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リクルートと聞けば「人材事業の会社」「営業力の会社」だと想起する人も多いだろう。だが現在の同社を知れば、そうしたイメージは崩れ去るかもしれない。今や、実に数百ものプロダクトを世に送り出すコングロマリット企業だ。
今回インタビューした執行役員の塩見直輔さんによると、「ボトムアップで変容し続ける企業」という同社。
その最前線では、新卒入社した1〜2年目の若手が大きな裁量を持って活躍している。リクルートでしか味わえない仕事、リクルートでしか得られない経験とは何なのか。塩見さんの言葉から、その内容を解き明かす。
※内容や肩書は2023年4月の記事公開当時のものです。
現在のリクルートはIT企業の体制に
——リクルートは、昔も今も「人材事業の会社」「営業力の会社」といったイメージがあります。
塩見:事業は「人材」「販促」「SaaS(Software as a Service)」の3つがおおむね同規模なので、「人材事業の会社」は現在のリクルートでいえば3分の1の姿です。
まだDX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉が一般的でなかった2000年代からIT企業化を進め、経営陣も入れ替わり、現経営陣はITプロダクト作りの経験を持つ人が半数以上を占めています。私もその一人ですが、営業経験はゼロ。営業力が強い武器であることは今も変わりませんが、「営業力の会社」というのもまた一側面に過ぎません。
「やったことがないことはやってみる」というシンプルなルール
——リクルートは新卒入社した1〜2年目の若手が大きな裁量を持って活躍している、と聞くことが多いですが、実際のところいかがでしょうか。
塩見:新卒1年目の社員が新サービスを立ち上げる、1年目から毎月数億円の広告予算を任される、そんなことが普通に起きているのがリクルートです。
若手の意見を「生意気だ」と頭ごなしに一蹴するのはダサい、という空気があります。「やったことがないことはやってみる」というシンプルな基準で決議しています。
一方で、「もうやったこと」がたくさんあるのも事実。それとは違う新しいチャレンジならやってみようというのが基本スタンスで、たとえうまく行かなくてもそれは失敗ではなく学びなので減点になりません。
社員がボトムアップで起案し、経営陣が判断する仕組みは、起業家と投資家の関係性に似ていますね。起業家が最初に誰から出資してもらうかを考えるように、社員は各所にいる決裁者のいずれかに出資してもらえるように動けばいいんです。社長にいきなり提案するのも自由ですし、どの場に起案するかも腕の見せどころです。
——なぜそうした文化が根付いているのでしょうか。
塩見:私は、時代の変化に対応し、生き残っていくための必然の流れだったと考えています。
変化が激しい市場で戦っていくときに、トップダウン型だとトップが間違えてしまえばそれで終わり。しかしボトムアップ型なら、トライ&エラーで着実に成功に近づける。若手のアイデアもトライできる。
そうやって時代の変化の波を乗り越え、会社自体も変容を繰り返してきました。経営陣も10年周期で入れ替わっています。その成功体験からボトムアップと変化をいとわない文化が根付いたのだと思います。
——こうした現在のリクルートを、ファーストキャリアとして選ぶ意味はどこにあると思いますか。
塩見:今お話しした「ボトムアップ型企業」が自分に合うと感じるなら、有力な選択肢でしょう。
ボトムアップ型の仕組みを徹底するには、量産されるトライ&エラーのエラーに耐えるだけの企業体力が必要です。これがないと真のボトムアップは実現できない。ベンチャーやスタートアップにはたやすくなく、リクルートは大企業なのにボトムアップという珍しい例ではないかと思います。
ただし、ファーストキャリアとしてボトムアップ型、あるいはトップダウン型がいいかは、個人の向き不向きによるので、どちらが正解ということはありません。強烈なトップの下で働く方が合う人もいるでしょう。
就職後、この選択ミスに気付き転職する人も多いので、慎重な選択をお勧めします。
プロダクトで世の中を動かす 「プロダクトマネジャー」への道
——新卒採用の「プロダクトグロースコース」(以下、PGコース)では、既存プロダクトの成長や、新規プロダクトの立ち上げを担うポジションを目指せると聞きました。
塩見:PGコースは「営業しない」職種。売る側ではなく作る側です。といっても、コードをメインで書くわけではないのでエンジニアでもありません。
プロダクトの企画、設計、集客、宣伝、デザイン、データ分析などに深く携わりたい人のための入社コースだと考えてください。
プロダクトを通じて世の中を動かすのが仕事。初期配属の組織としては大きく「プロダクトデザイン」「マーケティング」の2つがあり、それぞれのポジションでプロダクトの成長や立ち上げに関わってもらいます。プロダクトの責任者であるプロダクトマネジャーも多く輩出しているコースです。
