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大手デベロッパーで働く社会人1年目です。就活の「直感に反する現象」を採用側の論理から解剖する連載、第11回です。
就活には、まことしやかに語られる噂があります。「優秀すぎると、かえって落とされる」。実際、輝かしい学歴と実績を持つ学生が、日系大手の選考で連敗する光景は、毎年観測されます。外資系の難関ファームには受かるのに、日系の人気企業には受からない。この現象は、負け惜しみの都市伝説なのか、それとも実在する構造なのか。採用を「期待値の計算」として捉え直すと、答えが見えてきます。
・「優秀すぎて落とす」は実在するのか
・その背景・理由:ハイスペック学生が大手に落ち続ける現象の、期待値計算
「あいつが落ちるなら、俺たちはどうなる」と震えた日
就活生の頃、仲間内に衝撃が走った出来事がありました。
誰もが認めるハイスペックの学生がいました。最上位の学歴、留学、体育会、長期インターンでの実績。模擬面接をすれば論理は明晰で、外資系の選考は難関を含めて順調そのもの。ところが彼は、日系の人気企業群で、書類や一次は通るのに、中盤から最終にかけて、立て続けに落ちたのです。
「あいつが落ちるなら、俺たちはどうなるんだ」。仲間内は震えましたが、蓋を開けてみれば、彼より見劣りするはずの学生たちが、同じ企業群の内定を次々と取っていきました。
付け加えると、外資系と日系で結果が割れたこと自体が、示唆的でした。外資系の採用は、比較的「今の能力」への比重が高い短期の取引です。日系大手の新卒採用は、何十年の雇用を前提にした長期の投資です。同じ人間の評価が市場によって割れるのは、彼が変わったからではなく、値付けのルールが違うからでした。彼自身は「優秀すぎてビビられたんだろ」と冗談にしていましたが、その冗談は、就活の世界で古くから語られる例の噂と、綺麗に重なっていました。
「優秀すぎて落とす」。文字通りに受け取れば、企業が自分より優秀な人材を恐れて排除する、という話になります。でも、社会人になって採用側の論理に触れた今、この解釈は違うと断言できます。企業は優秀さを恐れてなどいません。落とされていたのは優秀さではなく、優秀さに同伴しがちな、別のものでした。
採用は「点の優秀さ」ではなく「期待値の積」で計算される
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