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こんにちは。就活相談室の回答者「目指せ!プロ彼氏」(以下、「プロ彼氏」)です。
総合商社志望者にとって避けて通れないのが、OBOG訪問です。
私は現在社会人として金融業界で働いていますが、就活開始当初は商社を志望しており、五大商社からも内定を獲得した経験があります。
実は、総合商社にお勤めの30人ほどの方にOBOG訪問をした際、個人的な試みとして訪問相手の方に「手土産」をお渡ししていました。
今回は前編として、私が手土産をお渡しするようになった理由や手土産を受け取った際の各社別OBOGの反応をみなさんにご紹介します。
後編では、“プロ彼氏流”手土産選びのコツやオススメ手土産をご紹介しますので、こちらも併せてご覧ください。
五大商社のOBOG訪問で手土産は有効か!?~後編~メリット・デメリットとオススメ手土産5選
手土産を持っていくようになった理由
私がOGOB訪問の際に手土産を持っていくようになったのには、二つの理由があります。
一つ目の理由は、お昼や就業時間後など業務外の時間を割いて会ってくださる OBOGの方にお返しをしたかったから です。
多くのOBOGの方が「当社に入社してくれることが最大の恩返しだよ」と言ってくださいましたが、同時に複数の総合商社の選考を受けていた私が罪悪感から「入社以外の方法で何かお礼がしたい」と考えついたのが、手土産を持っていくことでした。
二つ目の理由は、 他の学生と差別化したかったから です。
質問内容や学生時代のエピソードだけで社員の方に自分を印象づけられれば理想的なのですが、私にはそこまで強烈なエピソードも特徴的なパーソナリティもありませんでした。
そこで、他の学生に比べて気が利くところやその企業に対する本気度をアピールするための手段としても手土産を活用できるのではと考え、選び方や渡し方も自分なりに工夫していました。
各社の反応は?手土産の効果を検証してみた
ではいよいよOBOG訪問で実際に手土産をお渡しした際の反応と効果を見ていきましょう。
私がOBOG訪問をした総合商社は6社です。会社別の訪問人数と男女の内訳は以下の通りです。
A社: 8人(うち男性5人、女性3人)
B社: 5人(うち男性3人、女性2人)
C社: 3人(うち男性1人、女性2人)
D社: 3人(うち男性2人、女性1人)
E社: 7人(うち男性2人、女性5人)
F社: 3人(うち男性2人、女性1人)
訪問を行った合計29人のOBOGのうち、企業別に男女1人ずつの方とのエピソードを計12人分ピックアップしましたのでご覧ください。
A社の場合
先方プロフィール: 男性、体育会系、3年目、トレーディング
訪問時期 :2017年12月
手土産 :おせんべい
反応 :Good、紹介あり
初めてのOB訪問ということで心配しましたが、この方は知人経由の紹介であったため、面談中の話題に困ることもなく、すぐに打ち解けることができました。
また私の持つ体育会系気質の助けもあってか、この方とはフィーリングが合い、かなり話が弾みました。
手土産をお渡しすると「初めてこんなものを貰ったよ」と喜んでいただけました。
後日、他の若手社員の方を紹介していただけたので、手土産をお渡しすることはマイナスにならないということを強く確信することができました。
先方プロフィール: 女性、ブラジル駐在2年、コーポレート
訪問時期 :2018年3月
手土産 :クッキー
反応 :Good、紹介あり
この訪問を行ったのは、ある程度OBOG訪問にも慣れてきた時期でした。
この方とは以前にお会いしたOBの方からのご紹介でお会いしたため、私が手土産を渡したという情報がその方にも共有されているのではと懸念していました。
手土産をお渡ししたところ驚いたようなリアクションが返ってきましたので、手土産についての社内共有はなされていないようだということが確認できました。
この訪問後、同じくらいの年齢の他の社員の方を紹介いただけました。
B社の場合
先方プロフィール: 男性、12年目、コーポレート、大学の先輩
訪問時期 :2018年1月
手土産 :おせんべい
反応 :Good、紹介あり
この方にお会いしたのは、OBOG訪問の正式解禁後でした。
なぜこの時期だったのかと言うと「B社はOBOG訪問での評価が選考結果を左右するらしい」との噂を聞いたからです。
B社のOB訪問はこれが初回であり、訪問相手がかなり高い年次の方だったので、訪問の際にはかなり緊張したのを覚えています。
会話の内容によるものか手土産の効果かは定かではありませんが、訪問後に若手社員を3人も紹介していただきました。
