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はじめに
本から得られる知識や情報は、さまざまな人の話を聞くことや実体験から得る学びと同様に、私達の世界を広げてくれます。そこで外資就活ドットコムでは【必読の名著10選】シリーズとして、社会人や内定を勝ち取った就活生などがさまざまな切り口でセレクトするお勧めの10冊を、定期的に配信していきたいと思います。
第1回目となる今回は、外資系投資銀行内定者10人が選ぶ【財務とM&Aを理解するために最適な本10冊】をご紹介します。投資銀行部門(IBD)を目指す方なら、必ず押さえておいていただきたい知識が詰まった名著ばかりです。ぜひ対策にお役立てください。
18卒・外資系投資銀行内定者10人が選ぶ
財務とM&Aを理解するために最適な本10冊
◆グロービスMBAアカウンティング【改訂3版】
著:グロービス経営大学院
「経営」の視点で会計を学べるテキストとして、96年の初版から高く評価されてきた本。04年の[新版]から4年を経て、企業事例や財務データを一新。06年5月施行の会社法に対応。実在する企業を事例にとるなど、親しみやすく実践的な内容。
経営者の立場や視点から会計を学べる教科書です。
ポイントごとにまとまっている。企業会計からアカウンティングにおけるルール、B/S、P/Lなどといった基礎を学ぶのには最適な入門書です。損益計算書の項目や貸借対照表の解説などは、インターン時でも必ず役に立ちます。しかし比較的にボリュームがあるので、面接前に役立つ知識を吸収したり、参考書として外資系投資銀行のインターン中に財務や会計においてのナレッジの補充にあてたりすることなどがお勧めです。
◆MBAバリュエーション(日経BP実戦MBA)
著:森生 明
著者はハーバード・ロースクールに学び、投資銀行などの前線における経験を豊富に持つM&Aアドバイザー。全8章立てで、価値評価方法の本質を説明することを目標に、基礎編と実務応用編に分けて構成されている。第3章までの基礎編では、「企業価値」およびそれを決める要因、価値の測り方など、MBA教育とその実践の場における、「経営のグローバル共通言語」を学ぶことができる。
応用編では、「株価算定とM&Aの実務」が焦点になり、会社の値決めの実際や「価値創造」の仕掛けに関して、最新のトピックスが数多く収められている。
バリュエーションの入門書です。バリュエーションは外銀のインターンで多くの企業が課題として学生に課しています。本書が取り上げているDiscounted Cash Flowやマルチプルなどはその代表的な種類です。インターンでもよくこれらを企業価値の算定方法として学習するのですが、なぜこれらの手法が企業の価値を示すのか、という根本的な疑問をこの本は説き明かしています。技術的な面での深さは基礎レベルですが、説明や言葉遣いが非常に分かりやすく、就活生にもお勧めできます。
◆超図解「財務3表のつながり」で見えてくる会計の勘所
著:國貞 克則
簿記を勉強しなくても、決算書を読むコツが身につきます!
会計の専門家ではない人間が会計に対する苦手意識やアレルギーをなくすためには、会計の細部から入って全体像を理解していくという今までの会計の勉強法ではなく、まず会計の全体像をつかみ、会計の基本的な仕組みだけをキッチリ押さえる勉強法のほうがはるかに有効だと思います。
会計の全体像をざっくり理解することで、取引先や投資先の経営分析の基本からM&Aの考え方まで、"目からウロコ"でわかるようになります。
外銀やコンサルのインターンにおいて、分析対象企業の財務も理解することは必要不可欠です。企業によって差はありますが、なかでも外銀の多くは実際に損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書の3表を実際に読み解き、自分なりに分析することが求められます。本書を通してこれらPL、BS、CSのつながりやそれぞれの意義を学ぶことが出来ます。ただしひとつひとつ詳しく解説するというより、3表の関係性に重点を置いているため、それぞれを学びたい場合は他の参考書がお薦めです。
◆投資家のための金融マーケット予測ハンドブック
著:三井住友信託銀行マーケット事業
ファンダメンタルズ(経済的実力)とセンチメント(市場心理)を掴む。近年注目が高まる物価・企業関連統計もフォロー。ナウキャスト・通貨ベーシスなどの基礎知識や、世界的な潜在成長率・インフレ率低下・金融規制も踏まえながら、異次元緩和[日本]、テーパリング[米国]、資産購入・マイナス金利[ユーロ圏]など、内外の金融政策の変化を把握。「必携書」待望の最新版!
