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sponsored by ユニリーバ・ジャパン
190か国で400以上のブランドを展開しているユニリーバ。毎日の暮らしを支える消費財メーカーとして、「サステナビリティを暮らしの“あたりまえ”に」をパーパスとして掲げ、環境負荷を抑えながらもビジネスを成長させている。
ユニリーバ・ジャパンの山下健吾氏、篠原亜季氏は、環境に負荷をかけることなく“人々が豊かに暮らせる世界づくり”を目指し、日々業務に取り組んでいる。二人が同社でどのように成長したのか。また、若手が裁量権を持って働ける環境について語ってもらった。
※内容や肩書は2022年5月の記事公開当時のものです。
若手のうちからプロジェクトを任され、多様なバックグラウンドを持つ社員たちと信頼関係を築く
――お二人の就職活動の軸について聞かせてください。
山下:“志望する会社で働く人たちと一緒に仕事をしたいかどうか”を大切にしていました。もちろん会社にエントリーする際、その会社がどういう商品を扱っているか、どんな価値観を持っているかということも調べましたが、最終的な決め手は「人」でした。
篠原:心配性なので、就活の準備は早く始めた記憶があります。大学2年生のころから開始しました。人と話すことが好きで、商品を売ることに興味があり、「営業職」を一つの軸として就職活動を行っていました。その上で、本当の自分らしさを受け入れてくれる会社で働きたいと考えていたのです。
ユニリーバ・ジャパンに入社を決めた理由の一つは、私の個性を受け入れてくれたからです。面接では、経歴やスキルだけを見るのではなく、「何に興味があるの?」「うちの会社でどんなことにチャレンジしたい?」と私のことを知ろうとしてくれたんです。
当時の就活生は黒いスーツと白シャツを着ていた人が多かったのですが、私はスーツの下にシャツではなく、ブラウスを着て面接を受けました。他の就活生とは違う服装をしていたわけですが、私の話を聞いて面接官が「あなた、面白いね」と言ってくれたのです。まさに自分自身を見てくれている会社だと感じて、入社を決めました。
――入社後、印象に残っているプロジェクトを教えてください。
山下:思い浮かぶのは入社して4年目のときに関わったプロジェクトです。当時、チームメンバーは皆、それぞれが異なる仕事の仕方や時間軸で動いていました。例えば、ある人はあるサプライヤーさまに対して、時間軸を横にした報告書を毎週月曜日に提出していたのです。別の人は同じサプライヤーさまに対して、時間軸を縦にした報告書を毎週木曜日に出している。「これ、おかしくない?」と思い立って、当時の部長に改善策を提案したんです。
すると部長に「君が引っ張ってやってみなさい」と言われて。普段の業務と並行して、システムの導入や仕事の仕方を抜本的に見直すプロジェクトリーダーの業務を担いました。
業務プロセス改善という誰も答えを持っていない話でしたが、チームメンバーがバラバラに働いていたのを一律に可視化するためのシステムを導入して、業務の無駄を省き効率化したのです。このプロジェクトは上司の上に立って物事を進めていかなくてはいけないので大変苦労しましたが、プロジェクトがうまくいった時はうれしかったですし、感慨深かったですね。
篠原:印象に残っているのは、2015年、九州に赴任した時のことです。友達も家族もおらず土地勘もない九州で、お客さまのニーズを発掘するという命題を与えられました。本社の機能は東京を起点に行われているため、自分の知識や経験が通用しなかったですね。
九州エリアの方にいろいろと教わりながら、人とのつながり、人の懐に入っていく大切さ、経験を積まれている人への尊敬を改めて学びました。それまで私はどこか冷めた一面があり、自分一人で何でもできると思っていたのですが、人として大きく変わったきっかけでしたね。
――海外勤務について聞かせてください。篠原さんはトルコとオランダに赴任していますが、それぞれどのような業務を担当したのでしょうか。
篠原:トルコ赴任は2013年、ユニリーバ・ジャパンに在籍しながら、トルコのプロジェクトに関わりました。ボディケアやフェイスケアなどの製品をラインナップに持つDove(ダヴ)というブランドをドラッグストアに展開し、商品を浸透させるプロジェクトです。日本はドラッグストアの流通チャネルが世界的に見ても強い国ですが、トルコは流通経路がまだ成熟していない国でした。
