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入社の決め手になる要素として、大きいものは何か。答えは人それぞれだが、社内でどんな価値観が共有されているか、つまり社風・カルチャーを重視する人もいるのではないだろうか。
世界的なIT企業のSalesforceは、独自の組織カルチャーで知られ、社員の多くが入社理由に社風を挙げるという。今回は2018年に新卒入社した阿部華奈さんと、2017年に他の外資IT大手から転職してきた今村透さんに、Salesforceならではのカルチャーについて聞いた。
その内容から見えてくるのが、顧客以外の企業に対する支援やボランティアなど、短期的には会社の利益につながらないことにも意欲的に取り組む、ユニークな価値基準。同社がGreat Place to Work Institute Japan(GPTWジャパン)の「働きがいのある会社」ランキングで首位(*1)になっている、理由の一つかもしれない。
*1 2022年版実績。GPTWジャパンのホームページより
※内容や肩書は2022年12月の記事公開当時のものです。
製品を導入していない企業も支援。「カスタマーサクセス」を体現する、中長期目線の取り組み
――Salesforceで担っている役割について、教えてください。
阿部:私は主に、スタートアップ企業の成長支援に関わっています。Salesforceの営業分業体制のフレームワーク「The Model(ザ・モデル)」に関する勉強会、営業ノウハウコンテンツ、イベントなどの企画・運営が、その具体的な内容です。
特徴は、Salesforceの製品をまだ導入していない企業、つまりお客様以外の企業も支援させていただいている点です。支援を通じて、ツールだけでなくノウハウや人の面も含め、中長期的なビジネスパートナーとして選んでもらうことが、私たちのミッションです。
――今村さんはどうですか。
今村:私が所属するテクニカルサポート部は、製品を長く安心して使い続けていただくためにお客様を支援することが、ミッションです。お客様の要望は千差万別。それらにどう応えていくかが、腕の見せどころだと思っています。
――どういった理由で、Salesforceに入ったのですか。
阿部:就職活動をしていた学生時代、ITに詳しくないながらもSalesforceを知る機会があり、そのカルチャーに強くに引かれたんです。具体的には、面談や面接、OB・OG訪問で触れた社員の人柄やオープンな雰囲気ですね。また、「1-1-1モデル」(*2)に基づくSalesforceの社会貢献活動についても知り、元々金融業界を志望していましたが、この会社への関心が高まっていきました。
*2 就業時間の1%、株式の1%、製品の1%を社会に還元する、Salesforce独自の方針。詳細はセールスフォース・ジャパンのホームページで確認できる
――選考の過程で、特に印象に残っていることはありますか。
阿部:今でも覚えているのは、面談でのやりとりです。二次面接で「金融業界に行くか、Salesforceに行くかで迷っている」と正直に打ち明けたところ、Salesforceで金融業界を担当する役員との面談を設定してくれました。面談では、その担当役員に金融業界の特徴やIT業界との違い、それぞれのメリットやデメリットなどについて、詳しくレクチャーしてもらえました。
面談というより、私の進路相談といったような感じでしたね。親身になって相談に乗ってくれたことが、入社の決め手の一つになりました。
――採用する側が他業界のメリットまで詳しく説明するのは、珍しいかもしれないですね。
阿部:そう思います。他業界への興味が高まってしまう可能性もありますからね。にもかかわらず、フラットな視点で情報提供してくれました。「新卒人材の採用」という短期的なゴールだけを見るのではなく、これから社会に出る将来のビジネスパーソンのキャリアに向き合ってくれている姿が、印象的でした。
――今村さんは、転職組ですよね。
今村:はい。前職の外資IT企業でも、主に今と同じテクニカルサポートの仕事をしていました。いろいろな経験を積ませていただいた後、次のチャレンジを考え始めていたときに、ちょうどSalesforceから声をかけてもらったんです。前職に不満があったわけではなかったので悩みましたが、私がオファーを受けたチームはまだでき上がったばかりと聞き、面白そうだと思って転職することにしました。
印象的だったのは、転職してきたばかりの私を、周囲が想像以上に手厚くサポートしてくれたことですね。外資系企業は一人一人が自分自身の短期的なKPIを追うことに集中する印象があったので、少し意外でした。
――2人の話を聞いて、短期的には利益につながらないことにも力を注ぐ点は、Salesforceの特徴なのではないかと感じました。
阿部:その印象は間違っていないと思います。Salesforceが大事にしている5つのコアバリューの一つ、「カスタマーサクセス」の表れかもしれませんね。あらゆるステークホルダーの中長期での成功に寄与しようという意識が、社内に浸透していると思います。