投資家に向けた本ですが、就活生も本書を通して、金融マーケットのメカニズムに関して初歩的な理解が得られます。チャートが分かりやすく、データや解説の面でも充実しているだけでなく、最近の日本における異次元緩和やマイナス金利になどにも焦点を当てています。全般的にマーケットの動きを掴み方も知ることができます。
◆道具としてのファイナンス
著:石野 雄一
本書では、まずファイナンスの意味をトコトン理解してもらい、さらにEXCELでの活用法までを徹底伝授!「理論先行」を排し、最適な資金調達やプロジェクト選択など、ビジネス現場(日産自動車)で得た、実務に役立つ知識・方法をわかりやすく教えます。
ファイナンスの基礎的な理論から、いかにそれらをツールとして効率的に活用し、ビジネスにおいて応用できるかをカバーしています。今のお金の価値と未来のお金の価値はなぜ違うのか、などといった現在価値に関する知識を一から重点的に学べます。ファイナンスの基礎である割引の概念、内部利益率、そしてリスクとリターンに関しても触れられており、説明も丁寧であるため非常に分かりやすいです。また、本書はこれらの概念の実践的な使い方に焦点をあてているため、実際にEXCELを操作する際、すぐに使えるような形式で解説されています。
◆M&A成長の戦略
著:服部 暢達
日本の経営者にとって、経営のための選択肢の一つとして確実に定着しつつあるM&A。自らの会社の株主価値を成長させるために、どうしたら最強の選択ができるか、戦略経営の現在と今後を見つめる。
著者は過去10年以上ゴールドマン・サックスでM&Aの投資顧問として活躍、経験を培われた方です。それらの経験をベースに、M&Aの基礎的な考え方、ロジック、そして実際の進め方に至まで、具体的にその手法や合理性を説明しており、説得力があります。外銀志望の就活生も良く口にするM&Aという単語ですが、そもそもの理由としてなぜ経営の選択肢としてM&Aを考慮すべきかなど、本質を理解するのにも役立つ本です。株主価値といった切り口からも説明を行っています。
◆M&A最強の選択
著:服部 暢達
M&A実務の第一線で数々の実績を残してきた著者による、最新のM&Aケーススタディ。日本企業をめぐる買収・合併・事業再生案件の悪手・善手を鋭く指摘し、現行商法および新会社法の問題点にもシビアにメスを入れた。
取り上げた実例は、ライブドアとニッポン放送・フジテレビの攻防、UFJ・三菱東京と三井住友の攻防、カネボウとダイエーの再生、リップルウッドによる日本テレコム買収、三菱自動車再生におけるB種優先株発行、ニレコの新株予約権に対する差止請求、スティール・パートナーズによるユシロ化学・ソトーへのTOB、川崎製鉄とNKKの合併(JFEの誕生)など。
経営者、ビジネスマン、金融関係者必読の一冊。
『M&A成長の戦略』と同じ著者が書かれた本です。10年以上前の本ですが、当時は新しかった楽天や村上ファンド、阪神電鉄などの案件をケース別に解説しています。トピック別の考察、そして企業価値評価や敵対的買収防衛策などの説明も含んでいるため、昨今の買収案件に対する見方を培うことも出来るため、企業買収を深く知らない就活生にとって、投資銀行の面接などにも大いに役立ちます。
◆会社四季報 業界地図 2016年版
編集:東洋経済新報社
累計部数100万部突破!
あらゆる業界の勢力図をマッピングした大定番『業界地図』の最新版です。
投資に、就職に、ビジネス資料にすべての業界分析は、まずこの一冊から!
就活生にとって人気の高い商社、コンサル、大手の家電メーカーやIT業界を業界ごとに区切って解説をしています。業界企業ごとのシェアや業績、定性的な企業説明が見やすい形とまとめられています。大手企業のリストだけでなく、売上や利益の構造はもちろん、業界のビジネスモデルや地域別の違いなど、その業界を一歩踏み込んで知るための情報源が示されているのが学生にとっても新鮮で、気付きが多いです。面接において語れるネタ、ビジネス業界全体の理解という点において、就活生も持っていて損のない一冊です。
◆企業買収の実務プロセス
著:木俣 貴光
景気の変動や事業構造の変化などに柔軟かつすばやく対応するための手段として、M&Aは日常的な経営課題となりつつある。本書は、企業が日常的にM&Aに対応できるよう、買い手企業の担当者がディールを遂行する上でのポイントを時系列にわかりやすく解説している。
現場で使える具体的なノウハウや考え方を盛り込み、“もっとも使える”マニュアル書を目指すものである。
一般的の事業法人のM&Aや経営戦略の担当者向けの本です。M&Aの全体のプロセス、提案や企画からはじまり、具体的な実行の段階、そして買収を終えたあとの処理などについて書かれています。デューデリジェンス、買収の契約にまつわることや税務のことまで基礎を理解するのに最適です。著者はM&Aコンサルタントを務めているため、各段階での注意点や留意点などにも記述があります。
◆M&Aを成功に導く 知的財産デューデリジェンスの実務〈第3版〉
編集:TMI総合法律事務所編集:デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社
企業がグローバル市場で勝ち残るためには、自社開発技術だけで勝負することは難しく、他社と提携したり、他社の技術を買い取ったりすることを検討する必要がある。技術の取得を主たる目的としたM&Aは今後も増加し、M&Aを行う際の調査項目として、知的財産に関する事項は今後ますます重要になると思われる。
本書は、知的財産デューデリジェンスという分野を体系化したものであり、全体を通読・俯瞰したい場合にも、案件で見つかった問題点を個別に調べたい場合にも、手元ですぐに参照できるよう記述を工夫している。
第3版では、最新の実務を反映するとともに、法改正や重要判例等を織り込んでいる。
新卒で投資銀行に入った場合、アナリストとして一番最初にやるのがデューデリジェンス(DD)という仕事です。そのプロセスに焦点を置いたのが本書で、M&Aの路地回りとして、多岐にわたる調査項目のなかで知的財産の価値をいかに適切に評価し、その評価額に基づいて買収/売却の金額を決めていくべきかが書かれています。
おわりに
外資系投資銀行を志す方やM&Aに興味をある方には、下記のコラムもお勧めです。
より知識を深め、自らの糧としてください。
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