アセットマネジメント業界に進もうか迷っている20卒です。私自身、AM業界の今後の将来性について非常に魅力を感じています。しかし、近年運用のパッシブ化が進むなど、運用管理費が低下傾向にあり、今後益々運用管理費が低下すると、いくら資産残高が増えてもAM会社は利益を出せなくなるのではないかと思い、不安になりました。そこでお聞きしたいのですが、運用のパッシブ化(運用管理費の低下)は実際どこまで起きる可能性があるのか、そしてAM業界ではなくAM会社の今後の将来性は本当に明るいものなのか、この二つについてご見解を伺えればと思います。よろしくお願いいたします。
この質問への回答 1件
相談室回答者
東京大学卒業後、新卒でコンサルティングファームに就職しました。その後、アセットマネジメント会社にて資産運用業界の盛り上げや投資の魅力の発信に取り組んでいます。
とにかく低コストを求めるお客様はやはりいらっしゃいますし、まだまだ競争する余力のある運用会社が多いため、運用管理費の低下はさらにやや進む可能性があります。しかし、業界No.1の残高があればまだしも、コスト戦略をとれるプレイヤーは限られるため、いずれ合併して最大手を目指すか別の戦略を模索することが各社に求められると予想しています。
インデックスが幅を利かせることで懸念されるのが、適切な議決権行使が行われず市場の規律が損なわれることです。低コストインデックスを提供している各社ともスチュワードシップ・コードを受け入れているのですが、議決権行使を適切に行うにはやはりコストがかかります。低コスト化が進むと、そのコストを誰が負担するのか?という課題が出てきます。
今後この業界に進まれるのであれば、AM会社の将来性を不安視して受け身になるのではなく、適切な報酬をいただくにはどうすればいいか?という課題に積極的に挑んでいただきたいです。AM会社の将来を明るくしない限り、業界の将来も明るくなりません。
以下にぱっと思いつく対応案を記載しますが、ご自身でも考えていただけると幸いです。
・スチュワードシップ・コードなど気にせず、多少の管理品質の悪化を覚悟で運営コストを極力下げる
・インデックス運用だが、よりリターンを上げる独自の指数を作成・提供する(スマートベータ等)
・インデックス運用だが、より魅力のある特徴を備えた指数を作成し、その魅力を伝える(ESG面をより独自の基準で評価する等)
・魅力あるアクティブ運用を実現し、その魅力を伝える
回答日:2019/06/16
