会員登録すると
このコラムを保存して、いつでも見返せます
こんにちは。26卒でプロフェッショナルファームを中心に就活し、複数から内定を獲得した者です。本記事は投資銀行の各部門を詳細解説する2部構成シリーズの第1部です。第2部では「ミドル・バックオフィス編」として、オペレーションズ、リスク管理、アセットマネジメント部門を解説します。
後編記事はこちら
投資銀行部門選択完全ガイド【第2部:ミドル・バックオフィス編】
はじめに:投資銀行部門選択の戦略的重要性
投資銀行への就職において、部門選択は単なる配属希望の表明ではなく、その後10-20年間のキャリア軌道を決定づける極めて戦略的な判断である。多くの就活生が「投資銀行=M&A部門」という先入観に捉われがちだが、現代の投資銀行は高度に専門化された複数の事業部門から構成される金融コングロマリットであり、各部門は独自のビジネスモデル、収益構造、そして専門的スキルセットを有している。
本ガイド第1部では、投資銀行のフロントオフィス(顧客対応・収益創出部門)について、表面的な業務内容の紹介にとどまらず、実際のビジネスフローから収益構造、市場環境との関係性、そして将来的な成長可能性まで、包括的かつ詳細に分析する。各部門の「本当の姿」を理解することで、自身の適性と将来ビジョンに最も適した戦略的選択を可能にすることが本ガイドの目的である。
1. M&A / コーポレートファイナンス部門:投資銀行の中核エンジン
ビジネスモデルの詳細構造
M&A・コーポレートファイナンス部門は、投資銀行の「顔」として最も高い知名度を誇る一方で、その実際のビジネス構造は極めて複雑かつ高度である。同部門の収益は主に「サクセスフィー」と呼ばれる成功報酬型の手数料で構成され、典型的なM&A案件では取引金額の1-3%、大型案件では0.5-1%程度の手数料を得る。
具体的な案件フローを見ると、M&A案件は通常6-18ヶ月の長期プロジェクトとなる。初期段階では戦略的買収候補の洗い出し、ターゲット企業の詳細分析、買収資金調達方法の検討が行われる。この段階で投資銀行は「ティーザー」と呼ばれる匿名の企業概要書を作成し、潜在的な買い手に配布する。関心を示した買い手候補に対しては「IM(Information Memorandum)」と呼ばれる詳細な企業分析書を提供し、本格的な入札プロセスに導く。
入札プロセスでは、複数の買い手候補による競争的入札が実施される。この段階で投資銀行は「データルーム」を設営し、買い手候補によるデューデリジェンス(詳細調査)をサポートする。最終的に最高値を提示した買い手との間で本格的な買収交渉が開始され、投資銀行は価格交渉、買収ストラクチャーの最適化、各種契約条件の調整において中心的役割を果たす。
財務モデリングの実践的応用
...
会員登録して全ての内容を見る
続きは外資就活ドットコム会員の方のみご覧いただけます。
外資就活ドットコムはグローバルに活躍したい学生向けの就職活動支援サイトです。会員登録をすると、「先輩のES・体験記」や「トップ企業の募集情報リスト」など、就活に役立つ情報をご覧いただけます。