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リンモチは「宗教」か? 小笹会長が明かす“次代のリンモチ”に必要な人材

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世界初の「モチベーション」にフォーカスしたコンサルティングファームとして名高い、リンクアンドモチベーション

「モチベーション」というキーワードがキャッチーである一方で、一部の学生からは「胡散臭い」「人材に多様性がない」や「悪い意味で“宗教”的に映る」といった声も聞こえます。今回、小笹会長にそれらの声をぶつけてきました。

そして、設立19年目のリンクアンドモチベーションが、さらなる飛躍のためにいま必要としている人材とは。会社が抱えている課題や、独自のキャリア論などについて、赤裸々に語ってもらいました。

〈Profile〉
小笹芳央(おざさ・よしひさ)
株式会社リンクアンドモチベーション 代表取締役会長。
早稲田大学政治経済学部を卒業後、リクルートに入社。本社人事部人材開発課長、組織人事コンサルティング室長、ワークス研究所主幹研究員などを歴任。2000年にリンクアンドモチベーションを設立、同社社長に就任。2013年から現職。主な著書に『会社の品格』『モチベーション・マネジメント』などがある。

 


 

チーム意識を持たない個人は市場価値が低い

――ここ数年、個人の専門性や情報発信力を高めることで有名になったり、個々の事情や希望に合わせた働き方が推奨されるなど、“個”を強調したキャリア構築が論ぜられることが多くなった気がします。この動きをどう見ていますか。

小笹:歴史を振り返って言うならば、ようやく“個”が解放される時代になったということだと思います。

戦後復興期から高度成長期には、個人が組織の中に埋没していた。すなわち会社とそこで働く個人の関係性は「相互拘束型」でした。つまり、お互いに縛り、縛られ合う関係です。その代わり、会社側は個人を定年まで面倒見てあげる。一方で、個人も転職はせずに一つの会社で退職まで勤め上げるという在り方です。

この時代の企業は、設備や機械、工場といった「ハード」が競争優位の源泉でした。個人が埋没したとしても、皆でそのハードを生かして価値を生み出していたのです。

しかし最近は、ITの技術革新や経済全体のソフト化・サービス化の流れによって、ようやく個人としても価値が発揮できる時代になりました。これはとても大きな変化です。「寄らば大樹の陰」ではなく、自立的・主体的に自らの人生を切り開いていく時代です。

実はこれは私が2000年代の初めから言い続けている、「アイカンパニー(=自分株式会社)」という言葉そのものです。一人一人が自分株式会社の経営者という意識で、自らを「人気企業」あるいは「優良企業」にしていく。その意味で、企業と個人の関係性は、お互いの状況に応じて選び、選ばれ合う、「相互選択型」の関係に変わってきたのです。

例えば、企業で働いている個人でも副業や兼業が認められたり、働き方改革の流れによって多様な勤務形態が広がったりしています。このように個が解放されていく一方で、企業側としてはそうした多様なアイカンパニーたちを有機的に結び付け、組織として機能させなければならない。企業経営にとっては難しい時代がやってきたと捉えています。

――多様なアイカンパニーを束ねる難しさとは、具体的にどのようなことでしょうか。

小笹:企業の成長に伴って、機能や階層がさまざま分かれていきます。こうした機能分化や階層分化の「分化」の程度に応じて、どこかでそれらを束ねる「統合」も重要になります。いまの時代、機能や階層に加えて働き方も分化しているので、それ相応のより大きな統合の力が必要になるのです。

この統合の力を上手く働かせないと、ともすれば分化だけがどんどんと進み、コントロールできなくなる。結果として企業全体としての成果に結び付かないといった、そんな企業も増えてくるのではないか、というのが私の見立てです。

――その統合の力とは何を指すのでしょうか。例えばカリスマ性の高い経営者ですか。

小笹:カリスマ経営者でもいいですが、その場合、その人の在職中しか統合力が機能しないことになります。企業が生まれてしばらくの間は、創業者の魅力やカリスマ性への共感がその役割を果たすこともありますが、永続的に成長していくには、言語化されたミッションやビジョンといった理念を打ち立てる必要があるでしょう。

一見すると多様な人たちの集合ですが、深層レベルでは、その企業のミッションやビジョンへの共感によって皆がしっかりと束ねられているというイメージです。それが、多様な個人の結節点として機能する。これなしに個人がバラバラに動くだけでは成果は生まれません。

――「解放」される大きなエネルギーを持つ個からすると、「統合」がネガティブに捉えられることもあるように思えます。

小笹:「相互選択型」のいま、個人の価値は大きく3つのレベルに分けて考えられると思います。

1つ目は、まずは「組織に選ばれる」という最低限のレベル。本人がその組織を選ぶかどうかは別として、組織から選ばれないような個人だと厳しい。組織にとって魅力のあるスキルや人間性を持ち合わせていれば選ばれます。

2つ目は、組織の中にいても、個人として自由にやりたいという意識に止まり、個人としての成果しか出さないというレベルです。これは3段階の中間の価値と言えるでしょう。

3つ目、これが最もバリューが高いのですが、“for the team”、チームのためにという意識を持ったアイカンパニーです。こういう個人には市場で一番高いプライスが付きます。組織の重要なポストに就くことになる。これが理解できる人材は、「統合」をネガティブに捉えることもないのです。

