こんにちは、現在CPU界隈が話題になってますが、AMDにジムケラーが入社してからZenアーキテクチャのCPUが作られて、Zen3まで著しい成長を遂げている一方で、intelはなかなか追い付けていない状況ですが、ジムケラーに及ばないにせよ他にも多数の優秀な技術者がintelに在籍しているであろう中で、一人の技術者のマンパワーでここまで状況が変化するというのが不思議なのですが、裏では社内政治や他の技術者の退職など色々な事情が絡んでいたりするのでしょうか?
CPU以外でもTech系で似た様な事例が有れば教えていただきたいです。
この質問への回答 1件
相談室回答者
こんにちはhakといいます。就職、キャリアなどでお役に立てたらと思い登録させていただきました。 仕事としてはゲームプラットフォームや携帯電話のエンジニアリングを中心にしています。海外での就職、転職なども経験ありますのである程度ご相談に乗れるかと思います。 趣味は、ゲーム、SF、映画等です。面白い本、映画などありましたら是非おすすめ下さい。 なお。ご相談にあたりましては特定の会社についてのご質問等はお答えしにくい面もありますので、ご了承ください。
こんにちは、とても興味深い質問ありがとうございます。
intelが現状やや苦しい立場になっている点、様々な要因がある&ケーススタディとして興味深いかと思います。
まず指摘したい点としましては、intelも決して座して待っていたものではなく(企業規模に比較して)果敢にイノベーション、M&Aに取り組みつつも成果に結びついていないように見える点です(よく言うイノベーションのジレンマはここでは起きていないのではと考えています)。
近年でintel社が取り組み、(まだ)芳しい成果が出ていないプロダクトとして例えば下記のようなものが挙げられます。
・Atom
・LTEモデム
・3DXpoint
・FPGA
・10nmノード開発
・GPU architecture刷新
・Core architecture刷新
それぞれ各論や要因については様々かと思いますが、自分の印象としては下記のようなものです。
・Atom
モデムと足並みが揃わずスマートフォンに乗り遅れ、タブレットとネットブックに展開したが採用伸びず。パフォーマンス優位性がなかった点も問題。
・LTEモデム
スマートフォンへの採用が遅れた。協業、競合環境において以下略。
・3DXpoint
不揮発メモリの時代は来るかと思いますが、まだ来ていないようです。
・FPGA
電力効率の良さが利点だがASICの時代が先に来ているようです。
・10nmノード開発
ここが遅れてTickTockモデルが崩れたのは大きな誤算であったかと思います。競合各社の強さも目をみはるものです。
・GPU architecture刷新
XEアーキテクチャ自体は良いと思われるが市場投入が遅い。
・Core architecture刷新
こちらのアーキテクチャにも期待したいが市場投入が遅い。
といった印象です。ここで目につくのは市場投入タイミング、製品開発が後手に回っているなどの「遅さ」です。
ごく個人的な印象ですが、例えばプロダクト・ロードマップの次のメジャー・マイルストンが12ヶ月以上先であるような組織では、「遅さ」という問題があるように感じられてしまいます。他の事例を見ましても、他チームが18ヶ月で行う開発を12ヶ月や9ヶ月で必死に泣きながら完遂する。血と汗と涙の海を作る。そうしたスピード感のあるチームが中期的にはうまく行っているかような印象があります。ただし自分としましては、そのようなチームに身を置くのもう十分ではあります…
回答日:2020/12/16