この経験により、実は年次の高い方から先に訪問を行った方が効率的に他の社員の方を紹介いただけそうだと感じました。
先方プロフィール: 女性、2年目、トレーディング
訪問時期 :2018年1月
手土産 :フィナンシェ(フランスの伝統的な焼き菓子。バターやアーモンドの風味が特徴)
反応 : Good、優遇ルートへ
1、2月は基本的にB社とD社への訪問を行いました。特にB社については、OBOG訪問を立て続けに行うようにしました。
なぜ立て続けに同じ会社のOBOG訪問をするようにしたかと言うと、それまでの経験で複数の企業の訪問を同時並行で行うと、その会社の情報を忘れたり、他社の情報と勘違いしたりということが発生しやすいと気づいたからです。
直前のOBOG訪問で質問した事項について更に別の方の意見を聞くことができるのも、同じ企業のOBOG訪問を立て続けに行う大きなメリットです。
B社の女性に訪問をした際にも、その前に訪問でお会いした方の意見について、異なる年次や部署でも違いがないかどうかを中心に質問しました。
この手法が良かったのか、それとも手土産としてお持ちした当時流行のフィナンシェの効果かは分かりませんが、この訪問をきっかけに優遇ルートに乗ることができました。
C社の場合
先方プロフィール: 男性、3年目、コーポレート
訪問時期 :2018年4月
手土産 :おせんべい(ただし渡さず)
反応 :Not good、紹介なし
もともと志望度は低かったものの確認のためにOBOG訪問を行ったのが、C社です。なぜ志望度が低かったのかと言うと、C社は私が志望する食品の小売業関係の事業にあまり力を入れていなかった上、社風も合わないように感じていたからです。
社員の方と実際にお会いしてみたところ、予想通りあまり話も盛り上がりませんでした。手ごたえのない状態で手土産をお渡ししても悪い印象を与えてしまいそうだと感じたため、この方に手土産をお渡しするのはやめました。
その後この方から他の社員の方を紹介されることはありませんでした。
やはり「どうも社風が合わないな」という私の直感は、当たっていたようです。
先方プロフィール: 女性、2年目、トレーディング、中国駐在間近
訪問時期 :2018年4月
手土産 :小さなワッフル
反応 :Not good、紹介あり
男性社員への訪問は上手くいきませんでしたが、一人という限られたサンプルだけでその会社のことを決めつけるのは早計ではないかと感じ、違う部署の方からも話を聞こうと訪問したのがこの女性の方です。
実際にお会いしてみたところ、前回の男性社員とは違ってこの方とはとても話が弾みました。
ところが、手土産をお渡ししてみると反応はイマイチで、訪問後のメールにも手土産についての言及は一切ありませんでした。
他社に比べC社の社風はドライなのかもしれません。OBOGの方もお土産を貰った経験が少ないため、反応に困ったのでしょう。
とはいえ、この方には後日、他の社員さんを紹介していただけましたし、このときのOGの方の反応からC社の社風が自分には合わないと気付けたことを考えると、手土産代は無駄にはならなかったと感じています。
D社の場合
先方プロフィール: 男性、2年目、トレーディング、同じ大学で同じサークル
訪問時期 :2018年4月
手土産 :ようかん(ばら売り五本入り)
反応 :Not good、紹介なし
OBOG訪問にもだいぶ慣れ、訪問先企業の幅を広げた際に初めて訪問したのが、D社です。
近年の業績の良さや社風の温かさから、にわかに人気が高まっていたD社ですが、D社には私のやりたい事業がなかったため、正直言って私の中での志望度はあまり高くありませんでした。
それまで企業研究もろくに行っておらず、何とかOBOG訪問で挽回できないかと手土産にはやや高級なようかんをお渡ししましたが、返ってきたメールもそっけないもので、あまりいい気はしませんでした。
やはり結果としては、OBOG訪問とその後の社員の方とのやり取りでも、あまりD社に対しての志望度が高まることはありませんでした。
先方プロフィール: 女性、8年目、コーポレート、同じ大学
訪問時期 :2018年4月
手土産 :フィナンシェ
反応 :Good、紹介あり
最初のOB訪問でD社に対する志望度は上がりませんでしたが、一人の方とお話をしただけでその企業を判断してしまうのは早計だと感じてお話を伺いに行ったのが、このOGの方です。前回の方より年次が高く、異なる業務の方でした。
実際にお会いしたところ、結果は上々でした。
訪問相手の方が年次の高い方であったため、その企業について若手の方よりも深い話を聞くことができたことが大きかったのではないかと思います。
