“自分ならではの専門性”をどう築くのか ―文系出身の私が、デジタル/ITコンサルタントになるまで―

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2026/04/27

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デジタルやITの仕事に興味はあっても、「文系の自分には遠い世界だ」と感じている学生は少なくないだろう。だが、専門知識の有無だけで進路を決めてしまうのは早計だ。実際にPwCコンサルティングで働く若手職員たちも、入社前から明確な知識や経験を持っていたわけではない。この場所では、幅広い業界やテクノロジーに触れながら、実務に根差した専門性を身に付けることができる。本記事では、文系出身の2人がどのように一歩を踏み出し、自分ならではの強みを築いてきたのかを追った。

〈Profile〉
写真左/井上未優莉(いのうえ・みゆり)
ITソリューションコンサルタント職 シニアアソシエイト
2022年新卒入社。SAPコンサルタントとして、製造業向けERP導入・移行プロジェクトに参画。販売領域を主軸に、国内だけでなくタイ・インドと協働するグローバルプロジェクトも経験。社内ではSAP BRIM(サブスクリプション向け次世代請求基盤)ソリューション開発に携わり、若手として最初期に認定資格を取得。
 
写真右/瀬々祐太(せせ・ゆうた)
デジタルコンサルタント職 シニアアソシエイト
2022年新卒入社。自動車メーカーのデータ活用戦略策定やグローバル展開、消費財メーカーのガバナンスモデルのグローバル統合、製薬会社の医療従事者向けサイトの改善方針検討など、グローバル案件を中心に幅広いクライアントを支援。所属組織内では、内定者向けの魅力発信活動に参加している。

※内容や肩書は2026年4月の記事公開当時のものです。

ITは未知だった。それでも“自分に関係のある仕事かもしれない”と思えた理由

――2人とも文系出身ですが、学生時代はそれぞれどんなことに打ち込んでいたのでしょうか。

井上:元々、関心を持っていたのは国際協力です。大学でも外国系の学部でアフリカ地域について学んでいたのですが、学びを深め、実際に現地にも足を運ぶ中で、少しずつ考え方が変わっていきました。一方的に支援するのではなく、ビジネスを通じて対等な関係を築く方が本質的なのではないか。そう考えるようになり、就職活動でも「グローバルなビジネスに関われること」を一つの軸としていました。

瀬々:私は経済学部に在籍していましたが、学生時代はあまり真面目に勉強するタイプではなく、ITを専門的に学んでいたわけでもありません。転機になったのは、ITベンチャーやAIベンチャーでの長期インターンです。「自然言語処理のような新しい技術を、どうビジネスに生かすのか」といったテーマに触れて、テクノロジーを社会に実装する仕事への関心が高まっていきました。

――就職活動を始めた当初、デジタルやITの仕事に対してはどんな印象を持っていましたか。

井上:当時の自分にとって、ITはかなり未知の領域でした。プログラミング経験もありませんし、詳しい知識があったわけでもありません。どちらかというと、専門性を持っている人が進む世界、という見え方だったと思います。

しかし、就活を進める中で気付いたのが「どんな業界でもITが重要なテーマとして語られている」ということです。メーカーでも商社でも共通して挙がるキーワードで、これからの時代には必須の領域だと捉えるようになりました。

瀬々:私も最初に持っていたイメージは近いです。プログラミングなどの専門知識がないと厳しいのではないかと思っていました。ただ、先ほども言った通りインターンを経て大きく考え方が変わりましたね。技術そのものを開発するだけでなく、それをどうビジネスの現場で使える形にするのか、どう相手に伝わる形へ翻訳するのか。そこにも大きな価値があると感じたからです。そうした領域で勝負したいと思ったことが、デジタルコンサルティングの世界を目指した理由です。

――なるほど。井上さんはITの中でもコンサルティング業界を選んだのはどんな理由からですか。

井上:まず、グローバルという軸とは別に、「自分ならではの武器を磨きたい」という思いも持っていました。その武器として有力だと感じたのがITです。あらゆる業界で必要とされる領域ですし、身に付ければ間違いなく強みになります。一方で、技術だけに閉じた仕事がしたかったわけではありません。これまで培ってきたコミュニケーション力も生かしたい。そう考えると、ITという専門性を持ちながら、人やビジネスに向き合えるITコンサルタントはとても自然な選択肢でしたね。

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周囲の人と環境が、新たな領域への挑戦を支えてくれた

――デジタル/ITコンサルティングの中でも最終的にPwCコンサルティングを選んだ理由を教えてください。

井上:一番大きかったのは、「ここでなら長く働き続けられそうだ」と感じたことです。コンサルティング業界にはハードなイメージもありましたが、職員の皆さんの話を聞くと、非常に柔軟で働きやすい環境が整っている。女性に限らず男性で育休を取得している人も多いですし、女性特有のライフイベントを経て働き続けている先輩もたくさんいます。自分の将来像が、徐々にクリアになっていったのは印象的でしたね。

加えて、職員の人柄や雰囲気にも強く引かれました。面接でもイベントでも、本当に優しく、こちらの話を丁寧に聞いてくれる人たちばかりです。内定後も、資格取得の支援などIT未経験者へのフォローが手厚く、「未知の領域に挑戦するならこの環境がベストだ」と感じたことを覚えています。

瀬々:私の場合、決め手は大きく二つあります。一つは、関われる領域の広さです。PwCコンサルティングは支援する業界も幅広いですし、扱うテクノロジーも多岐にわたります。新しい技術をビジネスに落とし込む仕事がしたいと考えていた自分にとって、この環境はかなり魅力的でした。

