僕はずっと奥手だったですが、30にして初めて彼女が出来まして、これは勇気を出して自分から告白をして付き合うようになったのですが、やはりその後も奥手が治らないというか、相手にどう思われるかを気にして素直な態度が取れず、どこか緊張して、それが相手に伝わって、「好きにしてくれてええんやで」とか言わせてしまう始末です。
最近は愛想を尽かされたのか相手からの連絡も極端に減りました。
自分は「優しさ」が取り柄の人間だとこれまで思ってきたのですが、彼女に対するそれは、自分本位の、相手に嫌われたくないが故の言動でしかなかったんじゃないかって、自分が嫌になったりしています。変わらなくてはと思います。
結局は、自分に自信がなくて自己肯定感が低すぎるのだと思います。
自分を愛せない人間が人を愛せるわけがないと聞いたことがありますが、やはりそういうものでしょうか。
相手を好きなのに、素直な感情を表すのが難しいです。
この質問への回答 1件
相談室回答者
作家、劇作家、演出家、俳優 。高校卒業後富良野塾に入塾し俳優として活動をはじめる。1996年より劇団FICTIONを主宰し作、演出、出演を担当する。2011年より小説を発表。 2012年『緑のさる』で第34回野間文藝新人賞、2017年 『しんせかい』で第156回芥川賞を受賞。そのほかの著書に『小鳥、来る』『月の客』などがある。
なんだ。新鮮だな。知らねえよ、と普段なら済ませてしまうが楽しいから考えてみた。わたしは子どもの頃よく電車やバスの中で「ああここにいる人たちはみんなわたしも含めて百年後いないのだな」と思っていました。今も思います。人間時代はそれくらいで終わる。今から百年前のこの質問が「声」だと、人間時代のあなたからの声だと、そのように読んでみてください。どうでもよくないですか。とてもいいと思いませんか。入院した時、朝早く太陽の光のさして来る時間を狙って談話室にわたしは毎日いたのですが、同じ時間に必ずいくつもの点滴をぶら下げたニット帽の女性がいて、おそらく末期癌だったのだろう、いつも電話をしていて、しかし相手は朝早いし仕事へ行かなきゃだしいい迷惑なんだと聞いていてわかる。その事は女性はどうもわかっている。もうすぐこの人は死ぬし無視するのもどうかと思うし、と相手が思っているであろうと知っている。つまらないどうでもいい話をくどくどと切実にしていた。電話する余命いくばくもない人間と、きらきらした朝日と、夜勤明けで疲れ果てた看護師が通る。それを眺めているわたしも含めてとてもよいと思った。命短し恋せよ乙女といわれたところで今のこれはどうにもなんねぇんだよという事もまとめて全部、とてもいい景色だと思います。とわたしの態度は基本的にこうなので具体的なアドバイスなど何ひとつ出来ない。
回答日:2021/07/14
