
入社後5年でニューヨークへ。「意志を持つ人に開かれる」グローバルなキャリア
Sponsored by 三井住友銀行
2025/01/23
会員登録すると
このコラムを保存して、いつでも見返せます
sponsored by 三井住友銀行
もしあなたが「日本の銀行はドメスティック」という印象を持っているのだとしたら、残念ながら、その認識はもう古い。メガバンクの一角である三井住友銀行(以下、SMBC)では既に海外ビジネスがグループ全体の収益の約半数を占める。また、グループ従業員の約半数は海外採用で、一つのオフィスで多国籍の従業員が働いていることも当たり前になっている。
事業のグローバル化が加速する中、SMBCでは「グローバルバンキングコース」や「海外業務トレーニー」などさまざまな制度を通じて若い人材を海外へ派遣。トレーニーとして、新卒入社後5年でアメリカ・ニューヨークでの勤務を経験した宇多川真帆氏は、「海外出身の上司の下でグローバル水準の組織づくりを学んだ」と手応えを語る。若手の海外挑戦を積極的に後押しするSMBCの今に迫ってみよう。
※内容や肩書は2025年1月の記事公開当時のものです。
「窓口業務のイメージしかなかった」銀行ビジネスのダイナミックさに衝撃を受けた学生時代
――宇多川さんは入社後5年の2021年からニューヨークで海外勤務を経験しています。グローバル志向が芽生えたきっかけを教えてください。
宇多川:私は学生時代、法学部で「国際模擬仲裁」に関する活動をしていました。海外の学生とのコンペに参加する機会もあり、それをきっかけにグローバルな働き方への思いが強くなっていったんです。
模擬仲裁の国際大会に出ると、アメリカやインドなどの有名大学に所属し、ロースクールで学んでいる学生たちと正面からぶつかることになります。英語力はもとより、法律に関する知識の面でも、私は全くかないませんでした。
「日本の大学で勉強してグローバルなビジネスの場に出ても、太刀打ちできないのかもしれない」と、悔しくて仕方がなかったことを覚えています。社会人になって自分をさらに磨き、グローバルな場でリベンジしたい思いがありました。
――新卒でSMBCを選んだ理由を聞かせてください。
宇多川:最初はあまり深く考えずに、当時の就活生が書き込んでいたインターネット掲示板のインターンシップ満足度ランキングで1位だったSMBCに興味を持ち、インターンに参加しました。
それまで私は、銀行の仕事といえば窓口業務のイメージしかありませんでした。でもインターンで事業内容を聞くと、ビジネスをグローバルに展開し、世の中に大きなインパクトを与えている。いい意味で衝撃を受け、SMBCでの仕事に強く引かれていきました。
――SMBCのグローバルビジネスを体感する機会があったのでしょうか。
宇多川:インターンシップでも、グローバルで仕事をすることが当たり前になっているのだと感じましたね。私が挑んだ課題は、統合報告書などの公開情報を基に事例企業の課題を特定し、解決策を提案するというもの。そのときは食品関連の企業がテーマで、ハラル食品のラインアップを拡大するためにイスラム教徒の多い国で大きなシェアを持つ海外企業を買収するという提案を考えました。
日本・世界を代表するクライアントの経営のパートナーとして、ダイナミックかつグローバルな視点で支援をする銀行ビジネスを、このとき初めて実感できたんです。
海外と国内との連携について抱いていた課題意識を発信し、ニューヨーク行きが実現
――SMBC入社後は、どんな仕事を担当したのですか。
宇多川:10カ月のOJT研修を経て、都内で中堅中小企業向けのコンサルティング営業を経験した後に、法務室へ異動しました。
入社時からグローバル志向はあったものの、まずは国内で銀行ビジネスを学んで基礎を身に付けたいと考えていたんです。法学部の先輩には企業のインハウスローヤーとして活躍している人が多く、私も同じような経験をしてみたいという思いもありました。異動後は法律の知識を生かしながら、より経営に近いところで仕事ができるようになりましたね。
この異動は、私のキャリアの転機でもありました。法務室は海外リーガルチームとの連携を深めようとしているタイミングで、私は彼らとの情報交換や、海外拠点からの日本法に関する法律相談を受ける業務を担当しました。ここで、私の中で“グローバルに働く”という意識がぐっと高まったのです。これらの業務を通じて、「海外拠点から東京の本店がどう見えているのか」「本当の意味で連携ができているのか」「タイムリーに必要な情報を取りにいくために日頃からどういうコミュニケーションを取るべきか」といった課題感を持てるようになりました。
