば、10月頃から新卒採用の採用情報が解禁されます。自分が2024年9月の時期から就活を始めた理由は、同年6月に某大手金融機関が行うドクター向け夏季ワークショップに申し込み、その後8月書類審査に通った人だけが参加できる「どの部署のワークショップに参加するか」の面談を数時間行った後で、「君は書類審査の時点で落ちてて参加資格がない。他のインターンとかに申し込んでくれ」というメールをもらいました。
この失敗のおかげで就活戦略の練り直しを行うことができ(怪我の功名)、超有名就活サイトであるA社に登録しました。理由は大学のキャンパス内とかでもチラシが貼ってあったりするので、比較的安心して使えるかなと思ったからです。
早期だとライバルが少なく企業とコミュニケーションが取りやすい
早期就活をすると、まだ企業側も採用情報を解禁したばかりで、想定している採用人数に余裕があり、ライバルがほとんどいないため一人一人丁寧にコミュニケーションをとることができます。つまり、 文系ドクターにとっては絶好のアピールの場になります。
9月だと大学は夏休み期間で最初の3週間程度は動きやすいかな、と思うのでそのうちに就活の戦略を練っておいた方がいいです。もちろんドクターなので夏休みは遊ばずにほぼ全ての時間を研究に充てているはずです(?)が、先延ばしにせずに、就活に向き合いましょう。
自分は7月に投稿した論文の査読結果が返ってきたので修正したり、大学発行の研究論集へ投稿する論文を書いたり、学会報告で用いるディスカッションペーパーを作成したり、12月のヨーロッパで開催される人工知能と法の国際会議で必要となる議事録(proceeding)を作成し、アクセプトに向けて死ぬ気で書いていました。理系の学会だとTeXを用いて文章作成をしてもいいので、word使いの文系より楽でした。
D2/ 10月:就活本格始動
エージェントサービスを活用
10月になると本格的に就活を始めました。まずはA社のエージェントシステムを利用しました。エージェントからおすすめとして25社程度の資料を送っていただきましたが、あまり興味がない会社(アドテク企業送っとけばいいかー感)が多かったので、そのうち4社にエントリーすることをお伝えしました。
絶対にエントリーしたい企業をその理由とともに「A」、エントリー希望がある企業を「B」、それ以外を「C」とランク付けして伝えるだけです。一般的な履歴書とIT スキルシートなどを作成し、メールでそれらをエージェントに渡すだけでエントリーできるので簡単でした。
正直、 エージェントによる企業選びのセンスは壊滅 していたので、そう感じたなら無視して良いです~~(「あなたが選んだ企業は、あなたにあっていなさそうですが」←お前が選んだんだろ?)~~。理系修士を相手としたビジネスモデルなので、文系ドクターは範囲外だと感じました。
※企業を選ぶ際には、openworkの内容も参考にしました。残業時間や有休消化率、社員の(生々しい)意見など、特定の情報源に頼り過ぎずに、様々な情報に触れた方がいいです。
エンジニアに絞り就活を進めた
その際に今後の就活の進め方についても話し合い、出身学部が理系であることから、文系就職ではなく、エンジニアorコンサルを軸に進めることとしました。また、いつまでに就活を終わらせたいかをしつこく聞かれたので、とりあえず年末(12月)を目処とすることにしました。
エージェントから「コンサルがいいですよね?」って感じのゴリ押しがありましたが、様々な企業の説明会を通じて、正直コンサルの立ち位置ってどうなの?って肌感覚があったのと、コンサルの業務内容に興味を持てなかったので、エンジニアに絞って就活を進めることとしました。
4社のうちエントリーで落ちたのは1社で、他はすぐに一次面接やSPI受験などスピーディに進みました。エージェントの強みとしては、エージェント経由でエントリーした相手企業から、面接の所見や結果についての情報を手に入れることができるのみならず、詳細なフィードバックがいただけたり、特定企業の面接対策もできました。
エージェントは対策などで何かと時間を取ろうとしてきたのと、面接情報が間違ってることも多々あり困りました。そこで他のサービスも使いましたが、的外れな連絡が来るばかりだったので、利用をやめました。
「外資就活ドットコム」に出会う
色々な就活サービスを使いましたが特に使っていて良かったのが外資就活ドットコムであり、ここから就活の流れが大きく変わることとなります。
この時期の研究については、国際会議のアクセプトが入ったため、3人のレフェリーからの指摘に従って修正したり、大学発行の研究論集へ投稿する論文や研究ノートを執筆したり、就活に使う時間以外は全て研究に使わないと間に合わない状況でした。
D2/ 11月:スカウト就活の利用開始
プロフィールを100%入力するとスカウトがたくさん来た
11月からは本格的に就活サイトにおける「 スカウト 」システムを活用した就活に切り替えました。A社のエージェントが「就活について話し合いましょう・相談の時間を設けてください」としつこかったので、これはもう使わなくていいと考え、以降は連絡していません。スカウトでも選考直結の説明会や面接カットといったような重要なものから、インターンに来てくださいといったような対応する必要がないものまで多々あります。