今村:製品の売り切りではなく、継続利用を前提とするSaaS型のビジネスモデルということもあり、カスタマーサクセスの考え方はSalesforceの発展のためにもとても大事です。コアバリューがここまでカルチャーとして根付いている点も、私が転職してきて驚いたことの一つです。
中長期の取り組みは、時に成果が見えにくいからこその難しさも……
――ただ、短期的な利益につながらない取り組みは、時に難しさも伴うのではないでしょうか。
阿部:前提として、私自身はすぐに成果を出していくことも営業パーソンとしてもちろん重要だと考え、日々数字に向き合っています。その上で、中長期的な目線でお客様を成功に導くための支援もしているので、それぞれの悩みやフェーズに合わせたコンテンツやノウハウを提供することには、やはり難しさを感じます。
ただ、社内の各部門に、その取り組みに賛同してサポートしてくれる人がたくさんいるので、お客様に期待以上の内容を届けることにもチャレンジできています。
――マーケティングなど、他部門との連携も必要ですよね。
阿部:はい、それも難しい点の一つです。必ずしもすぐに成果が出ないので、取り組みの意義を連携する部門に伝えて、理解してもらうことを大切にしています。なので、単に「この企業のためにやりたい」だけでは不十分で、各部門のKPIやミッションを把握した上で、他部門にどんなメリットがあるのかを示して、賛同を得ることが求められるんです。
――工夫していることはありますか。
阿部:相手との接点を極力こまめに持って、対話を深めながら徐々に理解を得るようにしています。やりとりする相手はマネージャー層が中心で、対等なコミュニケーションが取れるようになるまでに苦労しましたが、やりがいを感じられる仕事です。
――短期的な利益につながらない取り組みの難しさについて、今村さんはどう感じますか。
今村:お客様を中長期的に支援する上では、「やったほうがいいこと」は無数に存在します。なので、限られたリソースをいかにお客様のために有効活用するかには、頭を悩ませます。自分が考え抜いて出した結論が、必ずしも正しいとも限りません。できるだけ、チームのメンバーと対話しながら考えるように心がけています。
入社初日からボランティアに参加。社会貢献の成功体験が、仕事にポジティブな影響を
――目先の利益につながらないことにも力を入れるSalesforceらしさが表れる取り組みは、ほかにありますか。
今村:ボランティアですね。私の場合、入社初日に子ども向け施設でのボランティア活動に参加する機会がありました。一般的に新入社員の初日は、組織への理解を深めるためのレクチャーなどが多いですよね。私のSalesforceへの転職では、それがボランティアだったんです。
驚きましたね。企業のボランティア活動というのは、限られた機会に一部の社員が行うものだと思っていましたし。でもそれによって、Salesforceがどういう企業かを早い段階で理解することができました。
ボランティアの良さの一つが、活動を通じて得た成功体験や充実感が、個人のキャリア形成やチームマネジメントにもポジティブな影響をもたらすことだと思っています。
阿部:社内にある「社会貢献委員会」という有志組織が軸になって、さまざまなテーマごとにチームが形成されるようになっています。外部のNPO(非営利団体)の方などと連携しながら、活動するチームもありますね。所属部署や役職に関係なく、多様な社員が交流できるのもこうした活動の利点だと思います。
今村:個人的には、数年前に参加した経済的な理由で塾に通うことが難しい子どもたちの学習を支援する活動が、印象に残っています。活動終了後に子どもたちからもらった感謝のメッセージは、忘れられません。
受け身ではない姿勢が、成果を出す人の共通項
――Salesforceで働くのに向いているのは、どんな人だと思いますか。
阿部:与えられた仕事をただこなすのではなく、高い視座で物事を捉えつつ、自ら挑戦し続けられる人ですね。社内ではナレッジやトップパフォーマーの資料など多くの情報が共有されており、また気軽に1on1に応えてくれる社員もたくさんいます。なので、待っているだけでなく自分から情報などを取りにいく姿勢で取り組めることが、成果を出している人の共通項かもしれません。
またそれと併せて、市場動向などのビジネス情報もどんどん吸収しつつ、自発的に提案していけるかも、ポイントになると思います。
今村:私もそう思います。ビジネスの不確実性が増していることもあって、リーダーの指示を待つのではなく、自らアクションを起こす力がより重要になっています。
さらに欲を言えば、学生時代に他の人とは違うユニークな経験をしてきた人に、仲間に加わってもらいたいですね。多様な視点は、我々のコアバリューの一つである「イノベーション」の創出につながりますし、独自性を持つ人は、「自分はこうしたい」といった明確な意思を持つ傾向にありますから。
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