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プログラムは“書ける”より“仕組みの理解”が楽しい。ゴールドマン・サックス出身開発者のマインドセット


ITエンジニア志望の就活生が「外資系か日系か」「大手かスタートアップか」と比較しながら企業研究をする場合、各企業の技術面やポジション、環境の違いなど気になる点は少なくないだろう。

各企業にあるのは、技術的には別の性質のチャレンジ。ただし、成長が無限に広がる面白さは共通している――。経験を踏まえてそう明かすのは、外資系投資銀行であるゴールドマン・サックスのテクノロジー部でキャリアをスタートさせ、現在は日本のスタートアップであるREADYFORで開発の第一線に立ち続ける伊藤博志さんだ。

伊藤さんの歩みを通じ、エンジニアが異なる環境で成長とチャレンジを続けるためのマインドセットを探った。【李有佳】

〈Profile〉
伊藤博志(いとう・ひろし)
READYFOR株式会社 VPoE(Vice President of Engineering)。
上智大学理工学部卒業、同大学大学院理工学研究科博士前期課程修了(理工学専攻電気・電子工学領域)。2005年ゴールドマン・サックス入社。テクノロジー部でアジア太平洋地域における自己勘定取引会計アプリケーション開発チームのテクニカルアーキテクト開発、技術基盤開発チームのヴァイスプレジデントとして同社のオープンソース戦略を牽引。JavaOne San Francisco、Java Day Tokyoなど国内外のカンファレンスに登壇。日本国内のFinTech系スタートアップ2社を経て、2019年にクラウドファンディングサービスを運営するREADYFORにジョイン。VPoEとして約30人のエンジニアチームを統括している。

 

「ゴールドマン・サックスのテック企業のような一面が知られていない」。それはグローバル共通の問題意識だった

――大学や大学院での専門分野を聞かせてください。

伊藤:専門としていたのは、コンピュテーショナル・ニューロサイエンス、日本語にすると「計算論的神経科学」という分野でした。神経細胞であるニューロンの脳での振る舞いをC言語で組んでシミュレーションしていました。

この分野に行き着いたのは、脳の仕組みそのものへの興味もありましたし、プログラムを書くと動くモノが作れる面白さもありました。研究室の仲間たちとフィードバックし合えることや、研究のためにパソコンのネットワークを組むプロセスも含めて、楽しいと思っていました。

――どのような就職活動をしましたか。

伊藤:就活を始めたのは大学院時代の2003年で、そのときの「軸」は、モノづくりがしたい、作ったモノを使っている人の近くで働きたい、インターナショナルで多様性のある環境でさまざまな価値観に触れたいの3つでした。ただ、外資系や金融機関を意識していたわけではなく、当初はIT系企業やソフトウェアハウスなどを考えていて、ゴールドマン・サックスのことは知りませんでした。

特に3つの軸の中でも、「使っている人を目の前で見られる」という点が難しかった印象があります。スマートフォンも出回っていない時代ですから、「アプリを制作したらユーザーからフィードバックを受けられる」といったような、技術者にとって成果が分かりやすい世界観ではなかったように感じました。

――そこから、どのようにゴールドマン・サックスのエンジニア職を知ったのでしょうか。

伊藤:たまたま非エンジニア職で外資系金融機関を志望していた友人から、ゴールドマン・サックスという企業名を聞きました。調べてみるとエンジニアを採用し、ありとあらゆる社内システムを内製化していると知りました。

システムを使う社員が近くにいて、外資系企業であれば文句なしでグローバルな環境ですから「これしかないんじゃないの」くらいの勢いでのめり込んで、IT系企業より先に始まったゴールドマン・サックスの採用試験を受けました。

ゴールドマン・サックスはテクノロジー部門が最も大所帯で、世界で3万人を超える社員の約4分の1がエンジニアでした。エンジニアは部門ごとに配属されるのですが、言い換えれば全世界に「各事業部付け技術者」がいるような環境です。採用試験では、大学院の研究室でファイルサーバー運用やスクリプトによる自動化で研究の効率化を図った経験などを伝えたと記憶しています。

――ゴールドマン・サックスではどのような業務に携わりましたか。

伊藤:ゴールドマン・サックスのテクノロジー部では、トレーディングシステム、オペレーション、会計系、コンプライアンス、本当にあらゆるシステムの設計・管理・運用を行っていて、社員からのフィードバックが日々受けられました。この点は、就活のときに「これしかない」と感じた通りでした。

