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GDで書記が最強という話をされていましたがそれはなぜでしょうか?
人によって適正は様々だと思いますが、この結論に至った理由をお聞かせください。

この質問への回答 1

相談室回答者

23卒で某シンクタンクの環境系部署の研究員として働きます。 文系学部卒です。 就活時はコンサル・投資銀行を筆頭に,メーカーなども見ていました。外資・日系大手・ベンチャーいずれも選考やインターンの経験があります。 かなり色々と失敗を積み重ねた質ですので,せめて皆様の一助となって経験を供養できればと思います(たとえばGD17連敗からの克服とか)。

ご質問ありがとうございます。

おそらく参照してくれたであろう回答(https://gaishishukatsu.com/box/questions/38655?focusAnswer=31764)の中で,「GDのパートにはそれぞれの特権がある」という旨のお話をしましたが,私は書記というパートが以下2つの特権を有しているからこそ最強であると思っています(自分で書いておいてなんですが,最強だと思いますってなかなか頭の悪い表現ですね...)。

①議論を整理する力をアピールし,かつその方向性を左右できる
②議論に介入する大義名分を持つ

前者から述べると,書記の役割は当然ながら議論の書き留めということになるのですが,それは話されている内容をそのまま書き起こす意味ではありません。「どのように話されている内容をまとめるか」「議論をどのように捉えているのか」を,書記はその記述により提示することが求められます。特に議論が起こっているときはそれが顕著で,誰かと誰かが意見を争っている時に

・テーマにおけるXの側面について,AとBという二つの要素が勘案される
→Aの方に注力すると短期に結果が出やすい。しかしあくまで一時的であり,持続性に懸念:同業他社のXへの取り組みを見ると,必ずしも一時的とも?
→Bの方は軌道に乗れば継続的な貢献が期待できるものの,軌道に乗るまでが難しいという側面:Aと並列進行は? Bの取り組みを早く軌道に乗せる施策は何か

とまとめがされていると,いま何を話しているのか,どういうところが論点となったのかが,第三者からもよくわかります。「議論に置いていかれるメンバーがいないようにする」とはファシリテーターについてよく出される文言ですが,書記もその役割を大きく担えるものと考えています。
方向性はここから派生したところであり,「どうまとめるか」はすなわち「どう議論を定義するか」ですので,そのやり方によって議論はほぼ強制的に進行方向を決定されます。先程の例で言えば,A・Bのいずれかに決着させたり,あるいは両者のいいとこ取りでCを提案する人はいても,「Xに関するA・Bの議論に意味はない。その方向性は違う」とちゃぶ台をひっくり返すような物言いを出来る人はなかなかいないということです。そのフレームワークは書記によりまとめられたものであるにも関わらず...。

後者については非常に単純で,「まとめる上で確認したいんですけど」などといえば,書記は非常に容易に議論に割り込むことが出来るということです。往々にして”デキる人”のいる議論では誰が発言権をとるかが大きな争いとなりますが,書記はそこに平然と割り込む権限を,大義名分を,イニシアチブを持つのです。「議論をまとめる」というのが全体に資する仕事であるからという背景を持つからこそですね。強いです。ちなみに介入した際に真正面から意見を言うのかというと,おそらく多くは「今話している問題って,○○と××のどちらが良いかってこと?それとも○○の中で2つの問題が起こっているってこと?はっきりさせたいな」という物言いをして,誰かに現状を報告させてから,「なるほど。それってつまり注目するべきは...」というように,サラリと自分の意見に接続することが多いでしょう。ここらへんは人により好みが分かれますが。

以上が,私が書記こそ最強であると考えている一端になります(まだ理由はありますが,それは考える余地ということで)。もちろん,質問者さんの述べた通り,人によって適性の問題がありますので,どこまで書記として自分が力を振るい得るかというのは確かめてみなければわかりません。ただ,書記というポジションは上述のような”ポテンシャル”をもつ”美味しい”パートであるかもしれないということをご理解願えますと幸いです。

回答日:2022/07/16

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