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はじめに
今回は帰国子女でも、海外在住経験もないいわゆる「純粋ジャパニーズ」である私が、 1年でTOEICスコアを540点から900点までスコアをアップ できた方法の一端(今日は英語リスニング力の底上げ法)について記してみたいと思っています。
TOEIC900点は独学で達成可能である
英語は外資系企業のみで求められるわけではありません。
企業のグローバル化は加速しており、社内に外国人が増えている企業は多数あります。新卒採用を国内大学生ではなく、海外中心で行っている企業も多いですし、楽天のように社内公用語を英語と設定する企業もあります。
「使える英語」は今後ますます必要とされるでしょう。日系企業の幹部候補生はTOEIC750が必須というのが一般的です。
全般的に日本人の英語力は芳しくないと言われており、私も大学入試後は英語をサボってきたこともあってか 昨年受けたTOEICは540点! これはなんとかしないとと思って一念発起して勉強し、1年足らずで900超えを達成することができました。
「900を超えるような連中はどうせ帰国子女」と思っている方がおりましたら、それは違います。
また 「英会話教室に通う」「英語圏の友人をつくる」あるいは「留学する」といった方法は必須ではありません 。独学独習のみで達成することは十分可能です。
もちろんTOEICはインプットスキルの測定値であって、アウトプット力の向上は別のトレーニングが必要です。ご紹介する方法は純粋に英語を解釈する力を付けるためとご理解頂ければと思います。
勉強を始める前に、まず自分の実力を知ることが重要
まずTOEICを受けたことがない方はすぐ申し込んで、受験・スコアの送付をお待ちください。
TOEICは英検や簿記検定のような合格or不合格のオールオアナッシング物ではなく、実力が数値化して現れます。
自分の実力を数字で把握することにより、 目標と現状の差分を把握して、それを埋めるための効率的な学習をすることができます。
リシャドー(音読+シャドーイング)
いわゆるシャドーイングとは、英文を目で読むことなく耳だけで、音源再生の文頭から文章の終了を待たずに復唱していくという英語学習法です。
要するに 再生音源を耳のみで後追いしてぶつぶつリピートしていくやり方 です。この方法は基本的にリスニング音源とスクリプトがあればできます。
ただ、シャドーイングがある程度できるということは、そもそもリスニング力がある程度完成されているといってよい状態です。当時の私のリスニング力でやろうとしても、文頭から3語ほど追っただけであとはグダグダになってしまう。
そこで私は新しく「シャドーイング+リプロダクション」名づけて「リシャドー」というやり方を考案しました。
具体的にどうやるのか
リシャドーのプロセスは以下のように分類されます。
2.英文・日本語訳を比較対照して読む
3.音読する
4.英文を流し聴きする
5.素人シャドーイング
6.アフターケア音読
さきほど「音読・シャドーイングとリプロダクションを合わせたやり方」と申し上げましたが、その意味をご理解頂けたかと思います。この一連の6ステップをひっくるめて「リシャドー」と呼ぶことにします。
これを行うことで、 中級者以下でもいきなり本格的なシャドーイングに類似の効果が得られると私は考えています。この方法は、どのテキストでも活用できますので、お手持ちの教材で一度試してみてください。
では以下詳しく述べていきます。
1.日本語訳を読む
まずは日本語の訳文を読みます。そして、大まかな会話の概要を把握します。
私のような純粋ジャパニーズにとっては、いきなり英文を読んでもなかなかアタマに入ってきませんから、とにかく日本語で最初に意味を捉えることが大切です。この 「アタマに入る」「意味をとらえる」という感覚が大事 です。
2.英文・日本語訳を比較対照して読む
次に、英文を読みます。さきほど読んで理解した日本語訳文と対照させて「これはここの日本語の部分を表しているんだな」とゆっくりでもいいので意味のかたまり一つひとつを納得できるまで読みます。
対照対応がどうしても分からないのなら、辞書の出番。といっても、前置詞等をすみずみまで細かく把握する必要はありません。
とにかく 「このかたまりでこういう意味」なんだろうという単位的理解で十分 です。
リシャドーを続けていくにあたって、最終的にはこの英文をさっとひと読みしただけ(返し読みなどせず)で意味を把握できるようにすることが理想です。
3.音読する
次に音読です。英文を声に出して読みましょう。このときの音読は、ただ漫然と発声するのではいけません。それではただ空気を振動させているだけです。
さきほど日本語で理解した、会話シチュエーションのイメージを思い浮かべて読むことが必要なのです。
