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sponsored by 日本総合研究所
シンクタンクとコンサルティングファーム、2つの顔を持ち、官民双方と連携して社会課題の解決を図る株式会社日本総合研究所(以下、日本総研)。材料工学、環境エネルギー工学、公衆衛生、それぞれ異なる領域の研究を重ねてきた高橋一輝氏、降旗理花氏、そして福山篤史氏は大学院修了後の就職先として、同社を選んだ。
入社の理由は、自分の描いたキャリアパスを尊重しながら社会課題の解決に臨める環境として、日本総研が唯一無二の魅力を持っていたからだという。3人の経験談をもとに、その魅力を解き明かす。
※内容や肩書は2023年1月の記事公開当時のものです。
自分の意思を起点に社会課題解決に臨めることが入社の決め手に
――皆さんの経歴を教えてください。
高橋:私は東京大学大学院の工学系研究科で金属材料の研究をしていました。マグネシウム合金を使って環境負荷の低い鉄道車両を作るプロジェクトに参画し、研究成果が社会に還元されることにやりがいを感じた経験が、就職活動に影響しました。
日本総研では、主に民間企業の事業開発支援や業務改革支援に従事しています。最近は特にESGへの取り組みの評価など社会貢献性の高い業務が増えていて、自分が社会課題解決に役立っている充実感を得ています。
降旗:東京大学大学院の医学系研究科で公衆衛生を学び、学校職員の残業労働とメンタルヘルスの関係について研究していました。
現在所属する日本総研の高齢社会イノベーショングループでは、認知症のある方や高齢者が暮らしやすい社会づくりや、それを支えるための製品・サービスの開発支援などに従事しています。「健やかに生きる」というテーマは、大学時代と一貫しているところです。
福山:大阪大学大学院の工学研究科に所属し、生物の働きを使ってバイオプラスチックを作り出す研究をしていました。また、私は自然に囲まれた環境で生まれ育ち、環境維持と社会変革に携わりたいという希望も持っていました。
当社の創発戦略センターに所属してからは、自ら地域に足を運びながらインキュベーション(新規事業の創出)活動を推進しています。「地域×環境」に軸足を置き、幅広い課題に携わっています。
――学生時代の研究分野と共通するプロジェクトで活躍しているのですね。コンサルティング業界、ひいては日本総研を就職先に選んだ決め手は何でしたか。
福山:日本総研がコンサルティングファーム、およびシンクタンクとして官民双方の中間を取り持つ立場にいることに引かれました。環境問題を幅広く解決していくためには、民間企業の立場ではできることが限られる一方、自治体などに所属して1つの地域に着目するだけでも十分ではありません。
官民とバランスよく連携し、各地域での課題を取りまとめて政府にフィードバックできる日本総研のポジションならば、自分のやりたいことを実現できると感じました。
降旗:私も福山さんと近い理由です。
医療・介護分野は国の政策が強く影響するため、自分がそこに関わると同時に、国の動向を民間企業に伝えてコンサルティングに生かす立場にありたいと考えました。
また、キャリアパスのハンドルを自分が握っていたいとも考えていたため、面接時に自分のやりたいことを起点に働けると確信したことは、就職の決め手になりましたね。
高橋:「あなたは何を解決したいのか」と面接で問われたことが強く印象に残っています。取り組む課題やソリューションが既に決められている企業は少なくないと思いますが、日本総研は社員の思いも重視する企業です。
実はもともとコンサルティングにそれほど興味がなく、研究内容に近い材料メーカーなどを中心に就職活動を進めていました。
しかし、あるべき社会へ導くために、どんな課題を解決していけばいいのかという問いに向き合い続けたいという思いが強まり、それを実現できると感じられた日本総研を選びました。
入社後すぐ始まった挑戦の日々、支えたのは大学院時代の経験
――入社後は具体的にどのようなプロジェクトを経験したのでしょうか。印象に残っているもの、あるいは継続して携わっているものを教えてください。
高橋:新人研修終了直後、大手メーカーが取り組む社会課題起点の事業開発プロジェクトを経験しました。解決すべき社会課題について先方と議論し、その課題に応じて10個の分科会を組成し、その後それぞれの事業計画を作りました。クライアントと一対一で話す機会も多く、責任とやりがいを感じましたね。
福山:私は地域における交通課題に対し、自動運転やMaaSを導入するプロジェクトに参画しました。週3~4日は現地へ足を運び、地域の交通事業者やNPO、自治体などと議論を重ね合意形成を図りつつ、新たな交通サービスの形を模索しました。入社1年目で、現地の方々とのやり取りのフロントに立てたことは、良い経験だったと感じています。
降旗:入社1年目から現在に至るまで、官民双方のプロジェクトに従事しています。官公庁とのプロジェクトでは、認知症施策の在り方や介護サービスの質をテーマにした調査を担っています。
一方民間企業とのプロジェクトでは、過疎地域の医療を支える新規事業を検討しつつ、実証実験を行うための伴走支援に関わっています。いずれも、調査分析や資料作成、クライアントへのプレゼンまで任せてもらう機会が多いです。連絡・調整などだけでなく、プロジェクトの一部に対して責任を負えていることが純粋に楽しいと感じています。
――大学院時代の経験が生きたと感じた瞬間はありましたか。
降旗:大学院時代に公衆衛生について幅広く勉強していたため、視座の高い状態で業務に当たることができています。また、最近注目されている研究分野や業界動向などに勘所があることも役立っていますね。
高橋:自分の研究テーマに近い内容があった際は、大学院時代の恩師に意見を仰ぎました。工学系出身という強みを生かし、CO2排出量削減のための試算を自らできたのも良い経験だったかと思います。
