目次
伊藤忠に内定する3つのポイント
こんにちは、外資就活 商社チームです。
今回は代表的な総合商社である伊藤忠商事(以下、伊藤忠)に内定するための選考対策について、以下の3点と詳細な選考ごとの対策からお伝えします。
志望動機を固める
挑戦者であることをアピールする
泥臭い仕事ができる人材であることを語る
※ 本コラムの情報は外資就活会員限定コンテンツ「選考体験記」から抽出しています。
伊藤忠商事選考体験記
志望動機を固める
まず伊藤忠内定には志望動機を固めることが必要です。
伊藤忠の面接は他商社に比べ、志望動機について深く聞かれることに特徴があります。
これには2点理由があります。
・内定後に三菱商事や三井物産などの財閥系商社に流れる事が多いため。
・カンパニー制を導入しており希望カンパニーに行けなかった際の配属リスクがあるため
です。
伊藤忠は原則的にカンパニー間の異動がなく、初期配属された部署でキャリアを積んでいくことになります。そのため、面接時に学生の特徴を見極め、入社後の配属を決める必要があります。また、他商社が入社後1ヶ月間研修を行った後に、配属が決まるのに対し、伊藤忠は内定者期の12月に配属先が決まります。学生にとって最適なカンパニー、ミスマッチが起きないために、志望動機について深く聞いていく必要があるのです。
これらの理由から、伊藤忠に内定するためには、なぜ商社なのか、なぜ財閥ではなく伊藤忠なのか、どのような商材を扱いたいのかについて、自身のバックグラウンドから論理的に説明する必要があります。
挑戦者であることをアピール
次に伊藤忠内定には挑戦者であることをアピールすることが必要です。
伊藤忠は近年様々な、新しい挑戦をすることで利益を爆発的に上げてきました。
伊藤忠の純利益は2010年3月期には1,282億円で総合商社4位でしたが、2016年3月期には3,300億円と総合商社1位にまで上り詰めました。
この背景には、非資源分野への注力を他の商社に先駆けて行ったことが挙げられます。
他の商社が目をつけていなかったビジネスにいち早く取り組み、挑戦する点に伊藤忠の特徴が挙げられます。
実際の選考でもこの「挑戦心があるか」という部分は評価されており、これまでの所属組織において、現状に満足せず、新しい何かに挑戦してきた経験を語ることで、伊藤忠の求める人材であることをアピールできます。
泥臭いことができる人材であることを伝える
最後に伊藤忠内定にはどろくさいことができる人材であることを語ることが必要です。
他の総合商社と違い、伊藤忠は最終消費者に近いBtoC事業に特徴があります。
エドウィン、エヴィアン、ファミリーマートなど、最終消費者に近い事業が数多く見受けられ、収益をあげています。
最終消費者に近い事業の多い伊藤忠は、学生が想像するような華やかに仕事をスマートにこなす商社マンより、顧客の元に粘り強く通う、泥臭い営業で信頼を勝ち取る「近江商人」を求めていると言えます。
自身の結果にこだわって泥臭く頑張ったエピソードを語ることが、伊藤忠内定のカギであるといえます。
選考フロー
ES・PR動画・筆記試験→1次面接→2次面接・GD→最終面接→内定
選考フローは上記の通りです。以下で詳しく解説したいと思います。
ES:キャッチーな書き方を意識
・時期:3月下旬
・設問内容:
(1)あなたの強みは何ですか。 20文字以下
(2)あなたの弱みは何ですか。 20文字以下
(3)伊藤忠商事を志望する理由を教えてください。 50文字以下
(4)あなたの信念を教えてください。 30文字以下
(5)やりがいを感じる時はどのような時ですか。 30文字以下
(6)日頃、継続している習慣を教えてください。 30文字以下
(7)困難に直面した時、どのように克服しますか。 30文字以下
(8)あなたの思うリーダーシップとは何ですか。 30文字以下
(9)ストレスを感じるのはどのような時ですか。 30文字以下
(10)ストレスを感じるときはどのように対処しますか。 30文字以下
(11)コミュニケーションの際に気を付けていることを教えてください。 30文字以下
(12)今までの人生で最大の決断は何ですか。 30文字以下
(13)あなたの人生の夢を教えてください。 30文字以下・PR動画。以下の2問。
(1)あなたはどんな人間ですか。一言で表現してください。(最大1分間)
(2) あなたは伊藤忠商事というフィールドで、どんなことをやってみたいですか。現時点で構いませんので、表現してください。(最大1分間)