※スカウトだと大企業や有名企業から声がかけられることなんてあるのか?知らない企業がいっぱいスカウトを送ってくるのではないか?が気になる人もいるかもしれませんが、まずはA社のプロフィールを100%近く入力した状態にすると、11月中に15社程度のスカウト(プラチナスカウト)が届きました。「エージェントは先にスカウトのこと教えてくれよ」と思いましたが、 スカウト経由でエントリーした企業については、エージェントから情報提供することはできない という謎ルールがあるためだったらしいです。
スカウトをもらった企業の説明会に参加。スケジュール管理の一元化をした
もう一方の外資就活ドットコムを経由していただくことができるスカウトは良い企業が多かったです。 外資就活ドットコムのプロフィールも90%以上の入力状態にしました。 2つのサイトで記入するべき内容にあまり変わりはありませんが、A社の方が研究内容についてはガッツリ書きました。
A社経由のスカウトは保守的な「ザ・日系おっさん企業」という傾向があるのに対して、外資就活ドットコムはニッチで尖った企業や、特徴的なビジネス展開をしている面白い企業が多く、大学院や院生に対する理解度も高い企業が多かった印象があります。A社と外資就活ドットコムの双方でスカウトを送ってくれた企業もありました。
スカウトを送っていただいたほぼ全ての企業の選考に関わる説明会に参加し、特定の事業領域に縛られず、多角的に就活を進めていくこととしました。多忙のあまり、時には企業説明会の時間を忘れ、時には大学の授業があることを失念し、時にはメールを確認した際になんでこの企業エントリーしたんだっけ?となることもありました。
そのため、1冊のノートに企業情報・分析・面接日程等全ての情報をまとめることとしました。自分は紙に記録を残しておくことで、情報の記録のみならず、比較や取捨選択もやりやすかったので、お勧めします。
外資就活ドットコムでフッ軽な就活ができた
外資就活ドットコム経由でスカウトを送ってくる企業は、平均して待遇もいい傾向が見られました。外資就活ドットコムのスカウトはA社と比較しても無駄が少なく、意思決定が迅速で、もちろん全ての面接がうまくいくわけではありませんが、どんどん動いていく”フッ軽な”就活ができました。
ただし、無駄が少ない代わりに、一回一回の面接はかなりヘビーで厳しいものでした。特にインターンの経験は根掘り葉掘り聞かれまくりでした。
A社のエージェントは「研究の成果より過程で何を得たかが大事」という感じで面接を受けましょう、というゆるふわ対策で大丈夫という雰囲気でしたが、外資就活ドットコム経由でスカウトをくれた会社はバリバリ研究成果について聞いてきました。「私、研究頑張ってます」じゃなくて「私の研究はこれです」「私の努力の成果はこれです」「この成果を通じてどんなエンジニアになりたいか」って明確に言えないと厳しい状況でした。そのため、 できるだけ多くの企業の面接を受けて経験を積んだ方がいい です。
エンジニア就活はコーディングテスト対策が必要
エンジニア就活の場合には、適性検査(SPI、Web-CAB、玉手箱みたいなやつ)+ コーディングテスト (Track Test)があります。SPIなどの適性検査は対策のしようがいくらでもあります。参考書を買って対策するも良し、ネットで検索するなどして過去問を手に入れるも良し、知り合いや先輩に対策を聞くも良し、ちゃんと点数が(受ける企業によってボーダーが違うので、一概に何点取ればいい、というのはありません)取れれば問題ありません。Web-CABは暗号問題など異常に難しいので、志望順位が高い企業がこのテストを使っている場合には、しっかりと対策する必要があります。オリジナルの問題を解かせる企業もありますが、それは潔く諦めましょう。
一方のコーディングテストが基礎問題+応用問題と結構厄介なので、対策できる人は対策したほうがいいと思います。しかし、過去問があまり公開されておらず、対策方法やテキスト等は確立していないので、AtCoderの問題を解いたり、アルゴリズムを実装する基本的なテキストを買ったりして、勉強しましょう。
Chat GPTなどの生成AIを用いてコードを生成しコピペして答えた場合には、受験者がちゃんと解いていないと判断されて自動的に弾かれるようです。点数が高ければいいというよりは、読みやすいコード書いてる?お作法分かってる?みたいな部分を確認したいようです(あくまで新卒の話)。
5社の選考が進み、最終面接へ
スカウト就活の結果として、11月中に二次面接を突破した企業は5社となり、A社経由が2社、外資就活ドットコム経由のスカウトが3社でした。これらの企業は全て12月中に最終面接を実施しました。
この時期の研究は12月の学会報告に向けて資料(パワポ)を作成、発表練習、チャットボットのフィードバックを解析、論文の細かい部分を修正したりといったように、余裕はありませんでした。
後編では、内定から総括までをお話しします。お楽しみに!
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