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総務省の官僚で現在神奈川県庁に出向している脇雅昭さんは、過去に総務省の大臣官房秘書課で人事採用を担当した経験があります。採用面接について「論理はテクニック」「大切なのは、『ワクワク』」だと話す脇さん。後編では就活生へのアドバイスや官僚と民間企業の違いについて、お話をうかがいました。
インタビュー前編 「死ぬほど考える。それが僕らのやりがい」 総務官僚・脇雅昭さんに聞く(上)
原動力は「ワクワク」にある
――総務省では、採用も担当されていたそうですね。今の就活生に何か言いたいことはありますか。
「ワクワク」を大事にしてほしいです。就活になったとたん、「軸」とか「やりたいこと」を言語化するように求められますよね。みんな頭がいいから、それに対して答えを出そうとする。そして頭がいいゆえに、答えができてしまう。「地方を活性化させたいんです。だから、総務省か経産省に行きたいです」とかね。
でも実際には、総務省と経産省では全くアプローチが違うんですよ。きれいに言語化したことによって、今度は思考が「地方を活性化させるためには、どの仕事をすべきなんだろう?」ってなるんです。最初は、単純に「ワクワク」するからやりたかったはずなのに、いつのまにか自分が立てた論理に支配されちゃってるんですよね。
たしかに論理は、人を動かす時に必要です。面接では「人に納得してもらう論理構成をしろよ」ということで、「筋を作れ」「軸を作れ」と推奨される訳ですが、自分の本当の気持ちまで閉じ込めてしまうのは違うと思うんですよね。
外資金融、外資コンサル、商社、そして国家公務員――。それら全てから内定をもらえる優秀な学生さんも、中にはいるかもしれません。でも、その職業の中で「自分が何にワクワクするのか」「それを原動力にして、この日本をどう動かしていきたいのか」。それが大事なんです。
――民間の人気企業と官公庁の両方に内定して迷ってしまう優秀な学生もいるようですね。脇さんから見て、官公庁と民間企業に共通点はありますか?
どちらも「どれだけハッピーを提供できたか」が価値だと思います。以前、総務省を受けにきた学生さんに、「外国人観光客に津波を伝えるためのアプリをどうやって普及させるか」についてワークショップで考えてもらいました。実はこれって、少し問題を変えると「民間企業がバレンタインで、チョコをどうやって売るか」というマーケティングの話と変わりません。
公(おおやけ)と民間って、必要な能力はそんなに変わらないと思います。よく「『公はあるべき姿』『民間はお金稼ぎ』。お金稼ぎが嫌だから私は公務員になりたい」なんていう人がいますが、違います。
世の中の人がお金を使うのは、ハッピーが得られるからですよ。民間でお金儲けしている人達、例えばアップルなんかは、世の中が潜在的に求めていたiPhoneを生み出し、ハッピーをたくさん生み出したから売れた。その結果、儲かった訳でしょ。世界規模で幸せの価値を出しているんですよ。公はよりみんなの幸せ(公益)を考えなければいけない訳ですから「お金稼ぎしたくないので公に」というのは違いますよね。
――民間でハッピーを作り出せない人が公に行っても同じ、ということですね。では官公庁と民間企業の違いについても教えて下さい。
色々あると思うのですが、一つは、
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