キャッチーな書き方を
伊藤忠のESではキャッチーな書き方を意識しましょう。
伊藤忠のESは文字数が少なく、項目が多いことに特徴があります。
通常のESとは違い、極端に文字数が少ないためESでの差別化は難しいです。ESは面接でのネタフリと捉え、思わず面接官が質問したくなるような書き方を意識しましょう。
面接時に自分自身の話したいことを整理し、それを面接官に伝えるためのツールとして13個の設問を使用するという捉え方をすると良いでしょう。
・それぞれの質問が短いので、面接の際に話のネタになるようにキャッチーな書き方をしました。
・短答式の問題ばかりだったため、簡潔に自分のことを表しました。
・一貫性を保てる内容を書くとよいと感じました。
テストセンター:早めの対策を心がける
・時期:3月下旬
・試験形式:SPI
・試験科目:言語、非言語、英語、構造把握
・試験会場:テストセンター
・合格ボーダー:日系企業トップクラス
・結果通知方法:ES、PR動画と合わせてに4月下旬にメールで連絡
早めの対策を心がける
伊藤忠のテストセンターでは早めの対策を心がけましょう。
伊藤忠の書類選考(ES、PR動画、テストセンター)の1次締切時期は総合商社の中で最も早いです。他商社が4月下旬に締切時期を設けているのに対して、伊藤忠は3月下旬に第1次締切が設けられています。また、伊藤忠に限らず総合商社の合格ボーダーは日系トップクラスです。早い時期に高レベルのスコアが求められるため、計画的に対策を進めましょう。
また、伊藤忠の書類選考の最大の関門はテストセンターです。
伊藤忠のESは文字数が少なく、学生の差別化を図るには難しいと言えます。そのためテストセンターの結果が書類選考の合否を左右します。
他企業のテストセンターアカウントで受験するなどして、自身の納得のいくスコアを提出しましょう。
テストセンターの結果がその後のフローを左右する
伊藤忠ではテストセンターの結果がその後のフローを左右します。
選考体験記によると、テストセンターのスコアが高かった人は伊藤忠からOB訪問を斡旋されたり、1次面接を免除されるなど、その後の選考が有利に進んだという情報が見られます。選考を有利に進めるために、できる限り高レベルのスコア獲得を目指しましょう。
・他社で受けた結果を使い回していました。具体的にはNRIのインターンを通過していたものを使っていました。
・ナツメ社のテストセンター対策本を2周ほどした。
・言語は最後に単語の抜き出し(打ち込み)がでた。非言語は最後の方に推論ばかりになった。
1次面接:時事問題への対策を
・時期:6月上旬
・社員、学生の人数:学生2人:社員2人
・時間:30分
・内容:順に質問されていく形式なので、1人あたり15分程度。
(質問内容)
・なぜ商社を志望しているのか
・なぜ志望部門なのか、類似業界(金融)ではだめなのか
・研究の内容と志望部門の専門が違うが何故か
・志望部門に配属されなかった場合どうするか
・学生時代頑張ったこと
・周りからどんな人と言われるか
・逆質問:伊藤忠でよかったと思ったこと
・EU離脱への賛成反対とその理由など
・結果通知方法:当日夜に電話で通知
時事問題への対策を
伊藤忠の1次面接では時事問題の対策をしましょう。
伊藤忠の1次面接は、はじめに時事問題のお題が提示され、最後に時事問題の賛成反対と、その理由についての解答を求められます。
具体的な流れとしては、時事問題の提示→志望動機、学生時代頑張ったことなどの質問→時事問題の解答といった流れです。そのため、質問に答えながら、時事問題の解答を考えることが求められます。
時事問題について、じっくりと考える時間はないので、日ごろから日経新聞やニュースを見るなどして、世界情勢についての知識を蓄えておきましょう。
・あまり学生時代に頑張ったことは聞かれませんでした。
・甘いことや矛盾したことを言うと突っ込まれてしまう。
・伊藤忠が第一志望であると、理由をもって伝えられました。
グループディスカッション:冷静な立ち振る舞いが評価される
・時期:6月上旬
・社員、学生の人数:学生4人:社員3人
・時間:20分
・議題:男性の育児休暇の義務化に賛成か反対か,首都を東京から移転するべきかどうか etc…
・発表方法:グループ内で1人が発表⁽学生同士で発表者を決める⁾
・結果通知方法:2次面接結果と共に、当日夜に電話で通知
冷静な立ち振る舞いが評価される