――その後、宇多川さんは海外トレーニー制度を活用してアメリカに赴任しています。
宇多川:海外トレーニー制度では、海外拠点で2年間の業務経験を積むことができ、その業務領域はさまざまです。
私は法務室で感じた海外連携の難しさについて当時の上司に頻繁に相談していた中で、上司のアドバイスは海外での勤務経験に基づくものも多かったので、自分も海外勤務に挑戦したいという思いが強くなっていました。そんなとき、上司から「ニューヨークにトレーニーとして行ってみないか」と話をもらい、希望がかなうことになったのです。課題意識を明確に持ち、それを発信すれば、年次にかかわらず機会が与えられる組織なのだと感じました。
――初めての海外勤務となるニューヨークでは、苦労も多かったのでは。
宇多川:そうですね。ネイティブスピーカーの英語についていくことに苦労し、アメリカの法律に関する知識も浅い私は、当初は打ち合わせにさえ加われないこともありました。
そこでまずは、「私にできること」を周囲に知ってもらうことから始めました。ニューヨークのリーガルチームの同僚へは、本店の考えや本店で起きていることを積極的に共有し、反対に、本店でアメリカの法律に関する情報発信の機会があれば、積極的に手を挙げて情報を収集しレポートしたんです。双方の方針や考えを交換する役割を担うことで価値を発揮したいと考えていました。
その後は少しずつ業務の枠組みを作ることも意識しました。例えば、私がやっていたレポートの仕事の一部は、現地のパラリーガルが単独で実施しても本店が知りたい情報が伝達され、かつ効率性も高められるようフォーマット化し、引き継いで帰国しました。
「SMBCのスタンスを表明せよ」——入社6年目で任された大役
――最も大変だった仕事のエピソードを聞きたいです。
宇多川:2022年、当時入社6年目だった私に、SMBC全体の視点を持って方針を発信する役割を任されたことがありました。
アメリカでは州によって法律が異なります。例えば当時テキサス州では、地元の化石燃料企業の利益を守るため、「ESG(*)に厳格なスタンスで臨んでいる金融機関とは取引できない」という法律ができました。世の中の流れとは逆行する動きです。
これを踏まえ、現地の取引先企業からは「SMBCがこのテキサス州法に抵触するようなポリシーを持っていないことを証明する書類が欲しい」と要望されるようになりました。しかしSMBCは当時からESGを重視していますし、石油・ガス関連の取り組みへの支援は慎重な姿勢を取っています。
他の金融機関が行政処分を含めた不利益を被る例も出てくる中、SMBCとしてどんなスタンスを取るのか検討する必要があり、これを私が担当しました。
* 環境問題や社会問題、企業統治を重視する投資原則の略称
――海外では、日本の常識では考えられないような法律ができることもあるのですね。
宇多川:はい。他行ではテキサス州のマーケットを見限るところもありましたが、当行はそうはいきませんでした。SMBCとしてどんなスタンスを表明すべきかを検討するために、法務の観点で各拠点の体制をチェックしていく必要がありました。
リーガルチームの上司は法務観点でのアドバイスはくれますが、東京本店と連携し、SMBC全体の視点でどんな方針を取るのかは私に委ねられていました。法務リスクとビジネス戦略の両立は一筋縄ではいきませんでしたし、グループ会社を含め全世界の拠点にアメリカで起きていることやテキサス州法の細かい内容を理解してもらうことは難しかったです。
完遂できなければテキサスでのビジネスが止まってしまうという大きな責任とプレッシャーを感じながらも、上司やビジネスサイドとの議論を重ね、取引を継続することに貢献できたと感じています。
――若手のうちに海外勤務を経験したことで、どんな強みを得られましたか。
宇多川:特に勉強になったと感じているのは、グローバルスタンダードなチームビルディングです。
私がニューヨークに赴任して間もない頃、現地のヘッドが交代しました。それまでは日本式の組織への理解が深いヘッドでしたが、後任は米国銀行出身者。その人の下で大きな変革が進められる中、アメリカではどんな体制が求められ、どのように人材を配置するべきなのか、彼のチームビルディングを目の当たりにしました。
