以前勤務されていたリクルートとセールスベンチャーはカルチャーなどのソフト面は近かったですか?
あるいは異なる点が沢山ありましたか?リクルートとベンチャーを併願しており、気になりましたのでご質問させて頂きました。よろしくお願いします。
この質問への回答 1件
相談室回答者
営業5年、事業開発4年。副業7つ、起業1つほど。 文系で新規事業企画・開発系のクリエイティブサイドに行きたい方、なんでも質問どうぞ。
ご質問ありがとうございます。
ソフト面が近いかどうかですが、近い面はあったというのが回答になります。
副業等で多数のベンチャーとも関わりを持っていますが、アーリーフェーズ~シリーズCくらいまではカルチャーを1~2回は立てていると思います。
その際の参考とするロールモデルとして真っ先に出てくるのがやはり「リクルート」です。
そもそもカルチャーとは何か?ですが、社員の行動規範(バリューとして大事にすべきもの・信条と制約)×人の特性(大事にする方向性・個性)=文化(独自のもの)と置けると思います。つまりカルチャーとは社員に対して自由奔放な行動をさせず、最低限守るべきことや事業運営の中で重視すべきことをクレドとして理解しさせるための手段であり、社員からするとある種行動を制限され、やりにくさを感じるネガティブな面も内包しています。
またカルチャーというのは引くだけではだめで、それを遵守しているかどうかの指標としての評価制度やルール規定など、制度設計にも落ちていきます。
そのため、帰属意識を上げたいのに制約が増えてエンゲージメントが下がり離職を招くという事態にもなりかねず、一概にソフト面強化をすることが是ではないという難しさがあります。
そうなるとベンチャーとしては「どの企業がカルチャー等の制度設計で社員からのエンゲージメントが高いのか?」という話になり、自然とロールモデルとしての「リクルート」へ行きつくという流れです。
なお他に上がる企業としてはキーエンス、メルカリ、サイバーエージェントあたりです。
※上記に「カルチャーを1~2回は立てている」というのは、社員数のスケールによって従来のカルチャーフィットに齟齬が生じ、何らかのエラーが起きてしまっている→見直すという前提です。
異なる点でいうと「合う合わないがある」「模倣はできるがコピーは出来ない」という点です。
まず1点目の「合う合わない」ですが、そもそもプロダクトサイドは「決められたものを決められた時間軸で正確に仕上げる」という特性上、カルチャーのような概念的なものがフィットしづらい前提があります。
それゆえテック優位でエンジニア偏重の企業だと、リクルートの宗教的文化は「合わない」となりがちです。
次に2点目。リクルートの素晴らしいところは「結果だけでなく過程もきちんと評価し、正しく讃える」です。
どれだけ高い結果を出していても、リクルートとして大事にすべきことをないがしろにしたまま積み上げても評価しません。
両方整って初めて「成果」とみています。ここまではベンチャーでも出来るのですが「正しく讃える」が難しい点。
リクルートにおけるMVP等に選ばれると、それに相応しい場・名誉・報奨金が与えられます。
(一例ですが、「リクルート TOPGUN」で検索してみてください。)
ただ行動規範を遵守することを形骸化せず、結果と合わせて然るべき場で最大限讃え、羨望の眼差しを得る対象にする。
ここまで振り切ってやるからこそ、リクルートの文化は全社員が心から「正しい」と思えています。
こういう場を用意したり、相応しい名誉(昇格など)や高い報奨金を出したり、もしくはそれを正しく評価するための制度設計を整えるというのが
ベンチャーには非常に難しい(リソースがない、スキルがない、余裕(時間・人・お金)がない)です。
なので「ナンチャッテ」になりがちです。派生して、上記のような難しい理由からベンチャーではカルチャーがどうしても宙に浮きがちです。
ゆえに、ユニークな人事制度を登用しているところは少し慎重に見ることをお勧めします。
最後に私見ですが、是非リクルートの門戸を叩いてみることをオススメします。
血反吐を吐き散らかしながら、吐いた血をかき集めて飲む毎日を過ごしましたが、
言い換えると大人の青春。素敵な社会人人生を送ることが出来る旨自信をもって言えます。
未だに一番強烈に自分の軸として残っているのもリクルート魂です。
私は比較的リクルート的な宗教観に乗り切れない陰キャでしたが、それでも人生観が大きく変わりました。
卒業しても未だに心から尊敬する企業の1つです。
回答日:2023/01/07