『経営プロフェッショナルの時代 ~「個の確立」なしに存在価値は生まれない』 BCG日本代表「杉田浩章」氏が語る、これからの時代を生き抜く力<後編>
2020/12/10
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1994年BCGに入社、2016年からは日本共同代表を務める杉田浩章氏。いま日本や世界で起きていることを元に、これからキャリアを築くにあたって重要になる考え方などをお話いただきます。
※本コラムは外資就活ドットコムにて開催したイベント「Job Discovery ONLINE」での基調講演の様子をまとめた記事の後編となっています。
前編:『経営プロフェッショナルの時代 ~「個の確立」なしに存在価値は生まれない』 BCG日本代表「杉田浩章」氏が語る、これからの時代を生き抜く力<前編>
- 未来を見通して、課題を見つける力が大事ということでしたが、その力を磨くためにはどうしたらよいと思いますか
- これからの時代に新卒でコンサルティングファームに入ることについて、どう思いますか
- コンサルティング企業が提供する価値は何であると考えていますか
- 最近の学生が安定志向なのはなぜだと思いますか
- 戦略コンサルタントから起業家になり、大きな成長を遂げている方が多いと思います。そのような人は戦略コンサルタントから何を学んだと思いますか
- 杉田氏の得意技、付加価値はなんですか
- 個人的な人生の目標、ビジョンはなんですか
- 最後にメッセージをお願いします
未来を見通して、課題を見つける力が大事ということでしたが、その力を磨くためにはどうしたらよいと思いますか
杉田:なかなか難しいことですが、世の中でどのような変化が起きているんだろうという興味関心、好奇心が大事だと思います。
日常的に使っているものやメディアに流れる情報の中からまずは自分自身が興味のあるところに注目して仮説を立ててみる、あるいは、他の人間とも議論して自分の考えを進化させていくことを続けることかなと。それを意識すれば、新聞でも何でも、いろんなところに出ている情報に対する感度は格段に上がると思います。
-今、目の前に起こっている変化の背景や、その延長線上には何があるか想像し、議論することで深めていくと。
杉田:ええ。人の意見を入れながら、自分自身の意見を進化させ、「あ、そうなのか」「なるほど、面白いこと考える人いるな」っていう、そういう純粋な驚きと、好奇心を忘れないことが必要だと思います。
これからの時代に新卒でコンサルティングファームに入ることについて、どう思いますか
杉田:プロフェッショナルというのは、自分で自分のすべきことを計画できるとか、それらの計画に基づいて、自分自身をも動機づけしながら自分で動かしていけるとか、あるいは、自身が価値を生みだせているのかいないのか、チームとして個人として成果が出せているのかいないのか、こういったことがものすごく問われます。
コンサルティングファームは、プロフェッショナルは何なのかということを叩き込まれる場でありますので、仕事や社会に対する向き合い方ができる人材になれるという意味においては、大変価値があると思っています。
時代を問わず、個人としてプロフェッショナルになる意欲、そして覚悟がある方であれば、ファーストキャリアとしてとても良い環境ではなかろうかと思います。
コンサルティング企業が提供する価値は何であると考えていますか
杉田:企業に対するインパクトと考えています。これは長期的にその会社そのものを変えていくということを含めてのインパクトです。
今までの延長線上で、少し良くなりましたというレベルであれば、BCGを使う意味はあまりないです。われわれを使って、何か企業として大きく成し遂げたいことがあって、それは非常にチャレンジングではあるものの、長期にわたって大きな変革をしていくんだ、という覚悟をお持ちなことがまず大前提です。そんな企業に、長期的に変革のお手伝いをすることこそがわれわれにとっての価値だと思います。
最近の学生が安定志向なのはなぜだと思いますか
杉田:いろんな原因が言われていますが、大きなポイントは、自分にとってわくわくすること、面白いことが何か、そしてそことマッチングができているかどうか、というところだと思っています。
