【就活の逆説 第14回】「ゆるい会社」を選んだ友人が、激務の友人より先に辞めそうになっている──働きやすさ重視時代の見落とし

【就活の逆説 第14回】「ゆるい会社」を選んだ友人が、激務の友人より先に辞めそうになっている──働きやすさ重視時代の見落とし

2026/09/02

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eyecatch

大手デベロッパーで働く社会人1年目です。就活の「直感に反する現象」を採用側の論理から解剖する連載、第14回です。

今の就活生の企業選びで、働きやすさは最上位の基準です。残業の少なさ、休日の多さ、転勤のなさ。ブラック企業という言葉が浸透した世代として、当然の変化だと思います。ところが社会人1年目の周りを見渡すと、奇妙な現象が起きています。働きやすさを最優先して「ゆるい会社」を選んだ友人が、激務寄りの会社を選んだ友人より先に、「辞めたい」と言い始めているのです。今回は、この逆説を解剖します。

📌 この記事の要点(30秒サマリー)
・「ゆるい会社」を選んだ友人が、激務の友人より先に辞めそうになっている
・その背景・理由:働きやすさ重視時代の見落とし

「定時で帰れるのに、しんどい」という不可解な相談

大学の友人から、飲みの席で相談を受けました。彼は就活で徹底して働きやすさを重視し、残業の少なさで有名な会社に入った男です。念願通り、ほぼ毎日定時で帰れている。それなのに、彼の口から出たのは「正直、もう辞めたい」でした。

理由を聞くと、要領を得ません。上司が酷いわけでも、給料が低いわけでもない。彼の言葉を継ぎ合わせると、こうなります。「仕事が暇で、誰にも何も期待されてない感じがする。同い年のやつらがどんどん仕事覚えてるのに、俺は一年目からもう、成長が止まってる気がする。このままここに5年いたら、俺、どこにも行けなくなる」。

一方、同じ席にいた別の友人は、業界でも忙しいことで知られる会社にいます。平日は遅く、疲れてもいる。でも彼は「辞めたい」とは言いませんでした。「しんどいけど、半年前の自分より明らかに仕事ができるようになってるのが分かる。それが今は面白い」。

楽な環境の友人が消耗し、負荷の高い環境の友人が張り合いを語る。就活時代の私たちの常識では、説明のつかない光景でした。

断っておくと、忙しい側の友人の会社も、心身を削るような環境ではありません。彼自身、「無茶な量じゃない。ただ、常に少し背伸びの仕事が来る」と言っていました。後で書きますが、この「少し背伸び」と「回収できる実感」の組み合わせこそが、二人の分かれ目でした。

「負荷は少ないほど良い」という一次元の見方が、間違っていた

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