伊藤忠のグループディスカッションでは冷静に立ち振る舞うことを心がけましょう。
伊藤忠に限らず、総合商社のグループディスカッションでは、ガツガツとした人が多く、主導権を握りたがる人が多い傾向があります。もちろん主導権を握ることは大切ですが、議論の方向性を修正し、落ち着かせる人も必要です。また、主導権を握る人が多いがゆえに、周囲の状況を見て、取るべき役割を取ろうとする人が目立ちやすいとも言えます。
実際、18卒伊藤忠内定者の選考体験記には「周囲を落ち着かせることを意識した」「議論を修正する姿勢が評価された」といった投稿が数多く見受けられます。
・力まずに人の意見を聞き、褒めたり質問したりしながら意見を纏めていたことを評価された。
・発表者になる必要はないと思われます。実際、私は発表はしていません。
・テーマを発表されて好きなように進められました。資料は全く無く仮定もかなり自由に決められました。
2次面接:2次選考の関門。鋭い深堀りに対応しよう
・時期:6月上旬
・社員、学生の人数:学生2人:社員3人
・時間:25分
・内容:小論文(300文字以上400文字以内)を20分程度で記入、GD(学生4人)とその発表を20分、適性検査(TAL)を20分、集団面接(学生2人)を25分
(質問内容)
・自己紹介
・学科選択の理由
・留学先での話(特に、人との対立があったときにどう対処したか)
・部活動での役割
・志望カンパニーの理由
・卒業論文の概要とテーマ設定の理由
・アルバイトを始めた理由
・逆質問(つらい時期を乗り越えられたモチベーションの源泉)など
・結果通知方法:GDの結果と合わせて当日夜に電話で通知
2次選考の関門。鋭い深堀りに対応しよう
伊藤忠の2次面接では鋭い深堀りに対応しましょう。
1次面接が30代の面接だったのに対し、2次面接では40~50代の管理職クラスが登場します。ゆえに、1次面接と比較して、急激に緊張感が高まります。圧迫とまではいきませんが、学生の話しに対して、少しでも矛盾があると的確に指摘されるます。
2次面接に臨む前に。もういちど自身の志望動機、学生時代頑張ったことに矛盾がないか、理論武装することを心がけましょう。
また、2次選考は小論文、GD、適性検査、2次面接の4点の評価で合否が決まります。
選考体験記によると、2次面接以外はネガティブチェックの役割をしていて、あまり重視はされていないのではないかという意見が多数見受けられます。
他の学生との差別化を図るためにも、2次選考では重点的に、2次面接の対策を行いましょう。
・かなり鋭い深掘りがなされるので、相応の準備は必要です。
・学生の回答に対する面接官の反応は非常に薄かったです。
・なぜ伊藤忠なのかを自分の経験と紐づけて伝えるように意識しました。
最終面接:伊藤忠の理念と自己PRがマッチしているかがカギ
・時期:6月上旬
・社員、学生の人数:学生1人:社員3人
・時間:30分
・内容:自己紹介後、30分程度質問。最後に逆質問の時間が設けられています。
(質問内容)
・自分の強みと弱み
・その弱みを仕事の中でどう対処していくのか
・伊藤忠商事でやりたい事
・具体的にどのカンパニーに入りたいのか
・希望するカンパニーではなくても大丈夫か
・どの国に駐在に行きたいか
・OB訪問でお世話になった社員
・何人OB訪問したのか
・最後に一言
など
・結果通知方法:当日夜に電話で通知
伊藤忠の理念と自己PRがマッチしているかがカギ
伊藤忠の最終面接では伊藤忠の理念と自己PRがマッチしていることをアピールしましょう。
最終面接では自分は総合商社の中でも、伊藤忠に入るべき人間であるということをアピールしましょう。緊迫感のある中ででは大学4年間で自分がどう成長したかということを軸に、何をしてきて、どんな失敗をして、どんな成功をしてきたのか。その結果なぜ商社なのか、なぜ伊藤忠なのかについて深く聞かれます。
本記事冒頭で記した、3つのポイントのうちの2つ「挑戦者」「泥臭さ」に対して、自分の過去の経験から、論理的にアプローチしましょう。
特に伊藤忠は内定者を財閥系商社に取られる傾向にあるので、なぜ伊藤忠なのかについては深く聞かれます。
・「本当に伊藤忠に入りたいのか」「君は本当に伊藤忠に合っているか」を何度も確認されました。
・笑顔やハキハキ話すことは大切で面接でも雰囲気が良くなっていくことを実際に感じたので大切だと思います。
・内定後「素直さ」と「へこたれずに絶対にやり抜く姿勢」を評価したと面接官の方にコメントしていただきました。