そのためには一節一節噛みしめて音読することが必須です。ここでも先に述べた対照読みのような「発音の咀嚼」が重要になってきます。
そしてさらにこの音読プロセスでも 「さっとひと読み(ここでは音読)しただけで意味を把握」することが理想型です。
4.英文を流し聴きする
次に英文を見つつリスニングをします。ここで音と文字の対応を図ります。もちろん当初は字面を追うのにも精一杯で、音と意味の対応まで把握するのは困難でしょう。その意味で、流し聞きで大丈夫です。
5.素人シャドーイング
次は素人シャドーイングとも呼ぶべき、シャドーイングの真似事です。「文頭から3語ほど追っただけであとはただあたふた」と申し上げましたが、まさしくそんなノリでおどおどと復唱していきます。
正直言ってリシャドーを始めた当初は、3語4語発声できればいいくらいのレベルだと思います。実際、当初の私は3語まで発声できればいいほうで、会話の主体が入れ替わるまで無言で流し聞き状態。
会話の主体が入れ替わっても、結局またもごもごと2語程度発声できるくらいでした。これではシャドーイングと呼ぶのはおこがましいので、素人シャドーイングとでも言うべき状態になります。
ここでは英文を理解することを無理に行わなくて良いです。とにかく音についていこうと頑張ってみる。
この「頑張ってみる」ことが大切で、シャドーイング自体は全然できなくても問題ありません。精神論で言っているわけではなく、 口が発音をしてやろうという準備状態になっていることが重要 だということです。
このようにやっていると、自然ともごもごといった発声になってしまいますが、お気になさらず。ちなみに発音はそんな厳格に考えなくて大丈夫。
6.アフターケア音読
そしてラストにアフターケアとしての音読に入ります。これがかなり重要です。さきの素人シャドーイングで「頑張ってみた」感覚を維持しつつ、今度は音源を流して英文を見ながら音読していきます。
つまり 見ているスクリプトの音源に合わせて、同時に音読するということです。 最初はこの状態でも音源再生についていけず、やはりもごもごとした発声になってしまうことでしょう。
しかし少なくとも5の素人シャドーイング時よりはハッキリと声を出すことができるのではないかと思います。
4の対象流し聞きで確認した音と文字の対応を頭で理解しながら、5における音と意味の対応を手助けするフェイズです。
ご覧頂ければ分かるかと思いますが、リシャドーの核心は 「音と文字の対応訓練」を通じた「音と意味を対応させる能力開発」の過程 です。
音と意味の対応とはstudy→勉強するという回路ではなくて、study→(机に向かって鉛筆を一生懸命動かしている人)というような回路の構築です。
リスニングよりリーディングに強い人にありがちなのが、リスニングしたフレーズを逐一脳内で翻訳するといった回路過程です。まさしく私がこんな回路の持ち主でした。
リシャドーを行うことによってこの過程の翻訳プロセス(英語→日本語訳)をスキップする回路が構築され、英語を英語として受容できるようになるわけです。
習慣付けるためには
リシャドーの一連のプロセスを、時間を決めて習慣的に行いましょう。私は朝ちょっと早めに起き、早起きは三文の得とばかりにリシャドーの時間にあてていました。
目安としては30分程度が望ましいでしょうか。慣れた後は時間というよりも1日にやるべきユニット数を自分に課してやったほうがペースを維持しやすいかと思います。ちなみに、例えば1日4ユニットやると決めたならば、2ユニットは前日の復習に、2ユニットは新しいユニットにと振り分けると脳内への定着がよいかと思います。
また、通学時間等に流し聞きリスニングを行うことをオススメします。その際は倍速再生で、今までのリシャドーの復習がてら流し聞くというスタンスが良いでしょう。
注意点として
これらプロセス一個一個を最初から細かく行う必要はありません。ただ、慣れるまでは何となくであっても続けてみてください。
徐々にプロセスを省略していき、私が考える必須フェイズの356(3音読→5素人シャドーイング→6アフターケア音読)のみのサイクルで順調に回せるようになれば しめたもの。
その356サイクルをTOEIC受験日までにできる限り、何度も繰り返したいところです。目安としてはテキストを3回転ほどでしょうか。予定受験日から逆算して自分に課す1日のユニット数を決めましょう。
おわりに
以上述べてきましたが、手間のかかるプロセスかと思います。ただ356サイクルを根気よく続けていけば、英語を英語として理解できるようになってくるはずです。
そうするとリスニングはもちろんのこと、リーディングも点数が伸びてきます。ぜひリシャドーを続けてみてください。
長い記事にも関わらず、ここまで目を通してくださってありがとうございました。
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