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sponsored by NTTデータ経営研究所
今回インタビューしたお二人の話を聞けば聞くほど、「本当に社会を変革できるのは、NTTデータ経営研究所しかいない」と思わされる。コンサルティングとシンクタンクの機能を併せ持ち、徹底的に社会課題に向き合っているからだ。システム開発やBPO部隊を持たず、上流の戦略策定にフォーカスしているにもかかわらず、実際の変革まで伴走する点も特徴だ。
「自分の力で社会課題の解決に貢献したい」「若いうちから当事者意識を持って活躍したい」という人には、最適な環境といえるだろう。
※内容や肩書は2023年3月の記事公開当時のものです。
幅広く知見を身に付けたい人も、何か一つを突き詰めたい人も
――今日は常務取締役と執行役員のお二人にお越しいただきました。まず、NTTデータ経営研究所のミッションやサービスについてお聞かせください。
成田:「新しい社会の姿を構想し、ともに『情報未来』を築く。」というミッションを掲げています。公共も民間も含め世の中全体の10年・20年先を見据えた、新しい社会の姿を築いていくことが使命です。「ともに」という言葉もポイントで、これだけ壮大なテーマを我々だけで実現することはできません。クライアントである民間企業も官公庁や自治体も、さらに言えばその先にいる住民や消費者の方々も、みんなで一丸となって、より良い未来を創り出していくという思いが全てのベースです。
グループ全体の歴史をひもとけば、通信という国のインフラに責任を持つところから始まっています。だからこそ、提案して終わりというようなコンサルティングのスタイルでは決してありません。それぞれの抱えている課題や目標にきちんと耳を傾けて、伴走しながら実行まで見届けていく。そこまでやり抜く丁寧な姿勢を大切にしています。
村岡:当社は創業から30年以上の歴史を有しますが、コンサルティングやシンクタンク業界では後発企業です。差別化を図るためにも、他のファームが提供できない価値は何だろうと考え続けてきました。現場を重視するスタンスは、そうした試行錯誤の結果でもあります。提案した戦略が数字になって跳ね返ってくるまで伴走したり、何年も実証実験を繰り返したり。一般的なコンサルティングから一歩も二歩も踏み込んだ活動を心がけています。
――ご紹介いただける事例などはありますか?
村岡:例えば現在、温室効果ガスの削減に向けてJCM(Joint Crediting Mechanism:二国間クレジット)という取り組みが注目されています。海外で、日本の技術を用いてCO2を減らすことができれば、削減の成果を両国で分け合うという制度です。
通常のコンサルタントなら、JCM活用の仕組みを整えるところまでで終わるでしょう。しかし我々は、実際にカーボンクレジットを生み出して持って帰るところまでサポートさせていただきました。
環境省が主導するグリーン水素の実証事業でも、10社のうちの1社に選ばれたのですが、当社以外の9社は全て事業会社です。CO2を出さない再生エネルギーを使用しながら、水を電気分解して水素を取り出すところまで、パートナーであるエンジニアリング企業とともに約4年間実証実験を繰り返しました。
――本当に最後までやり切ることを大切にしておられるのですね。
村岡:ご紹介したミッションに加えて、「Social and business design cycle」という事業コンセプトも当社の根幹になっています。公共の政策と民間企業のビジネスを両輪で支援することで、好循環を生み出していく。ビジネスの現場を深く理解した上で問題を解決し、そこで得たナレッジを自治体や官公庁に還元するという考え方です。
成田:大手のファームでは、一般的にインダストリー軸や機能軸で細かく担当が区切られているようです。パブリックでも領域によっていくつか分かれていますし、企業も流通やメーカー、小売りといった業界ごとの専門家がいますよね。機能軸も同様です。そうすると、一度「あなたはここの担当です」と決められれば、他の領域は経験しがたいのではないでしょうか。
当社も一応大きな区切りのユニットは存在していますが、その中で官民両方やってもいいし、社会的、事業的に価値のあるものであればどんなテーマを扱ってもいい。コンサルタントの志向は千差万別なので、幅広くやりたい人も何か一つを突き詰めたい人もウェルカムです。
顧客の多様なニーズに応えるためにもう少し規模を大きくしたいとは思っていますが、決してそれ自体が目的ではありません。同じソリューションを数多く売る必要はないですし、同じことができる人を何人もそろえる必要もないのです。
村岡:近年は、自己成長意欲と社会貢献意欲の双方で高いモチベーションを持つ若者が多いと感じています。そういう方にとっては、官民両方経験できるこの環境は最適なのではないでしょうか。
持続可能にするために、社会課題を“ビジネスの手法で”解決する
――新しい社会の姿を築いていくというミッションを果たすために、貴社自身は今後どのようなビジョンを描いているのでしょうか?