私以外のチームメンバーは現地のトルコ人。一緒に働く中で「細かいし、後ろを振り返りすぎだよ」と何度も言われましたね。私の印象では、トルコ人は前にしか進まないんです。細かいレビューをするよりも、まず動いてみる。だからこそ成長していると感じます。
一方、オランダはまた事情が異なりました。グローバルに籍を置きながらも、ユニリーバ・ジャパンを一度退職して、ユニリーバ・オランダへ2018年に転籍しています。業務としては、成長しているディスカウント業界でどのような製品群を展開するのか、どんなプロモーションを仕掛けるのか、提案から開発まで担う仕事をしていました。
――オランダでの勤務は、トルコ赴任とはまた違った刺激を受けたのでは。
篠原:そうですね。初めの半年間は、「私に何ができるのか」という自問自答の日々でした。結果を出し、それを周りに見せていかないと生きていけないんだということを肌で感じましたね。ユニリーバ・ジャパンが素晴らしいのは、5年後、10年後どういう場所でどういうキャリアを描くのかを聞いてくれるところです。
しかし、ユニリーバ(グローバル)は、各国から人が集まっているので、キャリアは自分で築きなさいというスタンスなんですね。そこから成長するかどうかは自分の考え方、動き方次第。オランダ赴任を経て、仕事に対してのストイックさや結果へコミットする姿勢を強く持つようになりましたね。
――トルコとオランダの勤務を経て、ビジネスの力を一層鍛えられたのですね。山下さんもユニリーバ・シンガポールで勤務された経験があります。
山下:家族帯同で、ユニリーバ・シンガポールに1年間赴任しました。アジアのサプライチェーンのヘッドクォーターがシンガポールにあり、その中のプロジェクトメンバーとして召集されました。先ほど話した、入社4年目で企画したシステム導入と業務改善のプロジェクトがグローバルの目に留まって声がかかったんです。
上司はイギリス人で、メンバーはシンガポール人、インド人、フィリピン人と実にさまざまでした。今はあの時の経験が自分を成長させてくれたと思っていますが、シンガポールでの経験が一番つらかったですね。
――どのような点が大変でしたか。
山下:一つが語学。各国いろいろなアクセントがあるので、自分の話が通じているのか、自分が相手の話を理解できているのかが最初は正確に分からなかったのです。業務知識のギャップも感じました。みんな頭の回転が速く、鋭いんです。例えば、インド人のメンバーの会話は数式を使います。
サプライチェーンのことを数学で表現することに、最初は全くついていけませんでした。さらに、カルチャーギャップもありました。例えば、南アフリカの人は気楽な雰囲気で業務に取り組むし、中国やタイは日本と似ていて、着手するまで時間がかかるけれど、やると決めたら最後までやりきる。
つまり、日本の常識が通用しないんですよね。信頼関係を築けていないからなのか、説明が拙いからなのか、フラストレーションを感じました。
――そのフラストレーションを、どう乗り越えていったのですか。
山下:分からないことは「分からない」と素直に言って、チームメンバーとの関係性を地道に築いていきました。向き合って話すことで、信頼関係が徐々に構築されていったのです。
最終的には多様なバックグラウンドはあれ、個々人ではなくチームとして機能するようになったと思います。並行して、知識のギャップを少しでも埋めようと、サプライチェーンに関する資格試験の勉強もたくさんしました。
ユニリーバは巨大なグローバル企業ですが、いろいろな仲間が世界中にいるということに改めて気付きました。そういう意味で視野が大きく広がったと思います。
あたりまえを壊して、人々が豊かに暮らせる世界をつくる。ユニリーバ・ジャパンで活躍するリーダーの素質
――新卒採用に当たり、どのような点を重視して学生と接していますか。
山下:人間性やマインドが一番大事だと思っています。学生の皆さんの中には「私には経験がないから」「英語ができないから」などと言う人がいますが、まずはモチベーションや事業内容に興味があるかどうかが非常に大切です。必要なスキルは入社後、いくらでも身に付けることができます。「将来どうなりたいか」「何をしたいか」という二つを軸に、就職活動を進めるのがいいかもしれませんね。
