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こんにちは!私は私立大学文系学部に通う者です。日系の大手メーカー、インフラ系の企業から複数の内定を獲得しました。私が就活を通して学んだESと、その先にある面接のつながりについての考えをお伝えできればと思います。
本記事では、前編である(ES編)の続きとして、面接での戦い方を紹介したいと思います。まだ前編をご覧になっていない方は、ぜひES編もご覧になってみてください!
面接のステージ別攻略法:一次・二次・最終で見られるポイントは違う
面接対策というと、「どんな質問が来るか」「どう答えるか」にばかり意識が向きがちですが、本当に大切なのは、“面接のステージごとに見られているポイントが違う”ということを理解することです。
私は就活初期の頃、どの面接も同じテンション・同じ内容で臨んでしまい、的外れな印象を与えていたと後から気づきました。以下では、私の経験をもとに、一次・二次・最終それぞれの特徴と、重視される観点を整理してみます。
【一次面接】:人柄・コミュ力・場慣れしているか
一次面接は、多くの場合“ふるい分け”の段階です。面接官は若手社員や人事が多く、学生の人柄や雰囲気、コミュニケーション力を見られます。
ここで問われているのは、「最低限、安心して話せる人かどうか」「会話のキャッチボールができるか」。スキルや実績よりも、“この人と働けそうか”という肌感覚が重視されます。
そのため、話の中身の正しさや深さももちろんですが、受け答えの雰囲気や表情、声のトーンが重視される傾向があります。ここで変にかしこまりすぎたり、ガチガチに緊張してしまうと「この子、大丈夫かな…?」という印象を持たれやすいです。
私が意識していたのは、自己紹介やガクチカを“伝える”ではなく“会話に乗せる”こと。一方的に話すのではなく、「〜という経験をしたんですけど、それって御社の〇〇に通じる部分があるかなと思っていて…」と軽くつなぐことで、場の空気がやわらぎます。
この段階では、“話しやすさ”や“自然体”が武器になります。くだらないと思われるかもしれませんが、こういう場面で、笑顔でハキハキと話せるだけで結構ポイントが上がりますよ。
【二次面接】:論理性・ESとの整合性・志望理由の深さ
二次面接になると、見られるレベルが一段階上がります。面接官も中堅社員や課長クラスになることが多く、「この学生は本当にウチに入りたいのか?」「ちゃんと考えてるのか?」という視点が強くなります。
例えるなら、一次が“人としてOKか”を見る場なら、二次は“入社する意思と準備が本物か”を測られる場です。私が経験した限り、二次では以下の3つの視点で厳しくチェックされていました。
【ESと話の整合性】 :「書いてあることを実際に話してもらうとどうか」 → 矛盾や違和感があるとすぐに見抜かれる
【論理性と再現性】 :「なぜそう考えた?」「その選択をした根拠は?」 → 思考の筋が通っているか、仕事でも同じ行動を再現できそうか
【志望理由の深さ】 :「なぜこの業界?なぜこの会社?」 → 競合との違いや、入社後やりたいことまで語れているか
ここでは、ESに書かれた内容を深掘りされるケースが非常に多く、準備の差がはっきり出ると感じました。面接官から投げられる様々な鋭い質問に対して、自分の言葉で答えられないと、「浅い」「なんとなくで動いている」と判断されてしまいます。
二次面接は“本人の本気度”と“論理的思考”が試される場です。私は「なんとなくメーカーが合いそうで…」「安定しているから…」といった薄い志望動機を話して撃沈したことがあります。相手は百戦錬磨の面接官。本気で調べてきた人と、適当な準備の人は、一言目でバレると思っておいたほうがいいです。
通過した面接を振り返ると、自分の経験と企業の価値観や事業を結びつけるように語った時、手応えを感じることが多かったです。
たとえば、
「私はゼミで◯◯というテーマに取り組んだのですが、御社の◯◯事業で求められる“□□力”と共通する部分があると感じました」
このようなつなげ方ができると、「志望度の高さ」だけでなく「企業理解力」「自己分析の精度」も伝わると実感しました。
二次面接以降はその企業の事をかなり詳しく理解していないといけないことが多くなってくるので、より志望動機に対して深掘りをした質問に対応するための策を練るのが良いですね。
【最終面接】:価値観・覚悟・一緒に働きたいか
最終面接は、役員や本部長クラスが出てくることが多く、ここで問われるのはスキルや人間性というよりも、「この学生を最終的に会社に迎えて良いか」という判断です。なぜなら、能力や人間性に問題があると判断された人は最終面接には呼ばれないからです。
この段階では、「なぜこの会社で働きたいのか」という覚悟の強さや、会社の価値観と本人の価値観が合っているかどうかが見られています。
つまり、志望理由の“熱量”と“腹落ち感”が決め手になる場なんです。私が感じた最終面接の特徴は、以下の3点です。
・ 「あなたにとって働くとは?」のような抽象度の高い質問が出やすい
・ 企業理解よりも“なぜこの会社で働きたいか”の腹落ち感が問われる
ここで表面的な志望理由しか話せないと、「じゃあ他社でも良いのでは?」という印象を与えてしまいます。逆に、社員との座談会やインターンを通じたリアルな接点、企業文化との相性を語れると強いです。私が評価されたと感じたのは、「御社の◯◯のような風土で、△△という経験を活かして貢献したい」と、自分と会社の“重なり”を言語化できた時でした。
また、最終面接は“評価が一周する”場でもあります。一次・二次の評価が高くても、ここで「合わない」と判断されれば落ちます。逆に、ここで挽回することも可能。だからこそ、最後は自分の言葉で“想い”を伝えることが大切だと思います。
