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「テコを効かしスケールを導く」戦略コンサルの発想法

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大野 知也(おおの ともや)さん
三菱UFJリサーチ&コンサルティング コンサルティング事業本部
経営コンサルティング第1部 チーフコンサルタント

出身大学:慶応義塾大学商学研究科卒(経営修士)コーポレートガバナンス専攻
就活時の内定先:戦略コンサル(外資・日系)、大手会計系コンサル
2001年三菱UFJリサーチ&コンサルティング(当時:三和総合研究所)へ入社。
専門分野は、全社戦略、事業戦略、新規事業戦略、事業計画策定、各種マーケティングリサーチ(流通・機械セクター等)。中堅~大企業の顧客を中心に、中期経営計画の策定や新規事業プランニング等、経営戦略全般の立案支援を担当する。

 

エッジの立った発想で勝負したいと思ったとき、コンサルが適職だった

―大学時代は経営学を学んでいらっしゃいます。職業としてコンサルティングを選んだ理由は何でしょうか。

大学では主に企業組織論の切り口からエクセレントカンパニーの成功要因を研究していました。こういった優良企業に共通する特徴に、1のインプットから10を生み出すといったような「テコの効いた」ビジネスモデルがあります。

たとえばセブン-イレブン。彼らは単品レベルでの売上管理と物流システムを完備し、品切れを起こさず消費者を飽きさせない品揃えを、小さな店舗で実現しています。JRは人の多く集まる「駅」という場を強みとしてフル活用して「駅ナカビジネス」を生み出しました。花王はユーザーを絞り込み、そのニーズを徹底的に調査・分析することによってユーザビリティを極限まで高めた「クイックル」を開発し数百億円の市場を創出しています。

こういったワクワク感のあることを自分のアイデアや閃きで発案し、後世誰かに語ってもらえるような大きなビジネスを生み出したい。こういったビジネスメイキングに継続的に関われる職業は何か?と考えた時、コンサルティングではないかと思ったんです。

―常に新しいもの、今までにないものを生み出したいという思考は、どうやって育まれたのでしょう。

父親の仕事の関係でアメリカのシカゴで過ごしていた小学校5年生までの教育が原点だったと思います。現地の小学校では自ら考え、他人とは異なるエッジの立った回答や主張をすることが推奨されます。

ところが小学校6年生で日本に戻ってみると、先生の思考をコピーすることが推奨され、指導と異なる自らの主張は封殺される。相当にショックでしたが、もともとあまのじゃくな性格だったので「だったらなおさら人と違うことを主張して認められてやろう」と思うようになりました。

この想いはその後もずっと変わりません。人と違う発想をするからこそ、1から10を生み出せるんです。

―コンサルティング一本に絞って就職活動をされたわけですが、企業選びはどのように?

複数のファームから内定をいただきましたが、戦略よりも業務やIT色が強いファームも多く、純粋に戦略を追求しているところにいければと思っていました。

三菱UFJリサーチ&コンサルティング(当時は三和総合研究所)は、こういった企業の一つでした。選んだ理由はひとことで言うと「活躍できそうに思ったから」です。

入社当時、組織体制はこれから築かれていく段階で、教育体制もオペレーションも仕組み化されておらず、各コンサルタントの個人商店みたいな状態でした。それがゆえに人と違う面白いことを言えば奨励され、仕事を任せる空気があったんですね。ケース面接でも、僕の回答をとても面白がってもらえたのを覚えています。

現在は人数も増え、組織体制も確立されていますが、個人の意思や自己実現を重視するという良き文化はいまでも残っていると思います。

提案の「深度」を最大限にする成功体験を積め!

―入社してからの仕事はイメージ通りでしたか。

会社についてはイメージ通りでした。一方、自分の目指していた「テコの効く」ビジネスをコンサルティングを通じて実現するのは、現在に至っても簡単なことではないですね。

今年で入社15年目になり、これまで150件ほどの案件に携わってきましたが、自信を持ってテコを効かせられたと言えるのは2-3割程度です。

『クライアントにどこまで喜んでいただくかという目線の高さと、裏付けとなる成功体験が、コンサルタントの質を支える要素で、プロジェクトを通じて最終的にクライアントに提供できる価値の大きさを左右します』

―これまでを振り返って、コンサルタントとして成長していく上で重要だったことは何でしょうか。

早いタイミングでプロジェクトの成功体験を積むことですね。

僕の場合は入社3年目にして初めて、納得いく成果を出せたプロジェクトに巡り会えました。ある医療機器メーカーの営業戦略で、ある外科手術に使う機器のシェアを上げたいという案件です。当時は競合の外資系企業に圧倒されている状況でした。