篠原:山下が述べた通り、我々は学生に最初からスキルを求めているわけではないです。まずトライする。答えを教わる前に自分で考えて、答えを見つけにいく。そういった姿勢を重視しています。ユニリーバでは「新卒だからこれをやりなさい」とか「新卒だからこれをやってはいけない」とか、そういうことは一切ないですから。
私は自分がなぜ採用されたか、当時の営業本部長に聞いたことがあるんですが「天真爛漫だったから」と言われました。学生時点での経験やスキルではなくて、私の本質的な部分を評価してくれたからなんです。それは本当にユニリーバらしいなと思っています。
――ユニリーバでは、どのような人がリーダーになると思いますか。
篠原:“あたりまえ”を壊して、新しいアイデアを出して、とことんやりきる人だと思います。どのようにみんなを巻き込み、一緒にやっていけるかが肝心です。課題を指摘するだけではなく、自分がどう変えられるか。誰よりもアクションを起こして現場を変えていく。変わったことをみんなに見せる。そういう人はリーダーの素質があると感じますね。
山下:篠原が申し上げたことに私から付け加えると、周りの人の意見を聞く力を持ち、いろいろなことをインプットし、最終的に大きな成果を出せる人ですね。まずは自分自身をリードするところから始まり、続いて周りの人を巻き込むことで、環境や社会に働きかけていけると思います。
一人一人のパーパスを実現できるユニリーバ・ジャパンでありたい
――貴社は「サステナビリティを暮らしの“あたりまえ”に」をパーパスとして掲げています。
篠原:「サステナビリティを暮らしの“あたりまえ”に」というパーパスを掲げたのは2011年頃ですが、実は約140年前のユニリーバ創業当時から似たような考え方がありました。
当時、衛生環境の悪かった英国で、安価で高品質な石鹸を発売し、石鹸の箱に「衛生を暮らしの“あたりまえ”に」と書いた。そこが我々の出発点です。今、社会がさまざまな問題に直面している中で、改めてこの地球の限界を超えずにどう人々が豊かに暮らせるか。環境に負荷を与えずに、どのようにビジネスとしてブランドを成長させるか。そのことを真剣に考え、行動しています。
山下:ユニリーバでは、環境にやさしい素材を使ったり、児童労働や森林伐採がない土地から原料調達を行ったりしています。サプライチェーンでは、今はトラックドライバーの不足や物流の課題が浮き彫りになっていますが、ユニリーバ・ジャパンでは「ホワイト物流」を掲げて、企業間の垣根を越えた形で協働を図り、ドライバーの人たちや環境への負荷が少ない物流をつくることを模索しています。
――グローバルからの施策ではなく、ユニリーバ・ジャパン独自の施策も多いということでしょうか。また、若手社員は入社後どのように活躍しますか。
篠原:ユニリーバのつめかえ用製品を購入したり、空き容器をリサイクルしたりすることでポイントが貯まる「UMILE(ユーマイル)プログラム」は日本独自で進めているものですね。
山下:日用品の空き容器の回収・リサイクルを目指す「みんなでボトルリサイクルプロジェクト」や、自治体と協働してシャンプーやボディウォッシュの量り売りをする「リフィルステーション」も、ユニリーバ・ジャパンらしい取り組みです。
篠原:営業の戦略に関しても、英国の本社から「これをやりなさい」と指示されることはほぼないですね。若手が活躍するという意味では、私は入社してすぐに大手ドラッグストアの営業を担当しました。他のメーカーだと入社10年以降の社員が担当することが多いのですが、ユニリーバ・ジャパンでは大学卒業直後の私に任せてくれました。
――今後の展望を教えてください。
山下:一人一人が持っているパーパスを実現できる会社でありたいと思います。その思いが「サステナビリティ」という人もいれば、「世の中の仕組みを変えたい」という人もいる。それぞれの思いが叶う会社にしたいです。
篠原:日本企業は女性管理職の比率がまだまだ低く、本当は能力のある人たちが十分に活躍できていない現状があります。自分としても、ユニリーバとしても、私たちのビジネスと密に関わる消費者、小売業、卸業の方々を巻き込んで、そうした“常識”の変革を行い、パーパスである「サステナビリティを暮らしの“あたりまえ”に」をリードしていきたいです。
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