――当時の上司からかけられた言葉で、印象に残っているものは。
宇多川:「レピュテーション(評価)は自分で取りにいけ」というメッセージです。大きな組織では役割分担が必要なときもありますが、そうした線引きを超えて自分から動き、他者からの信頼を勝ち取ることも大切なのだと何度も言われました。リーガルチームは過渡期にあったわけですが、法律の専門家として頼られる存在から、ビジネスパートナーとして必要とされる存在に変化していったように感じます。
その後の私は、プロフェッショナリズムを発揮しつつも自分の任された仕事だけにこだわらず、チャンスを逃さないよう意識していると思います。
海外に挑戦する意志を持つ人に、キャリアが開かれる会社
――現在、宇多川さんはグローバル人事室という新たな環境に身を置いています。以前の法務とは異なる分野に挑戦したのですね。
宇多川:ニューヨークでは、リーガルの仕事にとどまらず、SMBCがグローバルな組織として拡大していくための変化の可能性をたくさん感じました。海外で採用された現地従業員の日本勤務の実現もその一つです。SMBCは本邦で採用された従業員の海外派遣は一般的ですが、このような派遣職員が持ち帰ったことを日本で発信するだけでなく、海外現地従業員が日本に来て直接ナレッジをシェアすることで、組織がより早く変化をするのではと感じていたのです。現在はまさにこれを加速させる仕事をしていますが、この思いはニューヨークにいる頃からよく周りに話していたので、会社から「じゃあ自分でやってみなよ」と言われたのではと思っています。
――グローバル人事室のミッションを教えてください。
宇多川:雇用地にとらわれない人材配置を考え、各国のマーケットに適した人事運営を“横串”で通すグローバル人事制度の企画・運用を担うことでSMBCをより強いグローバル組織に変えていくことです。
SMBCはこれまで、グローバルネットワークを持つ日本の銀行でした。これから目指すのは「日本というエッジを持つグローバルバンク(Global bank with Japanese edge)」になること。この実現に向けて、海外拠点間の異動機会も増やしていきたいと考えています。
――グローバル化が加速している組織であるため、これから入社する人にとっては、海外に挑む可能性がさらに広がりますね。
宇多川:もちろんです。国内にいたとしても、もはや「自分は国内ビジネス担当だから関係ない」と言っていられる状況ではなくなると思います。海外から来る優秀な人材と一緒に仕事をする機会は確実に増えていきますし、今は自分自身に海外志向がなくても、数年後にはニューヨークにいるかもしれません。
とはいえ、誰彼問わず海外に挑戦してもらいたいと考えているわけではありません。自分自身の言葉で、なぜ海外に挑戦したいのかを明確に語ってもらえることが前提条件だと思っています。クライアントの課題に真剣に向き合うもよし、SMBCという組織の課題に真剣に向き合うもよし。その中で、より広い視野を持って、自分がどんな課題解決に貢献できるのかを語ってほしいですね。SMBCは、そうした意志を持つ人に道が開かれる会社です。
決まったロールモデルはない。自分のキャリアは自分で描く
――国内の大手銀行といえば、従来は安定志向の人が集まるイメージもありました。しかし今のSMBCが求めている人材は違うのですね。
宇多川:SMBCの業務範囲は非常に幅広く、「この部署を経ればこんな仕事ができる」といった定型的なロールモデルはありません。私がそうだったように、個人のやりたいことや課題意識に基づいてそれに取り組める環境を自分でつくっていける文化もあります。だからこそ自分のキャリアは自分で描かなければいけない。ここがSMBCで働く面白さであり難しさでもあると思います。
いろいろなことに興味を持ち、情報を集め、たくさん考え、挑戦の機会を生み出せる。そんな人材を求めています。
――新人や若手でも、自分の意見を発信すれば、それが反映される文化なのですか。
宇多川:はい。SMBCには、一人一人の思いを丁寧に聞いてくれる上司が多いと感じます。「出る杭を打とうとする人がいない」ともいえるかもしれません。
私は、自分が気付いたことや課題に感じたことは、いつでも何でも上司に話していますよ。何も発信せずに待っているだけでは変化は起こりませんし、自分のキャリアも変わりませんから。
変化を起こすフィールドは海外へも広がっています。そして、チャンスをつかみ取るのは自分次第です。