【就活の逆説 第7回】ESで落ちなくなった時代に、ESで差がつくようになった──全員の書類が整った先で読まれているもの

【就活の逆説 第7回】ESで落ちなくなった時代に、ESで差がつくようになった──全員の書類が整った先で読まれているもの

2026/09/02

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eyecatch

大手デベロッパーで働く社会人1年目です。就活の「直感に反する現象」を採用側の論理から解剖する連載、第7回です。

前回、生成AIの普及で面接の評価軸が「その場の思考」へ移ったという話を書きました。今回はその書類編です。AIのおかげで、誰でも整ったエントリーシートを書ける時代になりました。書類で落ちる学生は、確かに減っています。ところが不思議なことに、「ESの重要度は上がった」と感じる場面が、選考の後半になるほど増えるのです。落とされないのに、差はつく。この逆説を解剖します。

📌 この記事の要点(30秒サマリー)
・ESで落ちなくなった時代に、ESで差がつくようになった
・その背景・理由:全員の書類が整った先で読まれているもの

「ESは通るのに、面接で手応えがない」という新しい悩み

後輩の就活相談で、最近よく聞く悩みがあります。「書類はほとんど通るんです。でも、面接がなんか盛り上がらない」。

彼のESを見せてもらうと、確かによく書けていました。構成は綺麗、誤字はゼロ、文字数はぴったり。AIと推敲を重ねたそうで、文章としての完成度は、私の就活時代の書類より明らかに上です。通過して当然だと思いました。

一方で、読み終えて気づいたことがあります。感想が、何も残らないのです。頑張った話、成長した話、貢献した話。どれも正しいのに、彼がどんな人間なのか、読む前と読んだ後で、解像度が変わらない。そして思い当たりました。面接が盛り上がらない原因は、面接ではなく、このESにあるのではないか、と。

書類選考を通ることと、書類が仕事をすることは、別の話でした。彼のESは、関門としては通過している。でも、その先の面接で「彼のために働く」ことを、何もしていなかったのです。

思い当たる節は、私自身にもありました。就活時代、通過率の高さを誇っていた私のESも、読み返すと、面接で盛り上がった回とそうでない回で、書類の性質がはっきり違います。盛り上がった回の書類には、われながら突っ込みどころが多かった。当時は詰めの甘さだと思っていたその隙間が、実は面接官への呼び水として働いていたのです。

ESの役割は、「選別装置」から「面接の設計図」に変わった

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