20代で、「あなたに頼みたい」と言われるコンサルタントに

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2025/10/24

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経営の上流から全体を見渡し、クライアントと共に変革を実現する。日本総合研究所(以下、日本総研)でシニアマネジャーを務める郷原陸氏は、入社8年目にして経営変革の最前線を担う若きエースだ。若手のうちからクライアントの経営層に提案を重ね、責任を背負いながら成長してきた経験が、今のキャリアを形作った。同氏が語る戦略コンサルタントのリアルは、就活生にとって「仕事を選ぶ軸」を考える大きなヒントとなるはずだ。

〈Profile〉
郷原陸(ごうはら・りく)
リサーチ・コンサルティング部門 ストラテジー&マネジメントグループ シニアマネジャー。一橋大学商学部経営学科卒業・同大学院商学研究科修士課程修了後、現職。製造業、メディア・エンターテインメント産業などを中心に、全社戦略・事業戦略の策定やポートフォリオマネジメントなどの経営戦略・経営管理分野のコンサルティング業務に従事。

※内容や肩書は2025年10月の記事公開当時のものです。

若手のうちからリーダーを任される文化が、個の成長を後押しする

――数ある選択肢の中で、就活時に日本総研を選んだ決め手は何でしたか。

郷原:大学・大学院で経営学を学んでいたこともあり、就職活動ではコンサルティングや投資銀行といった「プロフェッショナルファーム」を中心に検討していました。複数の会社から内定をもらえたのですが、最終的に日本総研を選んだのは、経営テーマ全体を扱える点、そして社風やカルチャーが自分に合うと感じたことが理由です。

面接や先輩社員との交流を通じて、落ち着いていながらも芯のある議論ができる人が多いと感じ、「この人たちと一緒に考え抜いていく環境なら成長できる」と確信しました。投資銀行の一社からは強くオファーをもらっていたので悩みましたが、最終的には「経営のゼネラリストを目指せること」と、「自分の性格やスタイルに合った環境で、長期的に力を伸ばせること」を重視して日本総研を選びました。

――入社からこれまでのキャリアステップについても教えてください。

郷原:入社直後は、M&Aのデューデリジェンスや市場調査といった個別テーマの案件が多く、それらを通じて、リサーチや資料作成をはじめとするコンサルタントとしての基礎を鍛えました。その後次第に経営に近いテーマを扱うようになり、カウンターパートも経営層へとシフト。全社戦略や中期経営計画の策定、ポートフォリオマネジメントなど、経営全般に関わる案件を担当するようになっています。

日本総研ならではの特徴として、若手のうちから提案や営業を任される文化があります。一般的なファームではパートナーなど上位職しか担わない業務かと思いますが、当社では一定の実力と品質が認められれば、年次に関係なくリーダーとして顧客に提案を行うことが可能です。

最初はなかなか成果につながらなかったのですが、提案を通じて「こういう考えや知見が足りない」というフィードバックが得られるので、成長が加速したと思います。その結果託された案件は、会社への依頼ではなく「郷原に任せたい」という指名。その重責が、私をさらに鍛えてくれました。

もちろん、最初から最後まで一人で完結できるわけではありませんし、そのようなこだわりが強過ぎるとクライアントにとっても良いプロジェクトになりません。専門性が足りない部分は社内の仲間に声を掛け、チームとして補いながら進めていきます。その過程で引き出しが増え、自分の専門性も磨かれていく。そうした挑戦の積み重ねが、現在のキャリアにつながっているのではないでしょうか。

――キャリアを振り返って、日本総研ならではの働きやすさを感じるのはどんな点ですか。

郷原:まず社内の環境について言えば、上下関係に縛られないフラットさが大きな魅力です。良い提案は若手であっても適切に評価されますし、長期にわたって同じメンバーと関わることもあり、挑戦を後押ししてくれる関係性が自然と築かれます。失敗を恐れずに自分の考えをぶつけられるのは、このカルチャーがあるからこそだと思います。

また、クライアントとの距離感も特徴的です。受発注の関係を超えて対等に意見を交わす文化が社内に根付いており、緊張感はありつつも建設的に議論を進めやすいと感じます。もちろん厳しい要求を受けることもありますが、それは一緒により良い方向を模索するためのものです。社内でも対クライアントでも、不必要な摩擦に振り回されることなく成果を出すことに集中できるので、非常に働きやすい環境ですね。
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謎解きのように「なぜ」を追い、クライアントと共に「解」を探る

――担当されたプロジェクト事例について、可能な範囲で具体的に教えてください。

郷原:私が主に担当しているのは経営戦略、特に企業のポートフォリオ変革を支援するプロジェクトです。国内市場が成熟する中、企業が持続的に価値を高めるには「どの領域に資源を集中し、どの領域を縮小・撤退するか、そしてそれをいかに実現するか」を明確に定める必要があります。収益性や成長性を多角的に分析しながら、変革のストーリーを描き、それを実現できる組織へと変えていくところまでが私たちの役割です。

