
【第3回】金融業界で進むDX化~ベンチャーが進出するFinTechとは?~|特集・デジタル時代を生き残るためのファーストキャリアナビ
2024/05/16
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昨今、ITはもはや「特別なスキル」ではなく「あらゆる業界や職業において必要不可欠な存在」となっています。
本特集では、就活生に人気の業界・企業における、ITの様々な普及事例を紹介して参ります。
第3回となるこの記事のキーワードは、例年学生からトップクラスの人気を誇る「金融業界」です。
DX化が進む銀行で、活躍の幅を広げるには
銀行が最も恩恵を受ける?生成AI×銀行の未来は
米シティグループで金融における新技術を解析しているロニット・ゴース氏は生成AIで最も生産性が改善するのは銀行だと指摘。「金融業務にインパクトを与える段階にはありません。まだ先のことになります」。シティは23年、機関投資家向けに「シティ・トークン・サービス」を始めました。顧客の預金をデジタルトークンに変換して国境を越えた支払いに使うことができます。
参考:生成AI、銀行が最も恩恵 米シティ幹部に聞く(外部サイトに遷移します)
生成AIの活用が広がる銀行。IT志望就活生の選択肢の1つに。
ゴース氏は「生成AIはソフトウエアのコードを書く作業やチェックなどで人間よりも多くの作業が可能になる。生産性が大きく改善する結果、銀行は浮いた経営資源をその他の業務に回すことができる」と語ります。一方で、銀行と顧客との間での生成AI活用には時間がかかるという認識を示しており、「現状の生成AIは100%正確とは言えず、間違いも多い。顧客サービスで生成AIを投入するのは他の業種より遅れる」と述べています。
このように、今すぐにではないかもしれませんが、チャットボットでの顧客対応やAIモニタリングによるサイバーセキュリティ対策の強化といった場面で、銀行でAIが活躍するようになることは間違いないでしょう。そんな中で、AIやITに詳しい人材が銀行にいなければ、問題が起こったときに対処が遅れてしまい、クライアントの信用にも関わります。
このように、金融業界におけるIT人材のニーズは年々高まっています。例えば、ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーでは新卒採用におけるIT職採用を強化しており、部門別の説明会やインターンを積極的に実施しています。
そして、金融業界を志望している学生にとっても、今後IT業界の動向にアンテナを張っていくことが必要とされてくるでしょう。もしITに興味があるのであれば、まず初心者向けのITパスポートや基本情報技術者試験の勉強からはじめるといいでしょう。また、ある程度ITについて知識がある人は、プログラミングの学習を始めてみましょう。銀行などの金融業界では、業務システムにCOBOL言語が主に使われています。COBOLは言語としてはかなり古いですが、事務処理や計算処理が得意で、誤差なく大きい桁数の計算ができるという特徴があります。そのため、ミスなく細かい計算が求められる銀行業務に適しており、預金計算や利息計算などで使われています。
FinTech市場とは
金融(Finance)×技術(Technology)=FinTechとは?
モバイル決済ソリューションを中心としたFinTech領域の推進における協業として、三井住友カードとELESTYLEが資本業務提携契約を締結し、新サービス「stera smart one」をリリースしました。事業者の様々な課題を解決するSaaS型ソリューションを提供します。キャッシュレス化を推進すると同時に、力化・無人化、サービス運営の効率化、コスト削減など、事業者に多岐にわたるメリットも。
FinTech(フィンテック)とは、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、金融サービスと情報技術を結びつけたサービスを展開していくことです。皆さんもPayPayなどスマートフォン決済を一度は使ったことがあるのではないでしょうか?それもFinTechの事例の1つです。
支払いなどキャッシュレス化が進む中で、このFinTech領域はさまざまな企業で取り組まれ、拡大しています。FinTech領域では、顧客となる事業者のビジネスの特徴や課題に合わせたソリューションを提供することが求められています。
また、ベンチャー企業でもこの領域に力を入れている企業は少なくありません。FinTech事業に取り組んでいる主な企業としては、例えば楽天グループ株式会社やGMOフィナンシャルホールディングス株式会社などが挙げられます。楽天グループでは楽天Pay、楽天Edyといった支払いサービスから、銀行、証券、保険サービスまで幅広い分野を取り扱っています。GMOフィナンシャルホールディングスは証券・FX事業と暗号資産事業を展開しており、ビットコインやリップルなどの暗号資産の取引ができるGMOコインというサービスを提供しています。
企業名 | 主要サービス・プロダクト名 |
---|---|
楽天グループ株式会社 | 楽天Pay、楽天Edy、楽天銀行など |
GMOペイメントゲートウェイ | PGマルチペイメントサービス |
シンプレクス | web3統合プラットフォームソリューション Simplex Fourth |
マネーフォワード | Money Forward クラウドマイナンバー |
BIPROGY | 地域金融機関向け共同利用型勘定系サービス OptBAE |
参考:stera新サービス、DX・キャッシュレス化を実現するSaaS型プラットフォーム「stera smart one」をリリース(外部サイトに遷移します)
FinTech業界でのキャリアパスを検討するには
エンジニアとして外資系投資銀行に入社した人のその後のキャリアがどのようなものなのか気になるという人も多いでしょう。
例えば、以前掲載したインタビュー記事「プログラムは“書ける”より“仕組みの理解”が楽しい。ゴールドマン・サックス出身開発者のマインドセット
」でインタビューされているREADYFOR株式会社 VPoEの伊藤博志(いとう・ひろし)さんの場合、エンジニアとして外資系投資銀行に入社後、FinTech系企業2社を経てITベンチャー企業に転職し、開発に携わっています。自分の手で強いエンジニア組織をつくってみたいという気持ちから、エンジニア組織を大きくしていくフェーズにあるスタートアップに関心を持ち、外資系投資銀行からスタートアップ企業に転職するという選択肢を選んだそうです。
伊藤さんは、スタートアップに転職後も金融に関わるフィンテック事業に携わっていました。このことについて、「お金って世の中のいろいろなものを動かす『血液』とも言い換えられて、エンジニアにはそれを動かす仕組みづくりが求められているのかとも思います」と述べています。つまり「世の中を動かす金融(Finance)、それを技術(Technology)で動かしていく」という仕組みづくりに面白さややりがいを見出したからこそ、大胆なキャリアの変更に成功したのです。
フィンテック領域はこれからも社会における影響範囲を広げ、あらゆる企業が事業に参画してくるでしょう。金融とIT技術に興味のある方は、顧客課題をFinTechで解決できるような事業に取り組んでいる企業を探してみましょう。
参考:プログラムは“書ける”より“仕組みの理解”が楽しい。ゴールドマン・サックス出身開発者のマインドセット
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