もちろん、若手の方とお話をするのも無駄にはならないと思いますが、企業研究を行う目的でOBOG訪問を行うのであれば、まずは年次の高い方とお話しすることをおすすめします。
E社の場合
先方プロフィール: 男性、4年目、コーポレート、学校のOBOG名簿から
訪問時期 :2018年4月
手土産 :ようかん
反応 :Good、紹介3人
社会的地位の高さや事業内容、財閥系企業へのあこがれなどの理由から最も私の志望度が高かったのが、E社です。
「E社は場合によってはOBOG訪問を行わなくても内定ができる」との噂を途中まで信じていたため、かなり遅い時期に訪問を始めましたが、短期間に多くの方に訪問しました。
最初に訪問したこの方は、かなり関係性の薄い大学のキャリアセンターのOB・OG名簿からのルートでした。
年次は浅い方でしたが「この訪問がこの会社でのOBOG訪問の成否を分ける最初のヤマだ」と感じていたため、やや高めの手土産を用意しました(手土産にかける金銭的コストと紹介率の相関は不明ですが、大事な訪問の際にはやや高いものを用意した方が無難かもしれません)。
会話自体もそれなりに弾み、結果、この方から3人もの方をご紹介いただけました。大学からの直接の先輩ということで、やや緊張して謙虚に出たのが良かったように思います。
やはり私の感じるOBOG訪問の成否は、お土産への反応いかんよりも会話が弾んだかどうかで感じる部分の方が大きい気がします。
先方プロフィール: 女性、8年目、IR室、一人目の男性の方の紹介
訪問時期 :2018年4月
手土産 :フィナンシェ(ただし、渡さず)
反応 :―
さて、前回のOB訪問で成功を収めた私は、間髪をいれず二日後のOG訪問を設定しました。
このOGの方は比較的年次が高く、かつ学生にはなじみのない業務を担当されていたため、手土産にはやや値段の張るフィナンシェを用意しました。
しかし、結局この方に手土産を渡すことはありませんでした。
というのも、当日伺った内容から、このOGの方の業務はかなりコンプライアンスを意識していることが分かったからです。
学生とOBOG間にはビジネス上の関係もないので、恐らく手土産を渡すこと自体がコンプライアンスに引っかかることはないと思いますが、それでもコンプライアンス関係の業務の方にネガティブな印象を与えたくなかったのです。
ちなみに相手の方の事業内容から手土産を渡さないという判断をしたのは、後にも先にもこの訪問だけでした。
F社の場合
先方プロフィール: 男性、9年目、コーポレート、アフリカ駐在経験あり
訪問時期 :2018年5月
手土産 :ようかん
反応 :Good、紹介あり
最後に訪問した会社はF社です。
実はF社には私が携わりたいと思う特定の事業があり、その他の事業には興味がなかったため、キャリアセンターの名簿からその事業関連のOBOGの方のみを狙い撃ちし、連絡をしていきました。
最初から年次の高い方にお話をお聞きしようと、この訪問では9年目の方にお会いしました。
実際の訪問での話も盛り上がり、いい流れができたので手土産をお渡ししたところ、後日、他の社員の方をご紹介いただけました。
先方プロフィール: 女性、3年目、トレーディング
訪問時期 :2018年5月
手土産 :クッキー
反応 :Good、紹介あり
実に数十回は行ったOBOG訪問で最後にお会いしたのは、F社の女性の方でした。
そしてこの方へも手土産をお渡ししました。
実はこの方を最後のOBOG訪問にしようと考えていたので、どんな反応が返ってきてもおかしを渡すつもりでいました。
途中、手土産をお渡しすることでプラス評価を狙いに行っていたところも多少はありましたが、やはり一番の目的はOBOGの方への感謝の気持ちをお伝えすることだったからです。
この方の反応がそこまで良かったわけではありませんが、やはり最後の訪問ということでお渡ししたクッキーの銘柄も覚えているほど、私にとっては印象的な訪問になりました。
終わりに
実際、この試みが成功したかどうかは不明ですが、一度OBOG訪問を行えば、手土産を受け取ってくださった多くの方が次の方につないでくださいましたし、手土産に驚きながらもその行為を褒めてくださいました。
私の個人的な印象としては、 それなりに話が弾み、かつ手土産を渡せば9割以上の確率で他の方を紹介していただけると感じています。
後編では、“プロ彼氏流”手土産選びのコツやオススメ手土産をご紹介します。
五大商社のOBOG訪問で手土産は有効か!?~後編~メリット・デメリットとオススメ手土産5選
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