外資系が販売している機器は使い捨て・単価10万円だったのに対し、クライアントの機器は単価が50万円するものの再滅菌すれば10回以上リユースできるというもの。単純なコスト比較では同社に分があるはずなのですが、全く売れていませんでした。

ネックとなっていた原因は二つあります。一つは、病院で10万円を超える機器を購入する場合、事務方の承認が必要となるケースが多いこと。単価50万円では、都度承認が必要となり、導入へのハードルは売り手が想像していた以上に大きいものでした。二つ目は再滅菌に対する手間と、滅菌しきれず二次感染を起こす可能性を100%拭い去れなかったことです。

私が提案したのは、機器をレンタルにすることでイニシャルコストをなくし、1回あたりのランニングコストを10万円以下にまで落とすこと、同社内に滅菌工場を作り、利用した機器を回収し社内で再滅菌すること、の2点でした。

この仕組みを実現させた結果、当時10%未満だったシェアを数倍まで引き上げることができました。

この成功体験を経て、私の中で視座が高まり、コンサルタントとしての自信と自負が急速に強まりました。クライアントに喜んでいただくためにどのレベルまで踏み込んで価値提供すればよいか、より深く真剣に考えるようになったのです。

このようにうまくいった体験・経験がコンサルタントの質を支える要素になり、その後のプロジェクトでたどり着ける提案の深さを左右していきます。

難しいのはそこまで突き詰めて考えなくても、プロジェクトは一定程度成功し、クライアントも満足してしまうことがあるという点です。程々のパフォーマンスのまま、年数を重ねる危険性とは隣り合わせ。この仕事をしていくうえで最大の注意点のひとつだと思います。

トラウマの失敗体験。合意形成に落とし穴?!

―失敗体験、厳しい体験もおありなのでしょうか?

それはもう!最終的には必ずクライアントに満足いただけるアウトプットにしていくのですが、大きな失敗もしましたよ。プロジェクトリーダーを任されるようになって間もない頃、オーナー系企業の事業戦略・新規事業立案に携わった時の話です。

この企業では生産・技術・営業の各部が縦割り構造となっており、さらに役員同士が対立していました。

プランは認められ成功させる自信もあったのですが、スタートから3カ月ほど経ったある日、役員から呼び出しがあり、「強引に進め過ぎだ。周りが全くついていっていない!」と、強い口調で叱責を受けてしまったのです。僕自身ははじめてと言って良いクレームでした。

―どのように対応し、軌道修正したのでしょうか?

言い訳せず丁重にお詫びし、全社の合意形成までプロセスを巻き戻しました。以降は詳細に一つひとつ丁寧にコミュニケーションをとって、プロジェクトを完了しました。ただ最終的に、プロジェクト期間は倍に伸びてしまいました。

僕の場合、個人の発想で周りを巻き込んで引っ張っていくようなコンサルティングは得意でしたが、一方で日本企業的とも言える地道な合意形成プロセスをとるべきケースへの判断、配慮が不十分でした。

マネージャーとしての経験値の浅さ、様々な立場の人と人間関係を作り上げていくマネジメント能力不足が露呈したわけで、のた打ち回りましたし、未だにトラウマになっています。

ただ、こういった経験のおかげで、以降、案件の進め方に関する注意力や危険信号に対する感度が高くなりましたね。

百貨店再生にエリア再開発!ディベロッパーも巻き込む大型案件へ

―目指していた「テコの効く」ビジネスをなし得た案件があれば教えてください。

個人としての発想と、当社のノウハウや知見を融合して価値を出した案件がありますので、ご紹介します。

開業以来10年黒字の出ていない大手百貨店の店舗立て直しプロジェクトです。ブランド力があり、店舗設計・品揃えも良かったのですが、集客に苦戦し黒字化が難しかった原因は百貨店の中ではなく、立地にあるという判断に至りました。

ポテンシャルはあるのに周囲の動線上、ターゲット客が入りづらい状況が生まれていたのです。そこで百貨店周辺のエリア全体を作り替えるという発想に至りました。

とはいえ市街地再開発のプロジェクトというのは経験がありませんし、大変ボリュームのある仕事です。そこで目をつけたのが、社内の政策研究事業本部です。

省庁・自治体のコンサルティングに強いノウハウを持つ事業部で、なかでも街づくりを得意とするメンバーに、部署の垣根を越えてプロジェクトに加わってもらいました。

これで市街地再開発への対応を含む全体プランが一気に進みました。次にメガバンクグループとしてのネットワークを通じてディベロッパーを含む大手プレイヤーを巻き込み、エリア再開発を実施できる体制を整えました。