約12年間在籍したうち、入社から10年は財務諸表などの作成を担うコントローラーズ部門にいました。アプリケーションの開発に携わり、世界中のエンジニアから刺激を受けながら、ビジネスをより強くできる技術を突き詰めるのが面白かったです。

最後の2年はアプリケーションの基盤となるプラットフォーム開発に関わり、社内のJavaのコレクションフレームワークをオープンソースとして公開するプロジェクトのリードを担いました。

――内製化されたシステムに携わる点を面白さと感じて入社し、後にオープンソース化のプロジェクトに携わったのはなぜでしょうか。

伊藤:一般的な印象として、ゴールドマン・サックスはトレーディングや投資銀行業務を行う会社ですよね。自社でシステムを全て内製化するだけではなく、Javaのコレクションフレームワークを作れてしまうといった、まるでテック企業のような一面は、僕も入社してから知ったくらいです。

強いエンジニア組織であるためには、この点をもっと発信しなければならないと思いましたし、それはグローバル規模で共通した問題意識でもありました。そこで、オープンソースにコミットする姿勢を通じてこの事実を伝えたいと、国内外の技術者向けカンファレンスで登壇するようにもなりました。

ちなみに、このプロジェクトに僕を引き込んでくれた尊敬するエンジニアは、Javaチャンピオン(*1)でもある人物です。優秀なエンジニアと国境を越えてプロジェクトに取り組める環境も、ゴールドマン・サックスの魅力でした。
*1 Javaの最新技術の提供や、エンジニアのコミュニティー活動の活性化を牽引してきたエンジニアに与えられる称号


取材はオンラインで実施

 

スタートアップへの転身の背景には「強いエンジニア組織を自らつくりたい」との信念

――2017年にゴールドマン・サックスから日系スタートアップへの転身を考えたのは、なぜだったのでしょうか。

伊藤:自分の手で強いエンジニア組織をつくってみたいという気持ちがあったからです。エンジニア組織を大きくしていくフェーズにあるスタートアップに関心を持ち、転職を決めました。

――目指す強いエンジニア組織というのは、例えばゴールドマン・サックスのようにエンジニアリングを全て内製化できるチームでしょうか。

伊藤:内製化も一つの解だと思いますが、重要なのはエンジニアが「会社にとってのコアである業務」に集中できることだと思っています。ゴールドマン・サックスの場合は、内製したシステムを設計・管理・運用していくことがそうだったのですが、内製化せずにオープンソースやクラウドを使った方が最適なのであれば、それはそれでいいと考えています。

ゴールドマン・サックスで感じた強さは、どの部門でもビジネスを成功に導くというカルチャーを共有していることです。その中でエンジニアは、いかに自由闊達に技術力を駆使し、優位性の高いシステムや組織をつくり上げるかを考えられました。先ほど触れたオープンソース化のプロジェクトも、国境や部門、組織を越えて自由に取り組めた一例ですが、そのような事例が大小問わず数え切れないほどありました。

――FinTech系2社を経て、現在のREADYFORとスタートアップを歩んでいます。外資系の大企業とは歴史も社員数も異なりますが、求められる技術力の違いを教えてください。

伊藤:ゴールドマン・サックスは、フレームワークもそれが走っているインフラも内製化され、さらにはそのインフラもプライベートクラウド上で走っていました。つまり、特有の技術で組み立てられている完全に閉じられた世界で、裏を返せばガラパゴス化していたともいえます。

一方、スタートアップで求められていたのは、オープンソースやクラウドを組み合わせてプロダクトを作ることでした。誰もが知っている技術や情報を、常にスピード感をもってキャッチアップしていかなければならない点は大きく異なります。

抽象的なアーキテクチャの面などには応用が利く部分もありましたが、具体的な技術面では全く別でした。これはどちらがいい・悪いではなく、エンジニアにとっては別の性質のチャレンジだという受け止め方です。

ただ、スタートアップといっても、そのフェーズによって求められる技術力にもポジションにも違いがあり、そこでどのように強いエンジニア組織をつくっていくかを一言で表すのは難しいですね。

――現在は、技術面でどのようなことに取り組んでいますか。

伊藤:READYFORはスタートアップではありますが、サービス開始から既に10年が過ぎています。歴代のエンジニアたちが作り上げてきたシステムが存在し、一から作り上げる段階ではありません。コードの中にはロジックが複雑となり、メンテナンスや変更が困難な「レガシーコード」として技術的負債になっているものもあり、その解消にも取り組んでいます。