もう一つは、井上さんと同じく人ですね。例えば、面接で自然言語処理に関わっていたことを伝えると、「それならこういう部門や案件が合うかもしれない」と、まるで自分事のように考えてくれるんです。学生に対してそこまで真剣に向き合ってくれるのかと驚きました。

――実際に入社してみて、ぶつかった壁があれば教えてください。

井上:最初にぶつかったのは、ITというよりコンサルタントとしての基礎の部分です。例えば、伝えたいことをロジカルに整理して一枚のスライドに落とし込むことや、専門的な内容を咀嚼(そしゃく)して分かりやすく説明すること。学生時代にはあまり求められなかったスキルなので、最初はかなり苦戦しました。

もちろん技術面に関する苦労もありましたが、働いてみて強く実感しているのは、「文理は全く関係ない」ということです。私は今SAPというソリューションを専門にしているのですが、学生時代にSAPに触れたことがある人はほとんどいないですよね。そういう意味では、みんなほぼゼロからのスタートです。自分で勉強したり、インドなど海外のプロフェッショナルに聞いたりしながら、少しずつ知見を身に付けていきました。

入社後初めてのプロジェクトを通して、関連する資格も取得しました。恐らく社内でもかなり早いタイミングでの取得だったと思います。取得後は、学んだ内容を資料にまとめて、社内のメンバーに解説する機会もありました。文系出身でも、未知の領域に飛び込んで専門性を身に付け、周囲に共有できるところまで成長できる。その実感は、自分にとって大きかったですね。

瀬々:私もコミュニケーションの部分ではかなり苦労しました。コンサルティングの現場では、学生時代のような感覚的な伝え方では通用しません。自分の考えを構造化して、論理立てて整理する必要があります。

そこで意識していたのは、上司や先輩のアウトプットを徹底的にまねすることです。資料の作り方や話の組み立て方など、細かいところまで観察しながら、気になることがあれば聞きに行く。そうやって一つずつ吸収していく中で、徐々に自分なりの型が身に付いてきた感覚があります。

――瀬々さんも、技術面での苦労はあまり感じなかったのでしょうか。

瀬々:もちろんキャッチアップは必要ですが、文系だから特別不利だと感じたことはありません。むしろ大切なのは知的好奇心です。新しい技術に触れたときに、その可能性にワクワクできるか。その技術がどんな社会課題を解決できるかに思いを巡らせられるか。そうした姿勢の方が、現場ではずっと重要です。

私自身は、社内活動の一環で、海外の大手テック企業やIT/AIベンチャーの動向をリサーチする取り組みにも参加しています。どんな企業がどこに投資しているのか、次にどんな技術が広がっていきそうなのかを追う中で、一歩先の未来を知ることができるのはとても楽しいですね。
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“一生使える専門性”を身に付けて、ビジネスや社会の変革を担う

――この仕事のやりがいはどんなところだと思いますか。

井上:ITコンサルタントは、非常にバランスのいい仕事だと感じています。例えば、SIerのようなITに特化した業界と比べると、技術力という意味ではかなわない部分もあるかもしれません。一方で、クライアントの業務そのものをどう変えていくか、どんな仕組みにすればより良くなるかまで踏み込んで提案できるのは、ITコンサルならではのポイントです。

その上で、私にはSAPという明確な強みがあります。自己成長も実感しやすいですし、将来のイメージも描きやすいですね。働く環境だけでなく「一生使える専門性」を身に付けられるという意味でも、この仕事は自分に合っていると感じています。

瀬々:やはり一番面白いのは、デジタルコンサルタントがITとビジネスの橋渡しを担う存在だということです。単に技術に詳しいだけでなく、それをどう使えば価値になるのかという問いに向き合うところに、この仕事ならではの新規性があると思います。その中でもPwCコンサルティングは、関われる業界も技術も幅広い。同じ「テクノロジーを社会実装する仕事」の中でも、さまざまな角度からアプローチできることが魅力です。

加えて、人と社風も大きな特徴です。誰かが困っていたら手を差し伸べる、自分の時間を削ってでも相手に寄り添う。本当にそんな人ばかりですし、そうやって助けられてきたからこそ、自分も誰かの力になりたいと思えます。

井上:確かに。そういう風土の中で働けることも、モチベーションにつながっていますね。

――PwCコンサルティングのデジタル/IT領域にはどんな人が向いていると感じますか。

井上:大切なのは、考え続ける力です。コンサルティングの仕事は、断片的な情報を集めて仮説を立て、検証しながら精度を上げていくプロセスの連続です。すぐに答えが出るとは限らないからこそ、途中で諦めずに粘り強く向き合える人は強いと思います。

瀬々:私は、何かしらの強い意志を持っている人が向いていると思います。入社時点で明確な専門性がある必要はありませんが、「新しい技術に関わりたい」「こういうテーマに向き合いたい」といった思いがある人は強いですね。井上の言った通り、コンサルティングは考え続ける仕事なので、その原動力としての意志を持っていることは大切なのではないでしょうか。

――最後に、文系出身でデジタルやITに不安を感じている学生たちにメッセージをお願いします。

井上:本当に文理は関係ないですし、むしろITにそこまで詳しくない人に説明するようなシーンでは、相手の目線に立ちやすい分有利な側面さえあるでしょう。少しでも興味があるなら、まずは見てみる、話を聞いてみるといった“一歩”を踏み出してほしい。その一歩が、自分自身の可能性を広げるきっかけになるかもしれません。

瀬々: 同じ気持ちです。誰だって最初は分からないことばかりですから、先輩や上司のアドバイスを吸収する素直さを持ち、自分なりに実践できる人ならきっと成長できるはずです。新しい技術や、それを社会に実装していく仕事に関心があるなら、十分に挑戦する価値があります。文系・理系にとらわれず、自分が面白いと思えるかどうかを大事にしてほしいですね。

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