「ESで就活は8割決まる」──面接まで見据えた書き方の極意①(ES編)

「ESで就活は8割決まる」──面接まで見据えた書き方の極意①(ES編)

2025/05/15

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こんにちは!私立大学の文系学部所属で、日系メーカー・インフラを中心に複数の内定を獲得した者です。私はいくつもの選考を経て、ESに対する考えが大きく変わりました。

就活を進めていく中で、多くの人が「まずはESを書いて、通過したら面接対策を始めよう」と考えがちです。かつての私も、完全にこのスタイルでした。けれど、実際に複数の選考を経験した今振り返ると、ESと面接は別物ではなく、むしろ“つながっていなければ落ちる”というのが本音です。

今回は、ESと面接を「つながった選考」として捉え、通過率を高めるための書き方・話し方を私の体験をもとに解説します。(ES編)と(面接編)の2記事に分かれていますので、ぜひあわせて読んでみてください!

ESは最終面接まで読まれる:「誰に、どんな目的で読まれるか」を意識しよう

ESを書いているとき、多くの人は「これで書類選考を突破できるかどうか」だけを考えていると思います。もちろんそれは大切ですが、それだけを意識して書いていると、面接で“ズレた質問”をされて困ることになる可能性が高まります。というのも、ESは一度提出されたら、それっきりになるものではないからです。

ESは読み手次第で求められるものが異なる

面接官の手元には、基本的にあなたが提出したESが渡されています。そしてそのESは、一次面接、二次面接、最終面接と、段階が進むごとに別の立場の人が読み込む資料として使われます。

つまり、ESにはさまざまな“読み手”がいるということです。たとえば、

・ 一次面接では若手社員や人事担当者が「会話のきっかけ」として読む
・ 二次面接では中堅社員や管理職が「内容の一貫性」や「思考の深さ」をチェックする
・ 最終面接では役員クラスが「この学生は自社にフィットするか」「一緒に働きたいと思えるか」を見極める

このように、読み手の立場によってESに求めるものは変わってきます。「とにかく文字数を埋めて、何かすごそうなことを書こう」としてしまうと、読み手によっては“中身が空っぽ”に見えてしまう危険性があるんです。

「誰に、何を伝えたいのか」を明確にする

私が意識していたのは、どの立場の人が読んでも「この人はこういう強みがある」「こういう価値観で動く人だ」という人物像が浮かぶようなESにすることです。

言い換えれば、ESは単なる“選考の通行証”ではなく、“自分という人間の説明書”であり、“将来を見据えた再現性の証明書”でもあるのです。

だからこそ、自己PRやガクチカでは、「自分がどんな場面で強みを発揮してきたか」「その強みは今後どう活かせるか」を、具体的なエピソードを通じて描き出すことが求められます。

派手な経験がなくても構いません。大切なのは、その経験からどんな行動特性や価値観が読み取れるか、そしてそれが読み手の目線に立って分かりやすく整理されているかです。

ESは一発提出で終わりじゃない。むしろ、選考が進むほどに何度も“再読”され、“評価の根拠”として使われます。だからこそ、最初から“誰に、何を伝えたいのか”を明確にしたES設計が必要なのです

ESを書きながら面接対策は始まっている

多くの人が「面接対策は、ESが通過してからやればいい」と考えていると思います。でも実際には、面接官があなたにどんな質問をするかは、ESを読んだ時点でほぼ決まっているというのが現実です。

たとえば、ESで「私はリーダーシップに自信があります」と書けば、面接では「どんな場面でリーダーシップを発揮しましたか?」「うまくいかなかった時はどうしましたか?」と、当然そこを深掘りされます。

逆に、「チームで協力する力がある」と書けば、「対立が起きたときはどうした?」「どんな工夫をした?」といった問いが飛んできます。つまり、ESとは“面接の質問リストを自分で作る行為”でもあるんです。

この前提を知っていれば、ESの書き方は変わります。ただ通過するための文章ではなく、「聞かれたい質問に自然とつながるようなES」を意識することで、面接の土俵を自分でコントロールできるようになります。

面接する側の視点を意識して書く

ここで重要なのが、「面接官がどこに食いつくか」を自分なりに予想しておくことです。

そのために私が活用していたのが、ChatGPTなどのAIツールです。文章を書かせるだけではなく、「このESを読んだ面接官は、どんな印象を持つと思う?」「どこを掘り下げたくなる?」といった問いを投げかけることで、面接する側の視点に立った分析が可能になります。

