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大手デベロッパーで働く社会人1年目です。就活の「直感に反する現象」を採用側の論理から解剖する連載、第19回です。
就活生の不安の最大公約数は、おそらくこれです。「自分には、語れる実績が何もない」。起業経験も、全国レベルの実績も、留学もない、普通の学生。ところが現実を見れば、日系大手の内定者の大半は、その「普通の学生」です。企業は毎年、実績らしい実績のない学生を、何十人、何百人と採り続けている。実績が採用の通貨なら、この現象は説明がつきません。今回は、連載の核心として、新卒採用という制度が本当は何を買っているのかを解剖します。
・「特技も実績もない普通の学生」を、大手が毎年採り続ける理由
・その背景・理由:新卒採用は、完成品ではなく「白紙と時間」を買っている
📖 シリーズ目次(全20回)はこちら
◀ 前回:第18回 面接官の「なんで?」5連発は、圧迫ではなく救済だった
▶ 次回:第20回 内定数で勝った友人と、1社で終えた友人の、1年後
内定者懇親会で拍子抜けした、あの日
就活を終えた直後、内定者懇親会に出たときの正直な感想を、今だから書きます。「あれ、普通の人ばっかりだな」。
選考中の私は、ライバルたちを化け物のように想像していました。学生起業家、国際大会の入賞者、語学堪能な帰国子女。人気企業の内定者とは、そういう人種の集まりだと。ところが実際に集まったのは、サークルで幹事をしていた人、居酒屋のバイトを続けていた人、ゼミの研究を地道にやっていた人。もちろん優秀な人たちですが、経歴の派手さで言えば、拍子抜けするほど「普通」でした。
そして入社後、この印象は確信に変わりました。前の連載で書いたとおり、職場で信頼を集める先輩たちの学生時代の話を聞いても、驚くような実績はほとんど出てきません。それどころか、「学生時代の実績」と「入社後の活躍」の相関のなさは、先輩たちの間で、半ば公然の常識として語られています。
例の流行の議論、最難関の学歴の学生が商社に落ち、中堅大学の学生が受かるという現象も、この文脈に置くと見通しが良くなります。あの逆転は、学歴や実績が無意味だからではなく、新卒採用が「点の完成度」とは別のものを買う市場だから起きるのです。
企業は、この常識を何十年分の採用データとして持っています。それでもなお、毎年、実績ではなく「何か」を基準に、普通の学生を選び続けている。その「何か」の正体を、制度の設計から考えます。
中途採用と並べると、新卒採用の狙いが浮かび上がる
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