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たった一人で大企業のプロジェクトに飛び込み、その現場に潜む課題を明らかにする。解決の道筋が見えたなら、必要なチームを自ら組成してプロジェクトの成功まで伴走する——。
プロジェクトマネジメントの支援に特化したマネジメントソリューションズ(MSOL、エムソル)には、そんな刺激的な機会が満ちあふれているという。PM事業本部長を経て、現在は人財本部長を務める須田淑子氏も「ハードな経験が私を成長させてくれた」と振り返る一人。須田氏の歩みと実体験に耳を傾ければ、その他のコンサルティングファームとは一線を画する、MSOLでの仕事の醍醐味(だいごみ)が見えてくるはずだ。
※内容や肩書は2023年12月の記事公開当時のものです。
プロジェクトリーダーに寄り添うPMOを究めたいと思った
——須田さんはファーストキャリア以降、一貫してプロジェクトマネジメントに従事しているのですね。
須田:新卒で大手外資系IT企業に入社し、1年目からベンダーマネジメントやプロジェクトリードを経験しました。
特に印象に残っているのは、1998年に日本で開催された国際的スポーツイベントの仕事です。私はこの大会の組織委員会に出向し、中央省庁や地元自治体、各競技連盟、スポンサー企業など、多数の関係者の間でIT運用担当として働いたんです。このプロジェクトには約4年間携わり、最終的には100人規模のチームを率いていました。
——さまざまな領域の関係者が集まるプロジェクトで、若手の立場では苦労も多かったのではないでしょうか。
須田:プロジェクトの進行中は目の前のことに必死でしたね。自分の働きによって誰かに喜んでもらうことだけを考えていました。振り返ってみれば、経験豊富な各業界の人たちと議論する場面がたくさんありましたし、ITのプロフェッショナルとして「若手だから」が言い訳になるはずもない立場で、かなりハードな現場だったと思います。
ビジネスの経験が豊富な先輩は周りにたくさんいましたが、そのプロジェクトでは一つ一つが初めての試みで、自らベストプラクティスを生み出していかなければいけませんでした。誰とコミュニケーションを取ればうまく進むのか、たくさんの人を動かすにはどんなアクションが必要なのか。そうしたことを真剣に考え続けた日々は、私の礎になっていますね。
——豊富な経験を積んだ後にMSOLに入社した理由も聞きたいです。
須田:プロジェクトを率いるリーダーに寄り添う立場として、自らの価値をより発揮していきたいと考えたからです。
大手IT時代にも、私は外部プロジェクトのリーダーを支援するPMO業務を多数経験しました。その過程で私は、リーダーが一人で責任を負い苦労する場面をたくさん目撃したんです。
私が見てきた中では、プロジェクトで何らかの問題が発生した際にリーダー任せになるメンバーも少なくありませんでした。リーダー自身に問題がある場合もあります。そのような場合、当然プロジェクトはうまくいきません。
私自身もリーダーの苦労がよく分かるからこそ、リーダーの味方になるにはどうすればいいのかを日々考えていたんですよね。そんなときにPMOを専門領域とし、究めていこうとするMSOLに出合って、新しい挑戦を決意しました。
「コンサルが大嫌い」だったクライアントからのうれしい言葉
——MSOL入社後には、どのような転機がありましたか。
須田:これまでにないハードな経験が私を成長させてくれました。
例えば、ある大企業とそのシステム子会社による新規プロジェクトを支援したときのこと。MSOLからは私が一人で参加したのですが、現場にはクライアント側が既に契約していた名だたる大手コンサルティングファームの人たちも居並んでいる状況でした。「新参者のMSOLにはあまり期待していないよ」という空気がありありと伝わってきたんです。
一方、プロジェクトの全体像はまだぼんやりとしており、クライアント側のプロジェクトマネージャーは大規模で複雑なプロジェクトは初めてということもあって、どう動けばいいのか戸惑っている様子でした。そんな状況の中で、私には「取りあえずプロジェクト計画書を作ってみてください」というオーダーがあったんです。
——雲をつかむような状況ですね。須田さんはどんなアクションを起こしたのでしょうか。
須田:よくよく調べてみると、クライアント側はプロジェクトを円滑に進めるために標準化されたナレッジが豊富にあったんです。一方、現プロジェクトにはそのナレッジが生かされていなかった。そこで私はプロジェクトの現状と社内ナレッジを照らし合わせ、毎週のようにプロジェクトマネージャーを捕まえては関連資料を出してもらい、具体的なアクションを明確にして計画書をまとめていきました。
この計画書をプロジェクトマネージャーと、さらにその上司にも提案しました。結果的にはとても気に入っていただき、「この計画書通りにMSOL主体で進めてください」「単価を気にせずどんどんメンバーを増やしてもらって構いません」と、うれしい言葉をかけてもらったんです。その後は約2年間、プロジェクトに必要な人材をどんどんアサインし、成功裏に終わりました。
——クライアントの心を動かしたポイントとは。
須田:後日伺ったところでは、クライアント側のプロジェクトマネージャーも上司も「上からものを言うコンサルが嫌い」だったそうです。当初は「MSOLもそうしたコンサルの一社だろう」と思われていたのかもしれません。
でも現場にいる私にコンサルの意識はありませんでした。周囲の期待を背負うプロジェクトマネージャーのプレッシャーは痛いほどよく分かるので、相対するのではなく、常に隣に立って伴走し続けました。日々の疑問や悩みに答えながらも、自走してもらうことを重視したんです。そして社内ナレッジを活用していくために、現場関係者の本音を地道に聞いて必要な対策を打ち出しました。