安定志向かどうか、というのはおそらく、安定に代わるなにか、自分にとっての興味関心がない限りは生まれない話だと思うんです。だから関心の持てる機会に出くわせば、安定的に見える人も、実は安定的じゃないかもしれないと思っています。
民族性だとか、島国だから、という話もありますが、これも機会の話ですよね。機会が少ないから興味関心が生まれない。でも、その機会というものは、最初に自分自身で掴みにいこうという動き方をしない限りは手に入りません。だから、まずは一度チャレンジしてみる、早いうちにそれを試しておくことが肝だと思います。歳とってから自らを変えるのは、なかなか難しいですよね。
戦略コンサルタントから起業家になり、大きな成長を遂げている方が多いと思います。そのような人は戦略コンサルタントから何を学んだと思いますか
杉田:まず、私個人的には、うらやましいです。私ももうちょっと若かったら、そうなりたかったなって思いますね。
BCGにはそういった社会をリードする起業家を生み出す場という役割もあると思っています。BCGでは卒業をした人たちのネットワークがあり、その中の人たちが、どんな大きな成果を出してくれるのかをすごく大事にしています。逆に、卒業をした方たちもBCGのことを大事に思ってくれています。
そして、彼らから感じるのはやはり、プロフェッショナルと、自分で動ける力です。
自分で動ける力というのは、自分でワークプラニングを組んで、自分で回していくことを指しますが、これができると、一般企業の企画にいったときにも、上司の指示がなくても動けて、評価されるというケースが多いんですよね。
そのうえで、人をどう使うかという点でも能力がつきます。たとえばBCGだと新卒で入って2-3年程度の社員でも、私とかを使い倒しますからね。そのくらい上下感もないですし、その人からどう引き出すかをすごく考える。そういうところはとても役に立っているのではと思いますね。
杉田氏の得意技、付加価値はなんですか
杉田:こう見えて、分析力はあります。
数字やいくつかのポイントを見ることで、仮説をたくさんたてる力が強かったように思います。仮説って1つしか出せないと弱いんです。1つの事象を見て、可能性のある筋をたくさん出せる人が強い。出したのちに、どれが一番正しい筋なのか検証していく過程で、また新たな仮説が作られる、その流れで自分の思考も進化していく。
何かを見ながら「これって、もしかしたらこういうことなのかな」とか「こういう可能性があるよな」という、仮説を生み出す能力は、結構高いかなという気がします。
個人的な人生の目標、ビジョンはなんですか
杉田:まず、最初にお伝えしておくと、私は若いころから、たとえば20年後の自分はこうなるんだと決めて、そこから逆算して今何をするのかとか計画を立てていく人ではないんです。全く逆の人間で、「大体こんな方向に動いていったら、何か面白いことに出くわすだろうな」とか、「そういった出会いとか、出くわしたものによって、次が生まれるだろうな」と、そういう思考で生きています。
なので、人生においての目標、ビジョンみたいなものはありません。
ただ、今最も興味がある、といった意味合いでお答えすると、今の市場を変えていくような新しいものを生み出す可能性のあるベンチャーや、そのベンチャーが大企業とコラボレーションする中で新しい価値を生みだしていくことには大変興味があります。
新しいアイディアとか技術とか、こういうものを持っている人たちが、それらをどう世の中に対して提供していくか、その支援や後押しをしていきたいなと思っています。
最後に皆さんにメッセージをお願いします
杉田:これからの時代は、何かの変革を起こしていく、そしてそれをリードする立場になっていかないと、社会課題という面においても暗い将来になるかもしれないし、企業も生き残っていけないですし、個人としても見ても、面白い機会を得ることが難しくなるのではと思っています。
なのでぜひ、個として、プロフェッショナルとして、自分自身の価値を高め、そしてそういう価値を持ってる人たちが、お互いを尊敬し合う中で、大きなことを実現する、そういった人材になれるようにチャレンジしてもらえればと思います。
そして、BCGはこれを実現にするには素晴らしいプラットフォームとなっていますので、ご興味ある方はぜひ、来ていただければと思います。ありがとうございました!
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