サービスや機能面でも、技術によって何をもたらすことができるかは、フェーズによって異なりますよね。具体的な話をすると、クラウドファンディングという手法は社会に浸透してきた一方で、寄付金が集まった後の手続きの煩雑さを負担に感じるユーザーもいます。そこを解決するプラットフォームづくりも求められています。


伊藤さん(写真左から2人目)。READYFOR株式会社提供

 

バグがエンジニア個人の責任と非難される環境は「撲滅されるべき」

――キャリアを通じて、「お金」にちなんだサービスを提供する企業に所属していますね。

伊藤:これは偶然なんです。ただ、お金って世の中のいろいろなものを動かす「血液」とも言い換えられて、エンジニアにはそれを動かす仕組みづくりが求められているのかとも思います。数あるビジネスの中でも金融領域には、例えば大量のトランザクション(取引)をさばける負荷に強いアーキテクチャ設計、各種の規制に合わせた堅牢なシステム構築など、ドメインの特性に合わせた高い技術力が求められる場面にあふれています。

――金融機関に限らず、プロダクトの課金に関わる部分も含めて、「お金」に関わると失敗が許されない怖さがあるのではないでしょうか。

伊藤:失敗が許されない怖さ自体は、よく分かります。エンジニアにとってバグを100%なくすことは不可能で、バグの存在とは向き合い続けなければいけません。

もしそれができない場合、エンジニアの個人の責任とされる環境の方に問題があるのではないでしょうか。いかにバグのリスクを最小限にできるかはエンジニアリングの力の見せどころですし、組織力の見せどころでもあるんです。

エンジニアが怖さを感じることなく開発に取り組める環境であることが、成長できる企業だともいえますし、今僕がVPoEとして担うべきことの一つです。バグを生み出したエンジニア個人が非難されるような状況は、世の中から撲滅されなければならないとさえ思います。

とはいえ、組織づくりのみに注力しすぎるあまり、手を動かさなくなってはいけないと思っています。ゴールドマン・サックスでも、マネージングディレクターが自らコードを書き、裏側で何が起きているかを常に把握していました。

そのように実際に触れ続けていないと、エンジニア組織のマネジメントはできないと分かっているから、僕自身も開発の現場に携わるエンジニアであり続けたいと思っています。

会社の優位性の源泉であるプロダクトをより良くできる面白さ

――エンジニアとしての「成長」とは何でしょうか。

伊藤:何をもって成長したと感じるかが無限に広がっているのが、エンジニアという職業と、エンジニアリングという仕事の面白さだと思います。

新たな技術を身に付つけて、それまで作れなかったものが作れるようになることも、作るためのプロセスを改善できるのも、どちらも成長ですよね。技術は次々と生まれていて、それを学ぶことによって優位性の源泉ともいえるプロダクトを、さらに良いものにできる面白さがある。これは4社を経て、共通して感じていることです。

――技術を身に付けるだけが成長ではないのですね。

伊藤:そうですね。例えば、ReactやRubyが書けるとか、それで何かが作れることも「成長」の一つだと思います。ただ僕自身は、「Ruby自体はどういう仕組みで作られているか」という点にも興味がありますし、そのような仕組みを知ったときは純粋にわくわくしたり、成長を感じたりします。

この感覚は、昔から一貫しています。子どものころのエピソードですが、郵便ポストに手紙を入れると宛先に届くことが、僕は魔法によるものだと思っていたんです。実際は魔法ではなく、ポストから手紙を回収する人がいて、配達員が手紙に書かれた住所を基に宛先へ届けるという仕組みがあるからですよね。それを知った幼い僕は、「世の中の全てには説明できる何かがある」ことに、驚きと楽しさを覚えました。

パソコンに触れたのは大学入学以降ですが、「魔法の箱」のようなハードウェアがどのような仕組みで動いているかを知ったときには、「郵便ポストと一緒だ」と思いましたね。就職し、各企業で優秀な頭脳を集結させて作った技術の仕組みを知れることにも、わくわくしてきました。

150年を超える歴史を持つ大手の外資系企業と国内のスタートアップを経て、技術的な仕組みを幅広く知る経験ができました。それを知ってきたからこそ、エンジニアにとってより良い仕組みをつくり上げることが、今の僕には求められていると思っています。

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