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世界全体における社会環境や経営環境の劇的な変化に伴い、企業のリスクマネジメントやコンプライアンス領域の重要性も加速度的に増加している。今回インタビューしたのは、PwC Japan有限責任監査法人(以下、PwC Japan監査法人)のGRC(ガバナンス・リスク・コンプライアンス・アドバイザリー)部門をパートナーとしてリードする田中洋範氏だ。
GRCでは、専門性と多様性、そしてフラットなカルチャーを武器として、グローバル企業の経営基盤を強化するための独自のソリューションを提供している。多様なバックグラウンドを持つプロフェッショナルが集結し、専門性を磨きながら活躍するGRCの魅力を、ぜひ感じ取ってほしい。
※内容や肩書は2024年9月の記事公開当時のものです。
グローバル企業の経営者が安心して眠れる環境を整える
――GRC(ガバナンス・リスク・コンプライアンス・アドバイザリー)領域は、貴社の中でも近年特に活発な部門だと聞いています。まずはGRCの概要について教えてください。
田中:その名の通り、ガバナンスやリスク管理、コンプライアンスに関するさまざまなサービスを提供しています。対象となる企業も日系の事業会社や金融機関、外資系企業など多岐にわたりますが、私自身のクライアントはグローバルに展開している日系企業が多いです。
海外子会社をどうガバナンスするのか。現地ではどんな課題・リスクを抱えていて、日本本社側はどのように支援すればいいのか。そういったテーマを深く議論し、グローバルでの内部監査やリスク管理、コンプライアンスの高度化や実行を支援しています。
日本本社だけでなく現地法人の経営者とも徹底的に話し合う必要がありますから、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行前は5年間で約20カ国、延べ45回程度の海外出張に赴きました。PwCは151カ国に及ぶグローバルネットワークを強みとしており、私自身これまでに40カ国超の海外PwCメンバーファームと協働した経験があります。
GRCのメンバーは毎週のように誰かが海外を訪れている状況です。現地の経営者と課題について議論して、帰ってきたら今度はその内容を基に日本本社の経営陣と具体的な対策について話し合う。若いうちからグローバル企業の経営者とダイレクトに向き合うことになりますから、非常にやりがいの大きな仕事だと思います。
――今話に出たCOVID-19や地域紛争など、グローバルでのリスクはさらに複雑化しているように思います。
田中:その通りです。経営環境が急速に変化しているので、それに伴いリスクも多様化かつ複雑化しています。これまで起きなかったことが当然のように起きてしまう世の中ですから、経営者は安心して眠ることさえできません。GRCの仕事は、グローバルに展開する企業がどんな事態に直面しても崩れることのない土台を整え、経営者が安心して眠れるところまで強化することです。重要性も緊急性も加速度的に増している領域であり、その支援ができていることに日々誇りと喜びを感じながら仕事をしています。
――前例、つまり正解のない課題に直面することも多いと思いますが、その際はどうやって最適解を導き出していくのでしょうか。
田中:グローバルレベルでグループの力を結集することが一つの答えです。PwCには約36万人のプロフェッショナルがいますから、あらゆる課題に対して向き合っているメンバーが必ずいます。地政学の問題がホットになった時にもすぐに専門チームが立ち上がりましたし、サイバーセキュリティーや人権といった各トピックにそれぞれの専門家がそろっています。
GRCとしては、クライアントのリスクを俯瞰的に把握して、対応すべき課題を整理するところが主なミッションです。その後の個別具体的な解決策に関しては、チームや国籍の垣根を越えて一丸となって支援しています。
Speak Upの精神が生む、革新的なソリューション
――田中さんはなぜGRCを選んだのでしょうか。
田中:前職もグローバルなコンサルティングファームで、主に金融機関向けの業務改革コンサルティングに従事していました。アグレッシブでエネルギッシュな会社でしたし、周囲の人やクライアントにも恵まれていたと思います。ただし、領域としてはITに特化していたので、より広範かつ重要な経営アジェンダを支援できるキャリアを目指し、10年ほど前にPwC Japan監査法人のGRCに参画しました。
――前職と比較して貴社ならではの強みや特徴だと感じるところがあれば教えてください。
田中:強みや特徴は大きくは三つありまして、専門性、多様性、そしてフラットというのがキーワードです。前職ではゼネラリストとして活動することが多く、クライアントからどんなお題が来ても何とかキャッチアップしてアドバイスすることが求められていました。一方でPwC Japan監査法人は、それぞれの専門性を突き詰めていくスタイルです。
二つ目の多様性に関しては、GRCの中だけを見ても10カ国超の国籍を持つメンバーがいますし、バックグラウンドも私のようにコンサル出身者もいれば監査法人や金融、事業会社など多岐にわたります。もちろん新卒からずっと活躍してくれているメンバーも多くいます。
