【就活の逆説 第15回】親が賛成する会社が、正解とは限らない──オヤカク時代、親の企業観は一世代前で止まっている

【就活の逆説 第15回】親が賛成する会社が、正解とは限らない──オヤカク時代、親の企業観は一世代前で止まっている

2026/09/02

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eyecatch

大手デベロッパーで働く社会人1年目です。就活の「直感に反する現象」を採用側の論理から解剖する連載、第15回です。

今の就活には、「オヤカク」という言葉があります。親確、つまり内定承諾の前に親の確認を取ること。親の反対で内定辞退が起きる事態を防ぐため、企業が親向けの資料を用意したり、説明の場を設けたりする時代です。就活の意思決定に、親という登場人物が公式に組み込まれた。この構造の中で、多くの学生が悩みます。「親が勧める会社と、自分が行きたい会社が違う」。今回は、この板挟みを解剖します。

📌 この記事の要点(30秒サマリー)
・親が賛成する会社が、正解とは限らない
・その背景・理由:オヤカク時代、親の企業観は一世代前で止まっている

「そんな会社、聞いたことない」と言われた友人

就活仲間の実話です。彼は成長中の企業から内定を得て、本人は乗り気でした。事業は伸びており、若手の裁量も大きい。彼の軸には合った選択でした。ところが実家に報告した夜、電話口の親の第一声は、こうでした。「そんな会社、聞いたことないけど、大丈夫なの」。

親が対案として挙げたのは、誰もが知る大手と、地元の銀行でした。曰く、安定している、潰れない、世間体がいい。彼は反論を試みましたが、親の心配は解けません。数週間の押し問答の末、彼は疲れ果てて、こう漏らしていました。「親を安心させるために就職するわけじゃないのに、親が不安がってると、自分の判断まで不安になってくる」。

この構図は、彼だけのものではありません。内定辞退の理由に「親の反対」が一定の割合で存在するからこそ、企業はオヤカク対応に動いています。親の一言は、それほどの影響力を持っている。では、その影響力の中身は、信頼に値するのでしょうか。

先に私の立場を書いておくと、答えは「半分は値する」です。親はあなたの気質と歴史を、どの面接官よりも知っています。「あなた、ああいう環境だと潰れるわよ」という直感には、傾聴の価値がある。信頼に値しないのは、親の愛情ではなく、親の手元にある企業と業界の地図の鮮度です。この二つを仕分けずに丸ごと受け入れたり、丸ごと反発したりするから、話がこじれます。

親の企業観は、親が就活した時代で止まっている

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