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テレビ局の単価は、人間関係と担当者同士の貸し借りによって料金が決まるとのことですが、具体的にどういう人間関係によって変わってくるのでしょうか?

この質問への回答 1

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広告代理店メディア担当の仕事を一言で表すと、「二重スパイ」です。代理店は広告主の利益代表。一方で代理店テレビ担当は広告主と利害の反するテレビ局の利益代表であるからです。 具体的に説明しましょう。
テレビ局営業担当は広告会社(メディア担当)に下記を求めます。
①売上向上
②エリアにおける自局のシェア向上
③各案件のコストアップ
④良枠を消費しない(改案作業をしない)
⑤枠が収容できない時に案件を断る
これらは構造上、広告主向き合いをしている代理店と利害対立をします。当たり前ですが、広告主ははできる限り安く、良い枠をバイイングしたいからです。
一方で広告会社のメディア担当が、広告主の言いなりになってテレビ局側に安く、良枠の提供ばかりを依頼すると「伝書鳩/広告主の犬」と思われ、信頼関係を築くことは決してできません。信頼関係を築けない場合はテレビ局側が他代理店を優先する、コスト交渉を受けてくれない等の弊害が生じます。
つまり広告代理店メディア担当は①他代理店ではできないメディアバイイングエクセレンスを目指ししつつ②テレビ局側のニーズも適宜叶えるという矛盾した行動をしなくてはならないのです。だからこそ、あるクライアントや案件においてはテレビ局側の意向を汲んでコストを上げる、一方代理店として絶対に他代理店に負けられない案件は毅然とした態度でテレビ局から良い条件を引き出すしかないのです。
僕が以前「代理店の担当者によって同じ案件でとコストが数千万円変わることがある」と伝えたのは、こういった複雑な利害構造の中でテレビ局の信頼を勝ち取っている営業であれば、他代理店では絶対提供できない素晴らしいバイイングができるからです。AIや運用型と言う概念でこの矛盾した利害対立は解消できません。これ以上詳細に書くと字数が1万字程度追加で発生するので省略しますが、広告代理店とテレビ局で結ぶ特別契約や、テレビの在庫は視聴率によって決まるため視聴率低下=コストが上がり、いまだにテレビ局は繁忙期に枠が確保できない、などの変数もございます。
※聡明なフォロワーの方なら「テレビ局が広告主側の利益に反する行動を取るなら結局売り上げが落ちてテレビ局が困るだけでは」と考えたかと思います。しかし、そこには特契や広告枠のショート、含有率など様々な変数があり、テレビ局の意向を適宜叶えることが必要不可欠です。また、代理店としてもメディアのコストを保つのはマージンビジネスにおいては大切。広告主としては自社の大切な広告費が、メディア担当によって貸し借りの「貸し」に使われないようリテラシーを高めましょうね。

回答日:2023/02/16

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