――その中で苦労したことや、プロジェクトの経験から得られたことは何でしょうか。
福山:地域課題に携わる立場として、現地に足を運ぶことの大切さと大変さの双方を痛感しました。入社1年目で関わった交通領域のテーマで、新たな交通サービスの社会実装に向けた実証実験に取り組んでいたときの話です。
現地の自治会長と地域内の飲食店・商店を回って協力を募ったり、マーケティング施策の一環としてショッピングモールで利用者に対してチラシを配ったり、一般的なコンサルファームでは味わえない数々の経験をしました。
一方、こうした地道なアクションを経て見えるニーズがあります。交通サービスは、場合によっては、人々の命の危険も伴い緊急対応が求められます。そうしたプロジェクトを推進するとき、地域の皆さんの安心感を醸成するために私たちが現地に行くことが大切なんです。何かあった際には「日本総研さんがなんとかしてくれる」という感覚をプロジェクトに関わっている皆さんに持ってもらう必要があると実感しましたね。また、共同で実証実験に取り組んでいたインフラ企業の関係者と試行錯誤の末に実施したキッチンカーイベントに、想像を超える多くの人たちが集まった姿を見た際に、移動需要を創り出すことも街の活性化に不可欠だと感じました。
降旗:市場環境の調査依頼を受けた際、クライアントが自分よりもその領域に詳しかったことがありました。入社1年目で知らないことも多い中で、どうしたらクライアントの役に立てるのか。
改めてそう考え、ただ情報を集めるだけでなく、それを活用できる形に落とし込むことが私の役割なのだと気づきました。情報収集のアンテナを高く保ちつつ、クライアントの意思決定の一助になるような資料を作る。これが最も難しく、現在も意識しています。
「責任を持ってやり遂げる」。加速度的に成長できる環境
――自分の強みややりたいことを生かせるプロジェクトを経験している印象ですが、どのようにプロジェクトにアサインされるのでしょうか。
降旗:まず自分の尽力したいこと、興味がある領域を聞かれ、それを基に上司から関連性が強いプロジェクトを紹介してもらいます。最終的にそのプロジェクトに参加するかどうかは、自分が判断します。入社前はグループ内の都合でアサインされると思っていたので、ここまで自由度が高いのかと驚きました。
高橋:強制的にアサインされることはありませんね。自分の興味関心に応じた営業をし、そこから仕事を創り出す人もいます。手を挙げれば自分の描いたキャリアパスを実現しやすい環境だと思います。
また、就職時に伝えた希望が変わった場合は、他のグループに移ることも可能です。時代の流れと共に社会課題は変化し続けますから、その中で自分が今どんなスキルや経験を得て、それをどう生かしたいのを考え続けることが重要です。
福山:創発戦略センターは少し特殊で、研究員40人が個々に社会課題解決に向けたプロジェクトを立ち上げたりしています。
もちろん、大規模な動きがある場合は周囲のサポートに回ることもあります。しかし、それと並行して、自分の専門領域を生かす論文・書籍の執筆や情報発信、案件を獲得するための仕込みなどをしています。業務全体においては、前者6割、後者4割程度の比率ですね。
直近では、私が専門とするバイオテクノロジー領域でのプロジェクト立ち上げに向けて動いています。政府からの公募に対し、自分がプロジェクトマネージャーとして応募した案件もありましたし、産官学の連携を図るプロジェクトには企画を作る段階からコアメンバーとして参加しています。
2023年度からはコンソーシアム(共同事業体)や研究会といった形で集うことも検討しています。このようにやりたいことを周りに伝えていれば、希望した分野に加わることができ、自分が担う役割も大きくなるのは、2人と共通しているところです。
――今後挑戦したいことを教えてください。
福山:私はやはり「地域×環境」を軸としつつ、バイオテクノロジー領域から社会課題の解決に携わりたいです。日本の各地域には有効活用されていない資源があります。そのポテンシャルを最大限に引き出すことで、地域の活性化につながると考えています。
例えば、従来廃棄の対象であった、果汁飲料の製造工程で出る残渣(ざんさ)にバイオテクノロジーを掛け合わせることで、化粧品や食品などの高付加価値な製品に転換することもできます。
各地域にある資源の再活用が進めば、雇用創出や経済活動の活性化といった効果も期待できるでしょう。こうした取り組みを全国的に活性化しつつ、自分としても挑戦していきたいです。
降旗:認知症をはじめとした病気を抱えていても、安心して暮らせる社会やまちづくりを考えていきたいです。病気を予防することはもちろん大切ですが、加齢とともに誰にでもなり得るものです。
ですから、私はたとえ病気を抱えるようになっても、変わらず幸福度の高い生活を続けられる政策や仕組みが重要だと思います。国、自治体、民間企業、そして医療機関や介護施設などをつなぎ、そういった社会を実現することに挑戦したいです。
高橋:私は社会課題を解決する企業が増えてほしいという思いが変わらずあるので、今後もそのための事業開発支援や業務改革支援に携わっていきたいです。良いビジネスモデルが増えれば、それだけ解決される課題も増えるはずですから。
企業が活動を続けていくためには利益の獲得が不可欠なので、社会課題の解決と持続可能なビジネスモデルを実現するための支援が第一に求められます。
その上で、IR面でのフォローや、ESGなども鑑みた支援が事業や企業の成長へとつながります。こういった企業支援を包括的に行い、最終的にはあらゆる側面から、社会課題の解決を実現していきたいです。
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