エリアの再開発は非常に足の長い案件であり、いまだ進行中ですが、昨年度初の営業黒字を達成するなど、これまでのところ順調に成果を出しています

―こういったスケールの大きな提案を実現するためのポイントはどんな点にあるのでしょうか。

信頼感も含めて、社内・グループ内での自分自身のブランド形成が必要だと思います。

この点が不十分ですと、他部署へ声をかけても対応してくれません。まずは、周囲にコンサルタントとして「アイツはできる」と認めてもらえる実績を積まなければなりません。これが備わってきたら、外部への広報活動も重視していくと良いですね。

―どれだけスピーディーにそのステップを踏めるかですね。改めてなのですが、御社でのコンサルタントのスキル形成は、どのように進んでいくのでしょうか。

1~2年目は、集中的なOff-JTとプロジェクトへのアサインを通じてコンサルタントのイロハを徹底的に学んでもらいます。

3年目以降、本格的にさまざまなプロジェクトリーダーと仕事をするようになり、徐々に専門領域を明確化し、早ければ5~6年目でプロジェクトリーダーを担ってもらいます。もちろん自らの発案でプロジェクトを実質的にリードすることは早期から可能です。

タイトルで言えば、ビジネスアナリスト、アソシエイト、コンサルタント、シニアコンサルタント、チーフコンサルタント、プリンシパルとステップアップします。シニアコンサルタント以上は自ら仕事を獲得する営業力が求められます。

ステップアップごとに案件スケールが増す

―最近はスポーツマーケティング領域を強化していらっしゃるとか。

スポーツマーケティングの面白さは、これまで純粋に「スポーツとして強くなる」ということに集中しがちであった日本のスポーツ界に、コンサルタントとしての経験・ノウハウを活かし、事業としてどう成功するかといった視点を取り入れていくことです。

たとえば、今サッカーのJリーグで、複合型商業スタジアム構想という大きな案件が動き始めています。

Jリーグのクラブはホームスタジアム所有が前提ですが、J1では年間約40試合で半分がアウェー戦。スタジアム建設費がおおよそ100億円以上のところ、年20試合分の使用料収入しかなく、興行では投資回収できません。このため、民間投資を呼び込むことができずスタジアムの整備が思うように進まないという現実がありました。

つまりスタジアム整備を進めるためには投資意欲を呼び込めるだけの魅力を持ったスタジアムが切望されているんですね。

そこでスタジアムを複合化し、ゼネコンや大手ディベロッパーを巻き込んで、周辺エリアの整備も含めた商業施設の開発を行い、試合開催日以外も集客できる収益性を持たせた施設として整備する方向性を検討しています。

具体的には、業界のトッププレイヤーを集めて20名程度の検討分科会を立ち上げ、自治体やJリーグクラブに提案を仕掛けて半年が経過し、ようやく複数の地域・クラブで具体的な動きが出てきたところです。このプロジェクトが成功すれば、Jリーグというビジネスは大きく変わります。

ここでのポイントは、今の会社で、ここまでお話したようなキャリアを積み、メガバンクを含む社内外の方々にご協力をお願いできる地位にまで到達したからこそ、この案件を実現できるようになったということです。

ステップアップに比例して仕事のスケール感が増す所が、戦略コンサルの醍醐味と言えますね。

―今後はどのようなキャリアプランをお持ちですか?

現在、当社のコンサルティング事業本部全体の育成強化プロジェクトにも携わっています。

一昔前は、当社でもコンサルタントは組織に何か具体的なバックアップを期待するというよりは、自ら機会を掴みとり、プロジェクトを通じて学ぶスタイルが主流でした。ただし今はコンサルタントの人数も増え、前職におけるキャリアのすそ野も広がりつつあることから、逆に整備された教育システムの必要性を痛感しています。

より時代にマッチしたコンサルタント教育の仕組みを構築し、会社に対し「テコの効いた」価値を生み出していくのが、当面の目標です。

―最後に、コンサル業界を志望する学生にメッセージをお願いいたします。
コンサルティングは形ある商品やサービスを提供する会社と違い、最後は「自分自身が売り物」になる商売です。

それゆえ、何か特定の成功パターンがあるというより自分自身のプロデュ-ス能力が成否を分けるといってもよいかもしれません。

またコンサルティングサービスの本質は「サービス業」ということも忘れてはいけません。

お客様のために全力を尽くして価値を出す、それがひいては自分のやりがいにもつながる。こういった志向をもった方にはぜひこの業界の門戸を叩いてほしいと思います。

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