【私が最終面接で意識していたこと】
多少言葉がつたなくても、“嘘がないこと”“納得感のある理由であること”。また、「◯◯のような人たちと働きたいと思いました」など、社員との接点から生まれたリアルな想いを交えると、形式的な志望動機から一段深い話に持ち込むことができました。
雑談に近いような雰囲気になることが多かったのも、学生が用意してきた形式的な志望動機などよりも、よりその学生のパーソナリティというか、人となりを知りたいという面接官の思いがあったからなのではないか、と感じました。ここで熱量や熱意を伝えることが出来れば、かなり勝機があると思います。
このように、面接は「何を話すか」だけでなく、「どのステージで何が求められているか」に合わせた“見せ方の調整”が必要です。すべて同じ内容・テンションで臨むのではなく、一段ずつギアを上げていく感覚を持つことが、通過率アップの鍵だと思います。
自己紹介で空気を支配せよ
面接の冒頭で言われる「ではまず自己紹介をお願いします——」
これを、単なる“名前と大学を言うだけの儀式”だと思っていたら、もったいない。この30秒から1分で、あなたが面接官に与える印象の8割が決まると言っても過言ではありません。
面接官の立場からすれば、この瞬間は「この学生と、あと20分ちゃんと会話が成立するか?」を見極めるチェックポイントです。緊張で声が小さい、何を言っているかわからない、表情が硬すぎる──そんな第一印象では、その後どんなにいい話をしても、評価は伸び悩みます。私自身、序盤の面接でこの自己紹介をナメていて、名前と大学名だけをポツンと伝えて終了したことがあります。
「では…次、学生時代に力を入れたことは…?」と、完全に面接官に“主導権”を渡してしまい、そこからペースを握れず、グダグダになって終わってしまいました。
でも、その失敗をきっかけに、自己紹介を“空気を支配する時間”だと捉えるようになってから、面接の感触がガラッと変わりました。
空気を支配するためのフレームワーク
私は、面接時に以下のような構成を意識していました。
2. 強み or ガクチカの一言要約(数字や成果があると尚良)
3. 企業への接続(なぜその強みを御社で活かしたいのか)
4. 笑顔で「よろしくお願いします」で締め
【私が実践していた自己紹介の例】
他にも 志望動機寄りの話し方として、
パターン①:業界選びの軸を語る型
→ 業界に対する想いを前に出すことで、「この学生はなんでこの業界なの?」の質問をスキップさせる効果も。
パターン②:企業研究を匂わせる型
→ 「企業のカルチャー理解がある」と思わせたい時に有効。人事系や組織文化重視企業向け。
パターン③:職種志望に結びつける型(営業志望など)
→ 営業・コンサル・提案型職種などで、スキルと企業の仕事の特徴をうまくつなげられる。
自己紹介は会話の地図と心得よ
以上は一例にすぎませんが、この自己紹介をするようになってから、面接官の反応が明らかに変わりました。うなずいてくれたり、「ゼミの話、面白そうだね」と自己紹介から話を広げてくれるようになったり。面接の流れを“自分の得意な話題”に誘導できるようになるんです。
さらに言えば、この時点で「この学生、ちゃんと準備してるな」と思わせることができれば、その後の質問も基本的には好意的に進みます。これはまさに、プレゼンでいう“アイスブレイク”の役割です。
ちなみに、あるメーカーの面接で印象に残っているのが、私が冒頭で「ゼミでリーダーを務めた話を…」と言った瞬間に、面接官のメモの手が止まったこと。面接終了後に「冒頭で“チームを動かす経験”を言ってくれたことで、そのあとの話がすっと入ってきた」と言われました。自己紹介が“会話の地図”になっていたわけです。
実際、私が内定を致いた企業の人事の方と後から話をした際に、「ぶっちゃけ人事も大量の学生と面接をしてて疲れてるから、自己紹介で質問しやすいフックを作ってもらえると話しやすくて助かる」ということを聞いたことがあります。
自己紹介は、ただの導入じゃない。空気を握る、主導権を奪う、面接の流れを仕込む“初手の一撃”。ここに準備と戦略を込めるだけで、面接は驚くほど戦いやすくなります。
おわりに:「一貫性ゲー」としての就活を制する
ここまで読んでくださった方は、きっともう気づいていると思います。
就活は、“一貫性”で勝負が決まるゲームです。
私が実際に内定を得た企業でも、「ESを読んだときと、話しているときの印象が一致していた」とフィードバックをもらったことがありました。これは、どこかで“良く見せよう”と無理をするのではなく、ESから面接まで自分の軸をずっとブラさなかった結果だと思っています。
就活をしていると、「何社もES書いてると全部内容がバラけてくる」「面接では受け身になって自分らしさを出せない」という悩みを抱える人は少なくありません。でも実は、そういった悩みは、“一貫性”という一本の軸を最初から持っていれば、ほとんど防げるものなんです。
だからこそ私は、就活の早い段階からESを「通過用の書類」としてではなく、“自分の核を言語化した設計図”として扱うことをおすすめしたいです。そしてそれをもとに面接で“再現”し、相手に伝わる言葉で語る。そのサイクルを回せば、選考は単なる“評価の場”ではなく、“自分の考えを深め、伝える訓練の場”に変わります。
就活は情報戦であり、自分戦略の設計勝負でもあります。その中で、ChatGPTのようなツールを活用することも含めて、自分の言葉を“磨き、整え、伝える”ことにこだわった人が、最後に勝つ。これこそが、就活というゲームの本質だと、私は思います。
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