そしてそういった多様なメンバーがそれぞれの強みを存分に発揮するためには、フラットなカルチャーが不可欠です。当社はSpeak Upという言葉に象徴されるように風通しが非常に良く、職階にこだわらず全メンバーの意見を尊重する文化が醸成されています。
実はこうした文化をベースに組織をまとめ上げていくことは、それほど簡単ではありません。全員がトップの決めた方向に向かって走るようまとめる方がずっと楽かもしれません。しかしそれではこれだけ複雑化している経営課題に立ち向かうことはできませんし、メンバーが持つ多様性を存分に発揮することも難しいでしょう。
多様性に富んだメンバーと力を合わせ、グローバル企業の経営基盤を強化していく。非常に難度の高いミッションですが、だからこそやりがいに満ちていると感じます。
――新卒1年目から自由に発言できる環境なのでしょうか。
田中:はい、1年目から思ったことを自由に発言してもらえるよう常に意識しています。事業会社から転職してきた方はこの環境に驚くことも多いですね。もちろん相手を尊重した言い方をすることは大切ですが、一人一人が意見を言わない、あるいは言えないことのデメリットを全員が理解しているのだと思います。
ピラミッド型の組織では、重要な提案が上の人の意見に依存してしまうケースが多いです。フラットでSpeak Upするカルチャーだからこそ、それぞれが持つ強みやバックグラウンドの利点を生かしたソリューションを生み出すことができるのです。
求められるのは、世界中の経営者と本音で議論する力
――GRCが向き合うマーケットは、今後どのようになっていくと思いますか。
田中:経営環境の多様化という観点では、今後も変化のスピードが加速することはあっても減速することはないでしょう。それはつまり経営リスクもさらに増加していくということであり、同時に私たちのビジネスチャンスも拡大していくということです。個人的にはこれは間違いないと思っています。
――ますます欠かせない領域になっていくわけですね。そうした状況において、新卒の方に求める要素はどんなものでしょうか。
田中:他のファームと比較しても専門性が重要になりますから、自分自身の専門性を追求していく姿勢を持っていてほしいですね。そして一度身に付けた専門性に閉じることなく、新しい領域やトピックにも積極的にチャレンジしていける方を求めています。直近で言えばDXやESGといった領域の重要性も増しているので、そうした観点で新しい分野に挑戦することに喜びを感じる人材も大歓迎です。
また、先ほどから述べている通りGRCはクライアントの真の課題を掘り当ててそれを解決していくことがミッションですから、コミュニケーション能力やロジカルシンキングのスキルも欠かせません。課題を拾い上げるところで言うと、クライアントの内情をよく理解して、本音を引き出していく必要があります。しかもその相手は、世界中で活躍している経営者ということになるわけです。
そういう意味では語学力も大切な要素ではありますが、今後AIがさらに発展すれば自動的に翻訳される世の中になるでしょうから、単純に英語ができるというだけではバリューはない。それ以上に重要なのは、さまざまな価値観を持つ方たちとフラットに議論ができる力、グローバルコミュニケーション能力だと考えます。
現時点で海外経験が豊富ではなくても、GRC内だけを見ても非常に多国籍なメンバーがそろっているので、一つの価値観にとらわれず柔軟に変化していける方ならきっと大丈夫だと思います。
――ありがとうございます。最後に、就職活動中の皆さんにメッセージをお願いします。
田中:学生時代にたくさんの企業の事業内容を完全に理解するのはかなり難しいでしょう。もちろんできる限り勉強することは大切ですが、最終的にはその会社にどんな人がいて、どういうカルチャーで動いているのかで判断するのがいいのではないでしょうか。
当社で言えば、専門性とダイバーシティ、そしてSpeak Upに代表されるフラットな社風。プライベートでも仲が良く、休日には部署や役職を問わず一緒にスポーツをしたりバーベキューをしたりしています。
そうしたカルチャーに興味があればぜひ会いに来てほしいですし、そうでなければ自分がどういうカルチャーに引かれるのかを考えてみてください。興味がある企業の全社員に会うのは不可能かもしれませんが、できるだけたくさんの方に会って、その企業の特徴やカルチャーを見極めてもらいたいと思っています。
最後に当社での仕事内容について一つ補足しておくと、もしGRCで経験を積む中で、他の領域の経験も積みたいと感じたら、他の部門やグループ内の他法人に異動することも可能です。本当に組織間の垣根が低いので、そうした人材交流は皆さんの想像以上に活発に行われています。
なお、PwCを一度離れ、新しい経験を積んで再びPwCに帰ってくる人も多いですね。誰もが自分の強みを発揮できるカルチャーと、一人一人に合ったキャリア構築。その両輪で働きやすい環境を整えているので、ぜひ前向きに検討してみてください。
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