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“嫉妬”について質問させてください。スポーツでも、仕事でも、趣味でも何かしらの活動をしていると、明らかに自分ではできない事を簡単にできる人が周りに現れます。そういう人に嫉妬していたのですが、ここ最近は「まあ自分はこういう所に強みあるしな」と納得させているところです。
山下さんは作家、劇作家、俳優など色々な活動をされていますが、他人に嫉妬はされますか?またされるとしたら、どう自分の中で折り合いをつけているのでしょう?

この質問への回答 1件

相談室回答者

作家、劇作家、演出家、俳優 。高校卒業後富良野塾に入塾し俳優として活動をはじめる。1996年より劇団FICTIONを主宰し作、演出、出演を担当する。2011年より小説を発表。 2012年『緑のさる』で第34回野間文藝新人賞、2017年 『しんせかい』で第156回芥川賞を受賞。そのほかの著書に『小鳥、来る』『月の客』などがある。

うちの猫はもう歳だからだいたい寝ているのですが、たまに起きてきた時にこちらが何かを熱心に見ていたりして猫に気が向いていなかったりすると不機嫌になります。わたしにかまえ!と鳴きます。あれを嫉妬というならわたしにもああいう面倒くさいところがあります。しかし質問のような「嫉妬」はありません。わたしがすごい、わたしが一番だ、といいたいわけじゃありません。わたしはわたしのすることで精一杯なのです。忙しいのです。わたしは高いところを綱渡りしてるんで、見るときは「すすっ」と簡単に渡るやつが見たい。軽々とやるやつだけを見ていたい。やばい!となっても盛り返すやつが見たい。安全なところでお茶を濁すやつとか落ちるやつばかり目にしていると怖くなる。出来ないやつを下に見る余裕もないということです。質問にある「嫉妬」は人間が起こすというよりは社会の仕組みの問題です。その仕組みが「嫉妬」を生み出している。そんなものカラクリがわかればばかくさくて本気になれません。ゆえにわたしは折り合いをつけるなどということはしませんし、する必要もありません。大きな虎の向こうで小さな虎は自分の狩りの精度をひとりで上げていくんです。いちいち傷ついたり頭を抱えたり開き直ったりせずに。というかみんなそうじゃないんですか?

回答日:2020/12/30

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