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大手デベロッパーで働く社会人1年目です。就活の「直感に反する現象」を採用側の論理から解剖する連載、第17回です。
複数内定が前提になった今の就活では、ほぼ全員が経験する場面があります。内定辞退の連絡です。学生にとっては気の重い電話ですが、実はこの瞬間、就活で最も貴重な情報が手に入ります。選考中はずっと「口説く顔」をしていた会社が、利害の切れた瞬間に見せる素顔です。そして観測を集めると、一つの逆説が浮かびます。辞退をあっさり受け入れた会社ほど、入社した友人の満足度が高い。今回は、この現象を解剖します。
・内定辞退を引き止めない会社ほど、入社後の居心地がいい
・その背景・理由:辞退の電話は、会社の素顔が出る瞬間である
📖 シリーズ目次(全20回)はこちら
◀ 前回:第16回 就活強者のアドバイスが、あなたを落とす
▶ 次回:第18回 面接官の「なんで?」5連発は、圧迫ではなく救済だった
辞退の電話で豹変した会社と、エールをくれた会社
就活仲間たちの辞退体験談は、綺麗に二種類に分かれました。
一人は、ある会社への辞退の電話で、人が変わったような対応を受けました。それまで親身だった採用担当の声が硬くなり、「理由を詳しく聞かせてほしい」から始まって、選んだ他社への否定的な言及、「もう一度考え直せないか」の繰り返し、挙げ句は「その判断、後悔すると思うよ」という捨て台詞めいた一言。電話を切った彼は、青ざめながらこう言いました。「あの会社にしなくて、本当によかったのかも」。
別の仲間の体験は、対照的でした。辞退を告げると、担当者は少しの沈黙のあと、「そうか、残念です」と言い、理由を一つだけ静かに聞いた上で、こう続けたそうです。「分かりました。◇◇業界に行くんですね。うちと関わる仕事も多い業界だから、いつかどこかで一緒に仕事しましょう。頑張って」。彼は電話を切ってから、少しだけ辞退を迷ったと言います。「最後まで、ちゃんとした会社だった」。
興味深いのは、その後です。豹変した会社に入社した知人は、1年目の今、組織の締めつけの強さに愚痴をこぼしています。エールをくれた会社に別ルートで入った友人は、職場の風通しに満足している。偶然かもしれません。でも、この一致には、偶然で片づけられない構造があると、私は考えています。
実際、この二種類の辞退対応は、就活生の間で毎年、口伝えの資産として蓄積されています。私の周りでも、「あそこの辞退対応は綺麗だった」「あそこは荒れた」という情報は、選考の口コミと同じくらいの熱量で共有されていました。企業が思っている以上に、去り際は見られています。
辞退対応は、「利害が切れた相手」への振る舞いの標本
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