2年間のプロジェクトを成功させたことで、その人は実績のあるプロジェクトマネージャーとして社内外への影響力が高まり、今ではマネージャーに昇格しています。MSOLには、そのクライアントの他部門からもどんどん声がかかり、新しいプロジェクトが始動して、人材のアサインに苦労するほどの状況になりました。
全てとは言いませんが、コンサルティングファームは「この通りにやれば成功しますよ」という完成予想図を渡して終わりのところもあるのかもしれませんね。でも私たちはプロジェクトが成功するまで一緒にやり切ります。実行支援を軸にして伴走する。これは私だけでなく、MSOL全体のスタンスなんです。
経営者のように説明責任を果たし、自らを奮い立たせていく
——須田さんが体験したような機会は、若手にも与えられるのでしょうか。
須田:もちろんです。私の体験は一例に過ぎません。
現在のMSOLではITや製造業、インフラ、小売などさまざまな業界の大規模プロジェクトを支援しています。一方では小規模プロジェクトも多く、マネジメントに困っているクライアントから相談を受け、私のように新規案件に一人で関わり始めることも珍しくありません。プロジェクトを成功させるための課題を特定し、どんなチームが必要かを提案して、自ら人材を集めてチームを組成する。そんな機会も多いでしょう。
新卒1年目から、こうした動きがよく見えるプロジェクトにメンバーとして参加することができます。その後の成長は人によりますが、リーダーポジションを務めるようになるのはおおむね5年目くらいからですね。この立場になれば新規案件に一人でチャレンジできるようになります。
さらに言えば20代のうちに、事業会社で部長クラスを務めていた40〜50代のメンバーをマネジメントするポジションを任されることもありますよ。簡単なことではありませんが。
——そうした立場になれるのは、どんな素養を持つ人ですか。
須田:主体性を持ち、クライアントのプロジェクトを自分ごととして捉え、一度言ったことを翻さない人ですね。どうしても計画変更が必要なときは説明責任を果たす気概が求められます。
そして、プロジェクトを成功まで導くための「つなぐ情熱」を持ち続けられる人です。情熱を最後まで継続するのは簡単なことではありません。2〜3年と続く長期プロジェクトでは、くたくたに疲れ果てて「もうどうでもいい」と思ってしまう瞬間があるかもしれません。それでも「クライアントの役に立ちたい」という思いを持ち直し、自分を奮い立たせていく強さがなければ、MSOLで上のポジションに立つことはできないでしょう。
——これらは経営人材に求められるようなレベルの素養だと感じます。
須田:そうですね。プロジェクトの中ではクライアントの組織全体の動きを理解し、ビジョン実現に向けた提案をしなければなりません。まさに経営者の視座が求められる仕事なんです。その視座やスキルを身に付けていくための研修やOJTにも力を入れています。
またMSOLでは、PMOという仕事を通じて新卒1年目から自然とマネジメントの在り方を追求するため、いざマネージャー職を任されることになっても戸惑うことは少ないはずです。どんな領域でも汎用できるマネジメント力が得られるのは当社ならではの強みかもしれません。
キャリアを描く道筋の起点は、あくまでも個人
——須田さんは現在、人財本部長という役割を担っています。若手のキャリア形成をどのように後押ししていくのでしょうか。
須田:私たちが大切にしているのは、社員それぞれが自律的にキャリアを形成していくことです。どんな存在を目指し、そのためにどのような学びを積み重ねていくのか。そうした一人一人のキャリアビジョンを支援していきたいと考えています。
例えばMSOLには将来的な起業を目標とし、マネジメントを学ぶために入社する人も少なくありません。その場合は「○○領域でのマネジメントを経験するために異動したい」などの希望を自ら出してもらい、会社は能力や適性を考慮しつつ、できる限り希望に応じていきます。入社後の初期アサインは会社が決めるものの、その後の道筋の起点はあくまでも社員個人。実績を重ねて意思を示してくれれば、どんどん実現できる環境です。
とはいえ、時には目標を見失ったり、現在の道筋が正しいのか分からなくなったりして迷うこともあるでしょう。そんな状況をサポートするための仕組みとしてキャリアサポートの部門も設けています。
——個人の意思を尊重するための評価制度はどのように運用していますか。
須田:どこまでクライアントに貢献できたかの成果と、どこまで主体的にプロフェッショナルとして動けたかなどの当社のコアバリューに基づいたコンピテンシー(行動特性)の2軸で評価しています。
また評価時には本人とその上司に加え、別部署のマネージャークラスも「レポーター」として関わり、3者の視点を照らし合わせることで公正な評価につなげています。
他社を経験している私も、MSOLには本当に実力主義が根付いていると感じますね。ファクトに基づいて人を評価し、属性にかかわらずどんどん大きな役割を任せています。実際に女性管理職も増えていますし、ライフイベントによって働けない期間をサポートする仕組みも充実しています。それぞれの働き方、それぞれのペースを尊重し、現場を離れる期間があっても評価にネガティブに影響することはありません。だからこそ多様な人材が活躍しているのだと思います。
——この環境で、須田さん自身は今後の展望をどのように描いているのでしょうか。
須田:当社のビジョンに掲げているように、「マネジメントと言えばMSOL」だと認識してもらえるような社会のプラットフォームとなることが目標です。PMOという切り口から、MSOL流のマネジメントを広げていきたいですね。
その対象は国内市場だけではありません。私たちが目指しているのはグローバル規模のプラットフォームです。国内で実績を上げているサービスを拡大して積極的に海外展開する計画を立てています。これから加わる仲間にも、日本だけで満足することなく、グローバルで活躍する意識を持っていてほしいと考えています。
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