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「日本企業としてのアイデンティティを守る」。野村證券のM&Aバンカーが大型買収で果たした役割とは?

グローバル化が進む世界経済。企業が激しい競争を生き残っていくためには、M&Aは有効な手段の一つだ。そのため、投資銀行のM&Aアドバイザーが果たす役割も大きくなっている。M&Aアドバイザーは、企業とどのように向き合い、M&Aとどのように関わっているか。野村證券企業情報部(投資銀行部門)の清田亮部長にお話を聞いた。

「日本企業として、アイデンティティを守らなければならない」。清田氏が最も印象に残っている自身が関わったM&A案件で、企業トップが話したこの言葉を、今でも鮮明に覚えているという。日本企業が海外企業を買収した案件として最大規模だった案件の一つだ。

相手方も上場企業だけに、株主数は不特定多数。その株主から合意を取り付ける必要がある。「いろいろな論点が出てきたが、結局、統合後の企業が『日本企業であり続けられるかどうか』が最も重要だった」(清田氏)。短期的な利益を出すためであれば、別のストラクチャーも可能性としては、なくはない選択肢だった。だが、清田氏がアドバイザーを務めた企業は、その道は選択しなかった。

「多くのディールを経験しなければならない」危機感

清田氏は、慶應義塾大学卒業後、旧三和銀行(現三菱UFJ銀行)に入行。愛知県と東京都の支店で、法人営業を経験していた。その後、JPモルガン証券の投資銀行部門に転じた。銀行は、「つぶしが効く」仕事と言われていた時代。なぜ、外資系金融に転職したのか。

父親の仕事の関係で、アメリカに住んでいた経験があるため、英語は得意だった。また学生時代に経験した外資系金融機関でのインターンシップの経験も大きかったという。「特定の顧客の為にカスタマイズされたビジネスを見ることができた。これがやりたいことだと銀行員時代も考えていた」。

M&Aアドバイザーを含む投資銀行ビジネスは、それぞれの企業の課題を財務上の手段を使って解決するサポートをする仕事で、マニュアルに沿ってパッケージ化できるサービスではない。より付加価値を生み出せる環境で仕事をしてみたいという思いが強くなっていったという。

JPモルガンで投資銀行ビジネスの基礎を学んだ後、野村證券に移った。「新卒の人と比べて、投資銀行業務に関しては、スタートが遅かった。多くのディールを早く経験しなければならないという危機感があった」(清田氏)。

清田氏が入社した2002年当時、野村證券の企業情報部は新たな局面を迎えていた。アメリカのブティック型投資銀行・「ワッサースタイン・ペレラ」と野村證券がジョイントベンチャーとして立ち上げた企業を源流とするM&A部隊が部門本体に統合され、営業部隊であるカバレッジチームと本格的なコワークを始めたころだった。

会社が大きく変わっているときで「面白い時期に入社できた」と振り返る。ヘルスケア、消費財、食品といった分野のM&Aアドバイザリー業務を経験した。「とにかく顧客基盤に恵まれており、どんな経済情勢でもディールフローが豊富。また、経歴や立場に関わらず評価がフェアで、やる気と能力があればドンドン仕事を任せてくれるカルチャー。個人的にも多くのお客様とのご縁に恵まれた」。

「論理的にやれることはすべてやる」姿勢が案件成立に導く

冒頭の買収案件では、企業文化の統合についてたくさんの議論があった。日本では従来、多くのM&Aにおいて対等の精神が重要視された。だが、この案件はそうではなかった。買収額の大きさや顧客・相手方双方の株主への責任を踏まえると、「対等の精神は入り込む余地はなかった。顧客トップは自社の企業文化に誇りをお持ちで、それを対象会社にも浸透させることで、統合後の新会社はより良い企業になると確信されていた」(清田氏)。

とはいえ、企業価値が高まらない限り、M&Aは成功とはいえない。だが、企業価値に貢献できたとすぐに判断することが難しいケースも多い。つい数年前まで批判されていたM&Aが、現在では最も企業価値を向上させた案件だった、ということもある。「ある程度の時間が経てば歴史的な評価が定まるものだが、公表やクロージング直後の評価と歴史的評価の両立を常に目指している」(清田氏)。

日本企業による海外企業の買収では、最大規模だった案件だが、「コアチームとして関わったのは東京と海外チームの10人弱だった」。その案件に関するほとんど全ての情報を細かな人の機微に至るまで共有し、全く同じ情報を持ってリアルタイムに意見交換して動く必要があるからだ。

