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地方私大に通う26卒のFと申します。日系の大手企業から複数の内定を獲得しました。私のガクチカはアルバイトとゼミの経験が中心で、目立った実績などはありませんでした。いわゆる“平均的な文系学生”だったと思います。
この記事では、そんな私がサマーインターンでどのように戦ったのかを、前編と後編にわけて紹介します。この後編では、面接とGDを中心に、サマーの振り返りを紹介します。前編をまだご覧になっていない方は、あわせてご覧ください。
面接対策と落ちた企業の反省
Webテストを通過すると、いよいよ面接やグループディスカッション(GD)といった対面・オンラインでの選考が始まります。
サマーインターンの面接形式は企業によってさまざまで、私が経験したのは主に以下の2パターンでした:
1対1の個人面接
担当者と1対1で向き合う形式。時間は20〜30分が基本で、アイスブレイクの後にESに沿った質問を深掘りされていく流れが一般的でした。
この形式での最初の挫折は、業界や企業に対する志望動機の浅さを突かれたことです。
当時の私は、「なんとなく安定してそう」「知名度が高いから」程度のふわっとした理由しか用意しておらず、「なぜうちの業界?」「競合と何が違うと思った?」と聞かれたときに言葉に詰まりました。
面接官も明らかに「ん?」という反応をしており、途中から空気が重くなったのを覚えています。自分の言葉で語れていない志望動機はすぐに見抜かれる、というのがこの時の学びでした。
また、緊張のあまり、話の途中で何を言おうとしていたのか分からなくなることもありました。特に初期の頃は、面接というだけで固くなってしまい、結局言いたいことをうまく伝えられないまま終わることも。
「結局、自分は何がしたい人なのか」を明確に伝えきれないまま終わる面接が続き、「このままじゃ全部落ちるかもしれない」と焦った時期もあります。
学生複数人のグループ面接
2〜4人程度で同時に面接を受け、順番に質問される形式です。これはこれでまた別の難しさがありました。
印象的だったのは、他の学生の“エピソードの強さ”や“学歴の高さ”に圧倒された経験です。
「海外インターンに参加した」「TOEIC900点です」「学生起業してます」といった話が飛び交う中で、自分のアルバイト経験がものすごく地味に思えてしまい、自信を失って声のトーンまで落ちてしまったことがあります。
実際、そういった面接では自分の存在感が薄れ、「目立たなかった」という理由で落ちたこともありました。
この経験から、「エピソードの派手さでは勝てなくても、“自分らしい経験をどう語るか”に集中しよう」と切り替えるようになりました。
その他の挫折体験
・自分の話ばかりしてしまい、双方向の会話ができなかった
・「最近気になるニュースは?」という質問で、何も出てこずに沈黙した
どれも今となっては良い教訓ですが、当時は本当に落ち込みました。
ただ、こうした経験を夏の段階でできたことは、後から考えると大きな財産でした。秋以降の選考では、「面接とは何を見られている場なのか」を理解できた状態で臨むことができ、余裕を持った受け答えができるようになっていました。
改善のために取り組んだこと
私が改善のために取り組んだのは以下の3つです。
2. 逆質問の質も重視する →「ホームページを見れば分かる内容」ではなく、社員の方の話を受けて質問を返すよう意識
3. 緊張対策に“1分雑談”を入れる → 面接冒頭の「最近暑いですね」などのアイスブレイクに自分から乗ることで緊張が緩和された
それでも、落ちる企業は落ちました。特にコンサル系や外資金融など、思考の深掘りが激しい企業では、「なぜそう考えたの?」「その選択をした根拠は?」といった質問に詰まりがちで、論理的な思考力の不足を痛感しました。
また、答えが浅いと判断された瞬間、空気が変わるような経験も何度かありました。話しているうちに面接官の興味が薄れていくのが、はっきりと伝わるんです。