こうしたプロジェクトは短期間で終わることは少なく、戦略の策定から組織への浸透、事業撤退や構造改革といった個別のテーマまで含めると数年かかります。私自身はプロジェクトマネジャーとして全体を見つつ、並行して個別テーマを当社やクライアントのメンバーと一緒に進める役割を担うことが多いですね。

――プロジェクトに取り組む中で、特に成長を実感した経験はありますか。

郷原:「この経験を通じてすごく成長した」という印象的な経験は実はあまりなくて、さまざまなプロジェクトや課題に取り組む中で、次第に力がついてきたと感じています。経営戦略の領域では、事業戦略やファイナンス、組織、業務改革など幅広いテーマを総合的に扱います。常にクライアントや先輩から高いクオリティーの仕事を期待され、その都度新しく学んだり、考えて試行錯誤したりする中で、着実に自分の武器が増えてきたのだと思います。

ふと成長を実感した瞬間で言えば、クライアントの社長や取締役といった経営者と話すときに、緊張や萎縮をしなくなったと気付いたときですね。毎週、時には毎日のように議論を重ねるうちに、大企業の経営陣ともごく当たり前に率直な議論を交わせるようになっていました。

――この仕事の難しさややりがい、そして面白さはどんなところにありますか。

郷原:難しさを感じるのは、まず「合意形成」です。ポートフォリオ変革では、縮小や撤退が避けられない事業も出てきます。その際は、事業責任者の思いや現場の事情を丁寧に聞き取り、納得感を持ってもらうことが欠かせません。単に数字で割り切るのではなく、対話を重ねながら進めるのは大変ですが、そのプロセスこそが経営変革の成否を分けます。

もう一つは「課題の本質を見極めること」。大企業であればあるほど課題は山のように出てきますが、全てに手を付けることは不可能です。本当にクリティカルな問題を見抜き、その解決に経営資源を集中させなければなりません。ロジカルな整理だけでなく、経験や直感も総動員して優先順位をつける必要があります。

一方で、やりがいを感じるのはそうやって導き出した提案がクライアントの意思決定につながり、実際の変革が進んでいく瞬間です。私は元々謎解きが好きなので、経営や財務の「なぜ」を解き明かすプロセスも純粋に楽しいですね。経営者と共に悩み、現実に即した解決策を模索する。その共同作業は私にとって大きな醍醐味(だいごみ)です。
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少数精鋭だからこそ求められる、真の課題を見極める力

――戦略コンサルタントとして成果を出すために必要なスキルやスタンスは何だと思いますか。

郷原:一般的に言われるロジカルシンキングや仮説思考といった基本的なスキルは必須です。それに加えて、先ほども話した「課題の優先順位をつける力」が特に重要だと思います。日本総研は大手ファームとは異なり、一つのプロジェクトに大人数のコンサルタントを投入できませんし、クライアントもそれを求めていません。少数精鋭だからこそ、要点を的確に見極める力が不可欠です。

もちろん最初から完璧にできる人はいないので、そこは安心してください。日々の実務で「本当にこれが解くべき問いなのか」を自問しながら取り組んでいれば、一歩ずつ成長することができるでしょう。

また、経営の世界には先人が考えた理論やフレームワークが数多くあり、それらが参考になるケースもあります。まずはそうした型を学び、目の前の課題に当てはめ、実態に合わせて修正していくというように、理論と実務を往復する中で、自分のできることが着実に広がっていきます。私も月に数冊は本を読みますし、経営に関わる政府ガイドラインが出れば必ず目を通すようにしています。常に学び続ける姿勢が何より大事だと思いますね。

――郷原さん自身が今後挑戦したいことや、目指すキャリアの方向性について教えてください。

郷原:「経営変革のプロ」として、会社を動かす力を高め続けたいと考えています。経営者は全ての分野を俯瞰(ふかん)して意思決定しなければなりません。私自身も戦略やファイナンスだけでなく、ガバナンスや組織設計といった幅広い領域を学び続け、実践する中で総合力を磨いていくつもりです。

その上で、将来は二つの可能性を視野に入れています。一つはコンサルタントとして「経営変革を推進できる強いチーム」を作ること。もう一つは事業会社に移り、経営企画などの立場から自ら会社を変えていくことです。どちらに進むにせよ、目指すのは「経営を変えることで社会を良くする」こと。その軸はこれからも変わらないと思います。

――郷原さんの目指す「強いチーム」には、どんな人材が必要ですか。

郷原:クライアントのことを好きになり、利他的に「このクライアントの力になりたい」と思い、それを原動力に努力できる人ですね。これは先天的な要素もあると思います。私自身も「クライアントのためにやるべきことがあるのに、自分の力が足りない」と痛感したときに、成長に大きな弾みがついたと感じています。

経営の課題は常に変化しますが、そのたびに愚直に試行錯誤を重ね、自分なりの武器にしていける人は必ず成長できます。一言でまとめるなら、相手のために、自分を成長させられる人。そうした仲間と、ぜひ一緒に挑戦していきたいですね。
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