一方で、スキームの構築・検証やセトルメント(決済)メカニズム等、野村のグローバルの各部署の総合力を結集し、はじめて完了に導けた面も多い。「部署と部署どうしが仕事をするというより、各部に優秀でクリエイティブな人がおり、人と人が連携して仕事が進んでいくイメージ」。

共同でアドバイザリー業務に就いた外資系金融機関からも「この案件は難しい」と言われたディールだった。M&Aアドバイザーは「現実主義者ではないと務まらない。一方で第一印象やこれまでの常識のみで即断せず、簡単に諦めない粘り強さも絶対に必要」(清田氏)。案件検討時、買収を計画する企業の経営陣から、「本件が成功する確率が半分以上あると思うかどうか」と聞かれた。清田氏はこう答えたという。「ハードルは高く見える。でも色々な要素を1つ1つ考えていったときに理屈上できない理由が思い当たらない」。

成立が難しいという先入観を持つのではなく、ありとあらゆるリスクファクターも含めて検討をして、論理的にやれることはすべてやる。こういった姿勢が案件成立に導くという。

「この案件は、ある意味、集大成」と清田氏は話す。これまで、清田氏は案件を成立させようとするこの企業と、複数のM&Aで時間を共にしてきた。頻繁に経営陣との議論を重ね、「アドバイザーとして、トップの危機意識は一番よく分かっていたと思う」。世界的な競争を勝ち抜くためには一定以上の規模拡大が欠かせない。

リーディングカンパニーになるためには、前例がないような買収も考えなければならない。こういった企業が持つ危機意識を同社の発展につなげていくためには、冷静な「現実主義者であるM&Aアドバイザー」の果たす役割は大きい。

日系企業である野村證券が、クロスボーダーのM&A案件に関わる意義は何か。清田氏はこう答える。

「外資系アドバイザーにおいては、海外本社との関係で、厳然としたヒエラルキーが存在する。海外チームのリエゾンとしてではなく、日本企業のデシジョンメイキングの本丸に寄り添えるのは我々の強み。日本企業の海外拠点がより権限を持つ中、リエゾンとしての日本人バンカーの存在価値は減っていくと思う。我々は2008年の旧リーマンブラザーズ欧州およびアジアビジネス承継以前から、日本のメンバーがハンズオンで案件をリードするDNAを有している」。

クライアントが求める前に、アドバイザーとして価値を提供できるか

日本企業や国内市場は変わりつつある。米中貿易摩擦など世界経済に不透明感が強まっているなか、世界市場における日本企業や日本市場への注目度が相対的に高まっている。そのような状況で、M&Aアドバイザーとして何ができるか。「案件に主導的に関わり、クライアントが本当のデシジョンメイキングができるようにアドバイスを提供する必要がある」(清田氏)。それは、案件が複雑になるクロスボーダー案件になれば猶更だ。

M&Aアドバイザー業務で最も重要なのは何か。清田氏は「その時その時の瞬間に一番クライアントが求めているサポートあるいはクライアントが求めていると思う前に、提供できるかどうか。ある意味地べたを這うというか、やるからには徹底的にお手伝いするということ」と話す。

華やかなイメージがあるアドバイザリー業務だが、「我々は裏方以外の何者でもない。自分が主役でやりたいのであれば、他の職場の方が向いているかもしれない」。

だが、主役ではないが主役である企業よりも、短期間で色々な経験を積むことができる。「これがアドバイザー業の一番面白いところ」(清田氏)。その経験値の“引出し”を持ってまた、クライアントに価値を提供できる。

若手に求めるのは「スピードと正確性の両立」

清田氏が責任者を務める野村證券の企業情報部は、約120人のスタッフを擁し、日本に拠点を有するアドバイザーとしては最大規模の案件数を同時に走らせている。若手に求めるのは、スピードと正確性の両立だという。複数の案件が同時に進み、同じ案件の中でも複数の仕事が進むからだ。

「若手の段階から一定以上の水準でスピードと正確性を両立できる人は、案件の状況を俯瞰して見渡せる把握力がある人。そういう人はよりシニアバンカーや顧客に近い目線で案件に取り組めるタイミングが早く来る」。そのため、その人にしか出せないチームへの価値の提供がより早い段階でできるという。「入社後に複数の案件に同時に携わることによって、短期間でそのような人材が育成される理想的な環境がある。我々もサポートは惜しまない」。

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