この経験から学んだのは、 面接は“正解を言う場”ではなく、“自分という人間の思考プロセスを伝える場”である ということです。最終的に評価された面接では、「自分はこう考えて、こう動く人間です」という一貫性を出せたときが多かったように思います。
グループディスカッション(GD)での学びと挫折
サマーインターンでは、ESや面接に加えてグループディスカッション(GD)を課す企業も多くありました。特にコンサル、商社、IT企業などでは頻出で、選考通過の大きな分かれ目になる印象を持ちました。
初期にした失敗:焦って関係のないことを言う
GDの形式は、「◯◯な新規事業を考えよ」や「この課題に対する企業としての対応策を提案せよ」といった、正解のない課題に対して短時間で結論を出すというものが中心です。
最初に経験したGDでは、何を話せばいいか分からず、沈黙してしまう時間が多かったです。チームの中で発言の早い人や、自信満々に意見を述べる人の前では、どうしても「自分の意見は浅いのではないか」と萎縮してしまい、発言のタイミングを逃すことが続きました。
特に印象に残っている失敗が、「何か発言しなきゃ」と焦るあまり、議論の流れと関係のないことを口走ってしまったときです。その場の空気が一瞬止まり、「あ、浮いてる」と実感しました。チーム全体の熱量を下げてしまったと感じ、本当に悔しかったのを覚えています。
また、ある企業のGDでは、ファシリテーター(議論の進行役)を買って出たものの、時間配分を誤って結論が中途半端になり、評価されなかったこともありました。「仕切る=貢献」ではなく、チーム全体を目的に向かって動かせるかが問われていたのだと思います。
失敗を踏まえた改善:議論を進める
そこから私が意識するようになったのは、「完璧な意見でなくても、議論を前に進めること」を意識した発言です。たとえば、
- 「じゃあ仮にA案を採用するなら、メリットとデメリットは?」と問いかける
- 「残り10分なので、そろそろ結論の方向性を話しませんか?」と時間管理を促す
といったように、「役に立つ人」であろうとする姿勢が少しずつ結果に繋がるようになりました。
GDは、話す力以上に聞く力、まとめる力、チームでの動き方が問われる場です。最初は失敗して当然です。私自身、夏のGDで数多く落ちましたが、秋以降は「場慣れ」と「役割意識」のおかげで通過率が明らかに上がっていきました。
とはいえ、目立とうとしすぎるのも逆効果になる
発言回数が多ければ評価されるわけではなく、他の人の話を遮る、自分の意見を押し通すといった態度は、チーム全体の評価を下げてしまうことにもつながります。特に、他人の意見を否定する際には、「それは違うと思います」ではなく、「別の視点として、こういう考え方もあるかもしれません」といった言い回しの工夫が非常に重要です。
GDでは“個の強さ”よりも“チームでの立ち回り”が見られている。そう実感する場面が多く、私はそのバランス感覚を何度も失敗を通じて学びました。
また、GDはESや面接と違って「1対1で完結する選考ではない」ため、対策が非常に難しいと感じます。自分がどれだけ準備をしても、議論のテーマやチームメンバーとの相性、与えられる役割によって評価が大きく変わってしまう。
元も子もない話かもしれませんが、運の要素が強い選考形式であることも事実です。
ただ、だからといって手を抜いていいわけではありません。
実際、インターン参加者向けの本選考では「GD免除」となるケースも多く、GD選考自体を経ずに本選考の面接に進めた企業もありました。また、そもそもサマーインターン選考の段階でGDを課していない企業もあります。
そういう意味でも、サマーインターン選考はGD対策も含めて“本気で取り組む価値がある”と私は思います。場慣れ、思考整理力、チーム内での立ち回り、そして自分の成長。どれも得られるものが大きいです。
応募結果まとめと振り返り
春学期中の就活シーズンを通じて、私は34社以上にエントリーしました。ES・Webテスト・GD・面接……と一通りのプロセスを経て、最終的にインターンに参加できた企業は10社ちょっとほど。内訳としては、メーカー・インフラが中心で、他に商社、金融、コンサル系も含まれていました。