成田:まず申し上げておきたいのは、過度な規模拡大は志向しないということです。昨今多数の大手ファームがシステム、ソリューションの実装やBPOサービスを拡大し、そこで収益を拡大しているように思えます。しかし我々は社会や企業の課題を解決することにフォーカスしているので、解決手段の実装のもっと手前の段階から知恵やアイデアを求められるケースが多い。この点については、今後も変わることはないでしょう。
当社に中途で入社される方からは、そういった「売り物が決まっている」コンサルではなく、「純粋にクライアントの課題解決に集中したかった」という声をよく聞きますね。一人一人のコンサルタントがそうした環境をうまく利用して、やりたいことをやりながら充実感を味わってもらえれば、結果的に社会や会社に価値の大きな貢献が還元されるという思考です。
村岡:私個人としては、社会課題を“ビジネスの手法で”解決することにこだわっています。経済的に持続可能でないものは、社会的にも持続可能ではないと考えているからです。
一口に社会課題といっても、時代の流れとともにさまざまな課題が出てきます。社会の仕組みやマネーフロー、テクノロジーなど幅広い観点から新たな仕掛けを創り出し、そうした課題を解決していく。未来の先導役のような役割を志向しているメンバーが多いと思います。
――「未来の先導役」という言葉は印象的ですね。そういった事例もお聞きできれば幸いです。
村岡:代表的な取り組みでいうと、日本版シュタットベルケを増やそうとしています。シュタットベルケというのはドイツ語で、電力や上下水道、通信などの地域インフラを担う企業の名称です。彼らのレゾンデートル(存在意義)は、市民価値の最大化。地方自治体が51%以上出資して設立された企業なので、「株主のため」がイコール「自治体のため」、つまり「地域住民のため」になるわけです。
ドイツのシュタットベルケは非常に興味深くて、毎年黒字なんですね。ただ、グループ決算の内訳を見ていくと、ほとんどの場合「常に黒字の事業」と「常に赤字の事業」が混在しています。例えば、エネルギー領域は黒字だけれど、市バスの運営は赤字が続いている。トータルで黒字とはいえ、一般的な企業であれば市バス運営からは撤退することも考えるでしょう。
シュタットベルケは株式会社でも公共的な存在なので、そういう判断にはなり得ません。ただし全体として赤字になってしまうと税金での補填(ほてん)などが必要になりますから、黒字経営を維持することは必須事項です。まさにビジネスの手法で社会課題を解決する好例だと思いますが、日本でも地方創生のためにこうした手法や考え方を増やしていきたいと考えています。
すでに、全国各地で約10社の立ち上げを支援しました。東京で暮らしていると分かりにくいのですが、地方に出張に行くと人口減少や少子高齢化という課題を切実に感じます。従来とは違ったやり方で地域を盛り上げていく必要があるでしょう。だからこそ我々が先導役となり、新しい形でライフラインを維持していく組織づくりを支援していくつもりです。
成田:正直な話をすると、こうした未来の先導役のようなプロジェクトは大きな利益にはつながりません。普通の民間企業・コンサルファームであれば、「もっと儲かる案件に注力しろ」と言われるでしょう。しかし、そこに困っている人がいて、将来のために必要なのであれば、誰かが支えなければいけない。それこそが当社の役割・使命であり、他社にはできない価値提供だと考えています。
報酬、自由度、充実感や貢献感の総和が大きいほど、人生は豊かになる
――社会のインフラを守る、あるいは新たに作り出すという姿勢は、やはり出自がNTTということも関係しているのでしょうか?
