【就活の逆説 第6回】即答できる学生から、落ちていく──生成AI時代の面接官は「考える沈黙」を評価し始めた

【就活の逆説 第6回】即答できる学生から、落ちていく──生成AI時代の面接官は「考える沈黙」を評価し始めた

2026/09/02

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eyecatch

大手デベロッパーで働く社会人1年目です。就活の「直感に反する現象」を採用側の論理から解剖する連載、第6回です。

今の就活生は、生成AIとともに選考を戦う最初の世代です。調査によっては利用率が9割を超え、エントリーシートの作成から想定問答づくり、模擬面接まで、AIが就活の全工程に入り込みました。その結果、面接の風景が静かに変わっています。誰もが流暢に、隙なく、即答するようになった。そして逆説的なことに、その即答こそが、評価の場で力を失い始めています。今回は、AI時代の面接で本当に見られているものの話です。

📌 この記事の要点(30秒サマリー)
・即答できる学生から、落ちていく
・その背景・理由:生成AI時代の面接官は「考える沈黙」を評価し始めた

完璧な即答を続ける後輩の模擬面接に、既視感があった

先日、大学の後輩の模擬面接に付き合う機会がありました。

彼の受け答えは、驚くほど整っていました。どの質問にも間髪入れずに答え、回答は例外なく「結論、根拠、具体例」の三段構成。志望動機も自己PRも、文章としてはほぼ完成品です。聞けば、想定問答はAIと一緒に作り込み、口頭での練習もAI相手に何十回も回したとのこと。なるほど、上手いはずです。

ただ、聞いているうちに、妙な既視感に襲われました。この整い方を、最近どこかで大量に見た。思い当たったのは、仕事で読む文章でした。AIに下書きさせた企画書や報告書の、あの均質な整い方です。破綻はないが、引っかかりもない。どこを切っても同じ濃度で、書き手の体温だけがない。

意地悪な気持ちで、私は用意のなさそうな質問を一つ投げました。「今の話、もし全部うまくいかなかったら、君は何が残ると思う?」。彼は一瞬固まり、それから、詰まりながら、明らかにその場で考えた言葉を絞り出しました。拙い回答でした。でも、その数十秒が、模擬面接の中で唯一、彼という人間が見えた時間でした。

「AIを使うと落ちる」は、問題の立て方が違う

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