この数字を見て、どう思われたでしょうか。割合は低くても、それなりに参加出来た方だと思われたでしょうか。しかし、実際は落選通知の方が圧倒的に多く、心が折れかけたことも何度もありました。
特に6〜7月のピーク時は、週に5通以上の不合格メールが届くような時期もあり、「自分は就活に向いてないのでは?」と何度も思いました。
でも振り返ってみると、この夏の応募経験がその後の就活の“基盤”になっていたと思います。
- 面接やGDの失敗は、秋以降の選考に活きた
- 各社の社員との対話が、業界理解の助けになった
- 選考結果の蓄積が、自己分析の材料になった
そして何より、夏のうちに「選考の流れ」や「自分の戦い方」を体得できたことが、後々の本選考での余裕につながりました。
また、私が最終的に内定を得た企業はすべて、インターンをきっかけに志望度が上がった企業ばかりでした。最初は「視野を広げよう」と手あたり次第に応募していましたが、最終的にはインターンで出会った社員や企業文化に惹かれ、「この会社で働きたい」と本気で思えた企業に絞っていったのです。
この経験から感じたのは、就活において“自分が納得して選べる状態”になるためには、情報と経験の量が必要だということです。その第一歩として、サマーインターンに挑戦したことは本当に大きかったと思います。
地方私大生が情報格差を埋めるには?
地方私大生である私にとって、就活の最初に感じたのは“情報格差”の壁でした。
東京の大学生のように気軽にOBOG訪問ができるわけでもなく、周囲の友人もまだ就活に本腰を入れていない状況。大学のキャリアセンターに行っても、大手有名企業の内定実績は限られていて、「どうやって情報を集めたらいいんだ?」という状態からのスタートでした。
そんな私が意識したのは、「自分の手で情報を取りに行く姿勢」を持つことです。受け身でいても情報は手に入らない。以下は、私が実際に使って効果的だった情報収集法です:
1. SNS(特にTwitter/X)で就活アカウントをフォロー
就活生・就活経験者・企業人事のアカウントなどを中心に、「インターン締切情報」「面接で聞かれたこと」「GDテーマ」などリアルタイムな情報が大量に流れてきました。最初は見る専門でOKですが、徐々に自分でも発信しはじめると、DMでアドバイスをもらえるような繋がりも生まれました。
2. 就活系のプラットフォームを徹底活用
外資就活ドットコム、ONE CAREER、unistyle、Goodfindなど、媒体によって得意な情報が異なります。「この企業の選考フロー」「ES通過実例」「参加者の体験談」などが無料で読めるのは、本当にありがたかったです。
私の場合、情報サイトは「読む」だけでなく、「書く」側にも回ることでアウトプット力も鍛えられました。
3. ChatGPTを使ったES添削・面接練習
AIを活用するのも、情報格差を埋める強力な手段でした。ESの添削や志望動機の壁打ちを24時間自分のペースでできるのは、地方学生にとって心強いツールです。「誰かに見てもらわないと進まない」ではなく、「とりあえず書いて、改善しながら進める」スタンスが重要です。
4. 企業イベントや説明会は「オンライン前提」で探す
地方からでも参加できる説明会やOB訪問は増えてきています。「東京でしか参加できない」と諦めず、「オンライン開催」の有無を必ずチェックしました。OfferBoxなどのスカウト型サービスでも、オンライン説明会から選考直結につながった企業が複数ありました。
地方にいると、確かにハンデを感じる場面はあります。でも、情報感度を高め、自分の足で動けば、想像以上に選択肢は広がるというのが、サマーインターンを経た私の実感です。
「知ってるかどうか」「動いたかどうか」で、就活の成果は大きく変わります。
地方私大生でも、“戦略的に動けば十分に戦える”。これが私からの、心からのメッセージです。
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