面接で深掘りしてもらうように仕向ける

「面接でこの話をしたいから、それに誘導するようなESにしよう」と逆算して設計することもできます。たとえば、「困難をどう乗り越えたか」に自信があるなら、ESでは“やや抽象的に”触れておき、面接で「詳しく教えてください」と言わせるように仕向ける。これができると、面接での展開が読みやすくなり、準備の精度もグッと上がります。

また、このプロセスで忘れてはならないのが、企業側が“どんな人材を求めているか”を踏まえたES作りです。

企業の採用担当者には、「こういう人物に来てほしい」「こんなタイプが活躍している」という共通認識があります。それは、会社説明会やインターンの座談会、採用ページや社員紹介のコラム、さらには企業理念や人材要件といった表現の中にヒントが散りばめられています。

つまり、就活生の側も「企業が望む人物像に近づける意識」を持ってESを設計すべきなのです。

ただし、それは“無理に演じる”という意味ではありません。自分の強みや経験の中で、どの切り口を強調すれば「この学生、うちに合いそうだな」と思ってもらえるかを探るということです。

AIを活用して採用側とのズレをなくしていく

このときも役立つのが、やはりChatGPTのようなAIツールです。ESの文章を見せたうえで、「この内容は◯◯業界の企業が求める人物像に近いですか?」「このエピソードは△△という能力のアピールにつながりますか?」といった第三者的な目線でチェックする問いを投げることで、“企業視点”での客観的な評価を得ることができます。

ときには、自分では「めちゃくちゃ良いエピソードを書けた」と思っていても、企業が求めている方向性とズレていた…というケースもあります。

だからこそ、自分のESが“読み手にどう伝わるか”を客観的に分析する視点を持つことが、就活全体の質を底上げしてくれるのです。

ChatGPTを就活の相棒に:書かせるのではなく、“分析”をさせよ

推敲に活用する

ChatGPTを使った就活対策というと、「志望動機を代わりに書いてもらう」「自己PRを生成させる」といった使い方を想像する人が多いかもしれません。

もちろんそういった活用も初期段階では有効ですが、ChatGPTの真価は“自分の思考や文章を客観的に整えるツール”として使うときにこそ発揮されます。

まず、基本となるのが、前項でも書いたような、ESの推敲です。自分が書いたESをChatGPTに貼り付けて、「もっと読みやすくなるように改善してほしい」「同じ内容で説得力を上げてほしい」と指示すれば、具体的な修正案が返ってきます。文体や語尾、構成の粗さも整えてくれるので、“1人で書き続けて行き詰まる”という状態から抜け出す突破口になるはずです。

想定質問を出させてツッコミどころを洗い出す

さらに優秀なのが、そのESをもとに面接で聞かれそうな質問を想定してくれる機能です。

・ 「このESを読んだ面接官が質問しそうなことを10個挙げて」
・ 「このガクチカに深掘り質問が来たら、どう返すと印象が良い?」

こういった指示を出せば、ChatGPTは面接官目線でツッコミどころを洗い出してくれます。

そして、もし自分で答えるのが難しい質問があれば、「この質問にどう答えれば好印象か教えて」と相談すれば、自然な回答例も提案してくれます。あくまで参考にしながら、自分の言葉に落とし込むことで、面接の想定問答集を効率的に整えることができます。

情報をまとめさせてネタ出しに活用する

そもそもESや志望動機のネタが思いつかないときにもChatGPTは頼りになります。たとえば:

・ 「この企業の志望動機を考えるために、他社との違いを分析して」
・ 「この業界で注目されているニュースやトレンドを教えて」
・ 「志望企業の社長や社員インタビューを踏まえて、求められる人物像をまとめて」

こういったリサーチ系の使い方をすれば、表面的な志望理由から一歩抜け出した“納得感ある動機”や“説得力あるESの素材”が手に入ります。

他にも応用的な使い方としては、

・ グループディスカッション対策:「よく出るテーマと、それぞれの論点・立場を教えて」
・逆質問のネタ出し:「この企業の社員に聞いておくべき質問は?」
・ 業界ごとの就活マナーや選考傾向のリサーチ:「この業界で求められる人物像を3行でまとめて」

など、ChatGPTを“就活専属の壁打ち相手”としてフル活用することができます。

要するに、ChatGPTは単なるライティングツールではなく、情報収集・整理・思考の補助・模擬質問・視点の拡張と、就活のあらゆる場面を支えるオールラウンダーです。

自分の中にある言葉を磨き、選考で伝わる形に仕上げる“相棒”として使いこなせれば、それだけで他の学生と大きな差をつけられると思います。

面接編の(後編)記事では、ESを踏まえた面接の戦い方を詳しく紹介していきます!

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