——新卒1年目から、新たなサービスを立ち上げるプロダクトマネジャーになることもできるのでしょうか。
塩見:芯を食った提案をすれば可能性はあります。他方で、プロダクトマネジャーは、デザイナー、マーケター、エンジニアなどの専門家とチームを作り率いていかなければいけません。
チーム内で意見が分かれたときには、正しい知識を基にジャッジできる能力が求められます。これを新卒1年目から有している人はごく少数。しかし、早々に成果を上げて実力を証明し、実際に1年目からプロダクトマネジャーになった社員もいるんです。彼は今、グローバルに活躍しています。ハードルは高いですが、挑んでほしいです。
もちろん、入社後にじっくり実力を養ってから挑むのもアリ。飛び級タイプにはチャレンジを、コツコツタイプにはナレッジを。個に応じていずれのタイプにも投資します。
——プロダクトマネジャーに必要な力は、どのように身に付けるのでしょうか。
塩見:一番は、成功や失敗からの体得です。もちろん研修、勉強会、レビューなどで最大限バックアップしますが、身の丈以上の経験の機会を提供し、その中で身に付けてもらいます。
ここでも一定の失敗は前提なので減点になりません。その分、内省や周囲のフィードバックから大きく成長してほしい。短期的な会社のマイナスより、個に投資するという方針です。まあ、我々マネジメント層がバックアップして少々のマイナスはプラスに変えますし。
さらにリクルートの場合は、担当するプロダクトがマーケットリーダーであることが多く、若手のうちから、コンサルティングファームや広告代理店、制作会社などのエース級の人たちと一緒に仕事をします。
そうしたパートナー企業との協働においては、クライアントであるリクルート社員が船頭。必然的にマネジメントスキルが磨かれますし、社内外のプロフェッショナルと最新の知見に触れ続けることで引き出しを増やしてもらいます。
「オリジナルワーク」だからこそ高められる市場価値がある
——ファーストキャリアの選択に当たっては、「コンサルティングファームか事業会社か」で悩む学生も多いです。アドバイスはありますか。
塩見:「オリジナルワーク」と「クライアントワーク」、どちらが自分に向いているかというのを一度考えてみてはどうでしょうか。
事業会社である私たちは、ユーザーである消費者や企業のことを考えて自らプロダクトを作るのが仕事です。これがオリジナルワークです。
対してクライアントワークと呼ばれる仕事は、オリジナルワークを展開する企業を支援する立場がほとんど。コンサルティングファームや制作会社、広告代理店などがこれに当たります。
オリジナルワークとクライアントワーク、どちらが優れているという話ではないですが、仕事の種類が大きく異なるので身に付くスキルにも違いがあります。 オリジナルワークは特定業界に特化した経験とスキルになりがち。逆にクライアントワークは、顧客の依頼に応じて幅広い業界に触れることができます。
——コンサルティングなどのクライアントワークを通じて、「汎用性の高い能力」を得たいと考える学生が多い印象です。
塩見:そうですね。ただ、クライアントワークは「困っていない先進企業は依頼してこない」という宿命にあるので、最新鋭の知見には触れられない可能性があります。また、コンサルタントの立場だと顧客への提案まではできますが、「その提案を吟味し決断する」という最上流の仕事は経験できません。
このように、やはりオリジナルワークとクライアントワークはどちらも長所と短所があるので、自分に合う方を慎重に選ぶべきではないかと思います。
なお、オリジナルワークを通じて、ある事業に深く関与し難しい決断した経験は、別の事業でも生かせます。そういう意味では汎用(はんよう)性がある。何事も深いところにある本質的な部分は、普遍的で汎用(はんよう)性があることが多いためです。
リクルートを利用するための入社でいい
——昨今では、多くの学生が「1社で一生を過ごすわけではない」という前提でファーストキャリアを考えていると思います。その上で、新卒でリクルートに入る意義はどこにありますか。
塩見:リクルートは、60年続く企業ながら定年退職者がごくわずかしかおらず、いまだ平均年齢は34歳。「リクルートで一生を過ごすとは限らない」がはるか昔から前提だった会社です。起業のために修行する、1年目から大きいことをするために利用する、といった入社も受け入れられるので、そう考える人にとっては意義があるのではないでしょうか。
それから、会社が成長しているので、身の丈以上の仕事ができる機会が多いです。リクルートは、失敗が減点にならない仕組みと文化の会社。チャレンジの機会を求めている人はこの状況を使い倒しに来てください。
自分も修行のために3年間のつもりで入社した一人でしたが、想像以上に魅力的な環境でチャレンジの機会が多いため、まだ使い倒し終わっていません。
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