証券会社の手数料システムは適正だと思われますか?自分は証券販売を部分的に一種の情弱ビジネスだと認識していますが、合法な範囲であれば資本主義なので無問題だと考えています。(話し相手のいない老人を構うサービスでもある気がしています)
預入資産に対する成功報酬にしたら売買回転も自然と止み顧客本意に繋がるのでは?という考えもある中でご意見を伺いたいです。
この質問への回答 1件

野菜くん
新卒で野村證券に入社し、リテール営業に従事。現在は外資系運用会社にて機関投資家営業。
おそらく米国の証券リテールのビジネスモデルの転換(チャールズシュワブ等の証券会社による売買手数料の撤廃)等を念頭にご質問頂いているのかと思いますが、それは以下の2つが前提として存在するから可能なことです。
①米国の証券取引所がメイカー・テイカー・モデルを採用しており、マーケットメイカー(所謂リテール・ホールセラー)の暗躍によって、証券会社はリベートが得られる
②口座内に滞留しているキャッシュを使って利鞘で稼ぐ(と言っても米国も随分金利が下がってしまいましたが)
日本においては、証券取引所がメイカー・テイカー・モデルを導入しておらず(厳密にはPTSでは利用されていますが、リベートは発生していないはず)、金利も超絶低い為、売買手数料を取らなければビジネスモデルが成り立ちません。
今後、他の儲かるサービスに回送する前提で売買手数料を無料化する可能性はゼロではないですが、日本においてはなかなか難しいと思われます。
ただ、収益に占めるブローカレッジの比率が低下して、どんどんストック型のビジネスを強化していく流れは止まらないと思いますし、米国のリテール証券のようにあまり稼働しない先やそれほど資産がない先は手数料の安いオンライントレード部門に口座を移管して、対面証券は対象をグッと絞って、富裕層向けにに税務、不動産、M&A、保険といったフルラインナップでファイナンシャルプランニングを手がけていくみたいな方向に向かっていくだろうと思います。実際もう動き始めてますしね。
対面証券の手数料が高いのはその通りであり、問題は手数料の安いネット証券に対する付加価値を提供できているかどうかです。
対面証券を使うメリットとしては、商品の魅力(IPO、公募、新発債等)、各種リサーチレポート等の充実、相談に乗ってもらえる、幅広いサービスラインナップからの総合的な提案(運用商品だけでなく保険、不動産、M&A仲介等のサービスも)等いろいろありますが、そういった付加価値を感じられるのは富裕層だけだと思うので、前述の通り、富裕層フォーカスになっていくと思います。
回答日:2021/01/11