 

ティール組織は「全否定」、“All”と“One”の両立こそ最良だ

――翻って、リンクアンドモチベーションはどういう組織を目指しているのでしょうか。

小笹:個の解放や分化と、それに応じた統合の話は、我々の言葉でいうと“One for All, All for One”で表されます。これは、一人は皆のために存在し、同時に、皆もまた一人一人のために存在するということです。“for All”と“for One”を高いレベルで同時に実現すること。これを当社は目指しています。

“for One”に寄り過ぎても“All”として束ねられていないと、結果的に組織の成果につながりません。一方で“for All”だけを意識して“One”の自由を奪ってしまうと、個が息苦しくなって組織から離反していく。ですので常に、どちらかだけではなくて、バランスを取って両立するよう努めているのです。

――近年、「ティール組織」や「ホラクラシー経営」といった言葉で語られている、非中央集権型・非階層型の組織の理念形についてはどう見ていますか。

小笹:全否定しています。あのような理念形を、流行りだからといって表層的に真似して上手くいく企業はほとんどないと思います。

組織というのは人の集まりであり、人同士の関係性のネットワークです。例えば、10人のチームなら10×9÷2で45本、100人なら100×99÷2で4950本の関係性。この高度な複雑性を縮減するためには、どうしても管理者という結節点が必要になるのです。安易に飛びつくと、失敗する企業、組織崩壊する企業が出かねません。

――キャリア構築について、いまの大学生に伝えたいことは何でしょうか。

小笹:当社に入る学生にも伝えることですが、きょう、いまからでも、自分株式会社を設立する意識を持ちましょうということです。そのアイカンパニーを俯瞰的に見て、どの強みを伸ばすか、どんな経営計画でいくか、どんなオリジナリティ・オンリーワン性を追求するか、といった意識を持つところからスタートしようと。

そうしないと、皆が良い会社と言っているから何となく良さそうとか、皆から人気の業界だからとかいった、他律的な軸によって就職活動に臨み「漂流」することになってしまう。今後のキャリア形成においても、皆がこんなキャリアが良いと言っているから、という他律的なものになりかねません。

一方で、“Will”、“Can”、“Must”の中でいう“Will”、すなわち自分のやりたいことだけを考えた行動を取るのは、長い目で見たときに良くありません。“Will”ばかりを押し出す人は、アイカンパニーの「信頼残高」が貯まらないからです。信頼残高というアセットは目に見えませんが、例えば将来的に独立起業する際に周りが助けてくれるかどうかにつながってきます。

 

多様なアイカンパニーの中心に「多様性は要らない」

――リンクアンドモチベーションのイメージとして、多様でないように見えるとか、宗教のように映るといった声が一部あります。どう思われていますか。

小笹:「理念型経営ですね」と言われれば、「はい、そうです」、とお答えします。

「ひとりひとりの本気がこの世界を熱くする」というコーポレートキャッチに社員皆が共鳴したり、世の中の「人材開発部」や「組織開発部」といった役割を果たすのだという理念に共感している。その根っこの部分でつながっているのであり、そこに多様性は不要です。

その理念によって多様なアイカンパニーが束ねられているので、その根っこに多様性があったらむしろ困る。それは当社だけではありません。ただ、この共通部分としての理念だけにフォーカスすると、一般的には悪い意味での「宗教」という言葉が使われてしまっているのだと思います。

しかし一方で、個々のコンサルティングの現場において個性を存分に発揮してもらいますし、職種や業務も大変多様に分化しているので、アイカンパニーの多様性は常に求め続けています。繰り返しになりますが、“for All”と“for One”の高いレベルの同時実現が、我々の普遍的なテーマであり、当社の繁栄に必要なことだと考えているのです。

――まさに解放・分化と統合の話で、大変難しいチャレンジをしているということですね。

小笹:現場の“重力”として、多様性はどんどん高まっていきます。分かりやすいところでいえば国籍も、働き方も、創業時に比べれば本当に多様ですし、いまこの瞬間も分化が進んでいる。こうして多様性を帯びれば帯びるほど、各々がアイカンパニー意識を持てば持つほど、皆が結び付く部分だけは大事にしなければならないのです。

――19年目のいま、リンクアンドモチベーションの人材について抱えている課題と、それを乗り越えてステップアップするための方策をどう考えていますか。

小笹:一言でいうと、経営人材をもっと育んでいかなければいけないと考えています。これまでの間で、一人前のコンサルタントになり、さらにリーダーや管理職としてマネジメントの仕事が立派にできる人材もたくさん生まれてきました。

しかし、さらにその先。すなわち新たな事業を生み出したり、新たな価値を創造したり、あるいは“One for All, All for One”を実現するといった、「経営」を担える人材がまだまだ不足しているのが正直な現状です。例えば、新卒入社組で役員になっているのはまだ数名、というのが実態です。

ですから、今後はさらに多くの人材に、経営者としての経験を積ませてあげたいと思っています。経営のポストにどんどん就いてもらう。うまくいく人もいれば、失敗や挫折する人もいるでしょうが、それもまた糧にして経営人材を育んでいきたい。新卒入社する皆さんにもそういったチャンスを広く提供していくのが、いまの私の役割だと思っています。


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