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広告志望の21卒就活生です。ストプラ志望で、戦略コンサルも同時に見ているところです。広告代理店のストプラと戦略コンサルのコンサルタントはとても似ている職種なのではと考えているのですが、この二つは大きくなにがちがうのでしょうか??ljh8821さんは戦略コンサルにもご内定かと思います。ご意見いただけますと嬉しいです。

この質問への回答 1

相談室回答者

社会人10年目 メディア/マーケティング関連職種 就活の具体的な方法論や戦略は、内定者や社会人1-2年目の方にどうぞ。 様々な業界の友人の情報を事細かに把握しているので、ある程度のキャリアを積んでみての視点や、人生設計、幸福度、給与や待遇、手当、ワークライフバランス等、総合的な視点でのアドバイスができるかと思います。 企業ごとの違いや特徴などで悩んでいる就活生の方、内定者で進路に悩んでいる方、入社1-3年目くらいの方の参考になるかと思います。 (仕事・家庭の事情で、回答を休止させていただきます)

ご質問をいただき、ありがとうございます。

21卒で既に就活に目を向けられているとのこと、非常に早い準備で素晴らしいですね!
また、広告を志望していただいているとのこと、ありがとうございます。
今からきちんとご自身の今後に向き合われていますので、じっくりと様々な業界を見たり、いろんな方の話を聞きながら、広告への思いも育ててもらえたら嬉しいです。

さて、広告の中でもストプラ志望でありつつ、戦略コンサルも見られているとのこと、着眼点も良いですね。
実際に、この両者は共通している部分も大きいと思います。
なぜなら、どちらもクライアントが持つ様々な課題を解決する戦略を立案する職種であるからです。そして、提案に向けての業務に関しても、調査、分析、戦略の策定、提案、実行支援などを行うというフローは共通しており、非常に似ている部分があります。
事実、ストプラ→戦略コンサルへの転職や、その逆も事例として見られることからも、その業務内容の共通性が見て取れます。

では、ご質問いただいた両者の違いは何なのか、ということでいいますと、
・クライアントから相談される課題の種類や領域
・課題を解決する戦略や具体的な戦術、手法
これらが異なっていることが、最大の違いであると思います。

戦略コンサルは、クライアントが抱える経営上の課題を解決する職種であり、その経営上の課題は、中期経営計画などのビジョン策定から具体的な事業推進・投資戦略まで、主に川上領域全般の多岐に渡るものです。また、政府系機関をクライアントとした国家プロジェクトの戦略策定やプロジェクト推進に必要な調査報告業務なども、戦略コンサルが関わっている業務のひとつです。そしていずれの課題も、クライアントの今後を左右する非常に重要な経営決定に関わるものが多いため、提案の相手も社長や役員、事業部のトップなど、上位レイヤーの方が多いのも特徴です。
ですので、常に完全なるクライアント目線であり、クライアントを主語とした視点でのアドバイザリーとなります。
またそのアウトプットも多岐に渡り、それぞれの課題に適した提案を、具体的な数字やシミュレーションで提示し、実行までの道筋を示しているのがほとんどになります。

一方で、広告代理店のストプラ職は、その名の通り、クライアントの課題に対する戦略立案(ストラテジックプランニング)をしているわけですが、その課題は、具体的にブランドの好意度を上げたり、サービスや商材の売上を伸ばすことであり、川下領域に寄っているものが多いです。そのため、提案の相手も、それぞれのブランドや商材の事業部や広報・宣伝部になることが多く、より現場目線での提案になることがほとんどです。
そして、そのブランドや商材がどうやったら生活者に受け入れてもらえるか、消費者に買ってもらえるか、セットで考えることが非常に重要なため、クライアント目線は持ちつつ、生活者の視点を中心に考えながら戦略を立案していくことになります。
また何よりも、そのアウトプットは広告を中心としたコミュニケーション領域がメインとなるため、世の中(一般的な人々)を動かしていく、生活者一人一人を動かしていくクリエイティブやプロモーションのコアとなる戦略を立案し、提案していくことがほとんどとなります。

以上から、
戦略コンサルは、上位レイヤーの多岐にわたる経営課題(川上領域)に対して、クライアント視点で、あらゆる手法を活用してその解となる戦略を立案するのに対して、
広告ストプラは、現場レイヤーの具体的な売上や収益目標、ブランディングという課題(川下領域)に対して、生活者視点で、広告を中心としたコミュニケーション手法のコア戦略を立案する、
という違いがあるといえます。

よって、多岐にわたる経営課題を、クライアントの上位レイヤーに、しかも短期スパンで提案しなければならない戦略コンサルは、並大抵の提案では絶対に許されないので、非常に高いレベルのアウトプットが求められますし、必然的に知力体力ともにタフさが求められるハードワークになりやすいといえます。
(もちろん、広告ストプラも非常に高いアウトプットも出しますし、ハードワークの一面もありますが、戦略コンサルに比べれば、さすがにそこまでではない、という感じかと思います)

こう見ると、広告ストプラは業務領域としては、非常に狭い部分しかできていないように思えるかもしれません。
しかし、非常に高額のフィーが必要な戦略コンサルにアドバイザリーを求める企業は、それだけの高額なフィーを支払うだけの余裕のある一部の超大手企業や政府系機関に限られます。
一方で、広告代理店に関しては、少なくとも日本においては、広告制作やメディアバイイングの過程で手数料をいただくビジネスモデルですので、クライアントソースは非常に幅広く、様々なクライアントの課題に向き合うことができます。ですので、特に予算がそこまで潤沢でない企業に関しては、広告代理店でも経営戦略や事業推進のアドバイザリーも含めた統合的な戦略提案を行うこともありますので、そういった機会にも巡り会えるかと思っています。

いずれにせよ、広告を中心としたコミュニケーション手法を用いた課題解決に興味があるのであれば、広告ストプラを、
経営課題をあらゆる手法で解決することに興味があるのであれば、戦略コンサルを、
選ばれるのが良いかと思っています。

以上、ご参考になれば、幸いです。

回答日:2019/04/08

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