成田:少なからずあると思います。グループ各社で求められるスキルセットは大きく異なりますし、当社の場合はグループや親会社からのビジネス上の制約や強制力もさほど強くありません。ただ、やはりそうしたDNAのようなものは根付いているのではないでしょうか。
村岡:20年以上前私が入社した頃は、名刺を出すとなんでNTTがコンサルなんだ、環境なんだとよく聞かれました。しかし現在は、当社自体の成長とグループ全体のブランドが相まって、全国北から南まで非常に動きやすくなっていますね。
――なるほど。これから入社してくれる人には、どんなことを期待しますか?
成田:正論を語るだけでは、世の中は何も変わりません。そのことを理解して、実直に立ち向かっていける人がいいですね。パブリックは特に効率性や利益だけを求めるわけではないですし、場合によっては政策に影響を与え法律を変えるというような案件もあります。かなり地道な作業を積み重ねる必要があるわけです。
そこにも折り合いをつけながら対応していくことが求められるわけですが、私自身はそういった点も当社で働く醍醐味(だいごみ)だと思います。正解のルートが決まっていて、どこかからメソッドを持ってきて当てはめれば解決するなんて、面白くないじゃないですか。そもそも社会課題の解決は、そんな簡単な話ではありません。面倒なことがあっても、文化的な差異も含めて理解を深めながら乗り越えて、まだ世の中にない解を導き出す。そこに喜びを感じられる人に来てほしいと思っています。
村岡:ほぼ同意見です。少しだけ補足すると、チャレンジ精神が旺盛で好奇心の強い人がフィットするのではないでしょうか。誰かに強制されるのではなく、自分からあれもこれもやってみたいといって挑戦する人は大歓迎です。成田の申し上げた通り、社会課題の解決に唯一の正解はないですし、ご自身のキャリアという意味でも一本道ではありません。型にはめることなく、自分なりの道を切り開いていってくれることを期待しています。
成田:仕事を選ぶという場面においては、報酬ももちろん大切でしょう。ただ、収入が多いからといって世の中の役に立っている実感を持てなければ、どこかで無理が出てしまいます。充実感や貢献感、そして報酬と自由度。そういったものの総和が、人生を豊かにするのだと思います。
もちろん当社の報酬が見劣りすると言っているわけではありません。一定以上の報酬を稼ぎながら、世の中に対する貢献感を持ちたいという学生さんには、特にお勧めしたいですね。
村岡:世の中に貢献するためには、自己研鑽して成長し続ける必要があります。外資系や大手のファームにも成長環境はあると思いますが、会社の根本で大きな違いがあるとするなら、若手の成長を待てるかどうかという時間軸は異なる気がします。
どれだけ頑張っても成長しないという人はほとんどいません。ただ、すぐに結果が出る人と、時間がかかる人はいます。人の成長は直線ではないので、長い間低迷しながらどこかでぐぐっと伸びる人もいる。どこまで待てるかは、マネジメント側の勝負です。私たちは、努力し続けている人であれば成長するまでじっくり見守っていきます。
画一的なスキルや成長を求めているわけではないので、そうした時間軸も含めて、それぞれの個性を大切にしながら一緒に成長していきましょう。
成田:そうですね。今の世の中は課題が多く、見方によっては困難で辛いことの方が多いかもしれません。しかし我々は、明るい未来を信じて世の中を前進させるために全力を尽くしています。熱意を持った方にメンバーに加わってもらえれば、これほどうれしいことはありません。
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