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【質問者】
2025年4月に日系資産運用会社運用部門入社予定
プログラミング初級(RとPythonを授業で触った程度)
線形代数と微積と基礎科目履修
【背景】
日本株のジャッジメンタル運用に興味がありますが、処理すべき情報量の増加や生成AIの発展を鑑みて、今後人間の判断にクオンツ的要素を合わせた「クオンタメンタル」の運用手法を習得する必要があるのでは無いかと感じています
【質問】
日本株のクオンツ運用においてどのような手法が用いられているのか?
日本株クオンツ運用においてはどのようなスキルセットが求められ、それらのスキルの習得のためにどのようなことをすべきなのか?

この質問への回答 1

Winter

日系金融機関のクオンツアナリストです。クオンツリサーチ、ファンドマネージャー等の経験があります。

ご質問ありがとうございます。返信が遅れてすみません。
特殊な運用をするヘッジファンドだと別ですが、株式のクオンツ運用は所謂ファクター投資が一般的で、企業の財務指標(利益率等)、マーケット情報(時価総額等)、またはそれらの組み合わせ(PER等)から、ベンチマークを上回るリターンを得られる企業群をシステマチックに見つけ出す手法になります。Fama-Frenchやスマートベータなどで検索して頂けるとイメージしやすいと思います。特徴としては、平均より少し上の期待値を持つと考えられるアイディアを大量の銘柄・機会で試すことで、僅かなエッジ(超過リターンの源泉になる情報)からでも超過リターンを得ることを目指します。
一方でジャッジメンタルは、個別銘柄を深く分析することで確信度の高いエッジを見つけて集中的に投資します。クオンタメンタルは、定義は色々あると思いますが、狙いはこれらの良いとこ取りです。つまり、数理的手法を用いて分析を効率化し、確信度の高いエッジをより多くの銘柄・機会で試すことでより高い超過リターンの獲得を目指します。
あとはトップダウン的なセクターローテーション戦略をクオンツ的にやって、銘柄選択はボトムアップでにするパターンもクオンタメンタルに入ると思います。レジームスイッチモデルなどを使って景気局面の判別をするような手法ですね。
スキルセットとしては回帰分析や時系列分析といった統計応用分野(計量経済)、財務分析や証券分析の知識(クオンツなら通常は証アナかCFAで十分です)、ストラテジーを実装できるプログラミング(R、Python、VBA)あたりは必須です。AI関連だとテキスト分析やSNSデータのポジネガ判断などは流行っていましたが、株の運用から離れて久しく最新の潮流はよくわからないです...なんやかんや言って説明責任が重いので、シンプルなパラメータの少ないモデルに回帰している気もします。

回答日:2024/04/30

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