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2006年にM&Aアドバイザリーファームとして日本で初めて上場し、2012年9月には東証一部上場を果たしたGCA株式会社。独立系のM&A専業ファームとして、海外とのクロスボーダー案件に強みを持っています。また豊富なディール数を誇るため、若手に与えられる裁量の大きさも特徴です。今回は、国内外の複数企業でキャリアを積んだ後GCAにジョインした取締役の野々宮さんと、2018年新卒入社の湯谷さんにGCAならではの成長機会、実際に手掛けたM&A案件などの話を伺いました。
圧倒的なディール数が、圧倒的な成長を生む
ーー独立系M&A専業ファームとして数々の実績を残しているGCAですが、特徴はどんなところにあるのでしょうか。
野々宮:やはり、ディールの数が多いことですね。M&Aに特化しているからこその豊富な案件数とスキルセットの高さは、独特なものがあると思います。他社から転職してきて最初に感じたのは、若手の成長が極端に早いことです。ディール数が多いこともあり、若くても一定以上の裁量を与えられているので、テクニカルな部分もメンタリティも、成熟度がとても高い。これには本当に驚きました。
湯谷:私は新卒入社なので他社との比較はできませんが、入社から1年で4つの案件に携わらせていただきました。面白いのは、一つ一つの案件が進め方もゴールもまったく違うことです。以前の案件で成功したやり方をなぞろうとしても、上手くはいきません。全てが新しいチャレンジで、それを繰り返しているうちに任される任務の質が上がっていくことを実感した1年間でした。
たとえば直近で言うとインドの案件を担当したのですが、皆さんの印象通りインドは非常に特殊なマーケットです。最初は何を言っても「インドではこれが常識だ」と返ってきて、交渉が全く進みません。交渉相手のバンカーと1日20回くらい電話しながら細かく進めていく必要がありました。
そうした中で状況を全て把握し、実際の会議でも自分がリードしながら前に進められた時は、言葉にできない喜びを感じました。先ほども言った通り他社や他人とは比較できませんが、1年前と今の自分を比べるなら、圧倒的に成長できたと実感しています。
交渉相手のトップから電話がかかってきても物怖じせずにこちらの要望を伝えられるようになったのですが、冷静に考えると「2年目でよくこんな偉そうなこと言ってるな」と我ながら思います(笑)。成長させてもらったこの環境には、感謝しかないですね。
野々宮:弊社はフラットなコミュニケーションを取るためフリーアドレスなのですが、湯谷とは同じチームなので隣に座ることがあります。先日偶然隣にいる時に、彼がおそらく会ったこともない年上の方と電話しながら、英語で指示を出していました。「湯谷、いつからこんなに偉くなったんだ!?」と、びっくりしましたね(笑)。
ーー湯谷さんからインドの話がありましたが、野々宮さんが担当された中で印象的な案件はありますか。
野々宮:もちろん色々ありますが、例えばある大手食品加工会社の案件は、特に印象に残っています。海外企業のM&Aのご経験がないクライアントだったのですが、何もないところから南米と北米のトップクラスの企業買収を立て続けに2件お手伝いしました。しかも(買収の)競合相手は世界の錚々たる企業です。「負けたかもしれない…」と諦めかけた時期もありましたが、そこから「意地でもクローズさせよう!」とチーム一丸となり、成約に漕ぎつけました。
「夢って本当に叶うんだな」と改めて実感しました。クライアントにとって自社を次世代に託すため新たな成長を取りにいくM&Aは、夢を叶えるストラテジック・オプションです。M&Aはとても人間的な仕事だとよく思うのですが、人の夢を後押しできることは大きなやりがいに繋がりますね。
湯谷:ブレークしそうな案件を再び復活させるには何が必要ですか。
野々宮:まずは、どこで負けているかを正確に分析することが大切ですね。その上で、適切な対応策を考えていきます。高い金額を提示すれば買えるのは当たり前ですが、それだけで決まるわけでもありません。最終的に金額を上乗せするとしても、プロセスによってクライアントの納得感は大きく変わります。もしも後悔が残れば、買収後の経営にも影響してしまいますから、納得のうえ気持ちよく決断していただくようアドバイスすることが大切だと思います。
湯谷:なるほど。M&Aは企業とかマーケットシェアを買うというイメージですが、企業には必ず人がいるわけで、買う側も買われる側も納得して進めないとうまくいかないですよね。
野々宮:そうですね。日本企業のM&Aはこれまで買う側がフィーチャーされてきましたが、今後は売り手としてもプレゼンスを発揮する時代になると思います。日本の責任感が強いカルチャーなのか、1部門の売却であっても躊躇する会社が多いのですが、自社で持ち続けるよりも価値が高まるのであれば適切なタイミングで売却した方がいい。
実際にそういった案件が増えてきている実感もあります。先日も、日本の大手企業のカナダ子会社を売却する案件をサポートしました。売却と言うと「従業員を切り捨てるのか」という感情論が出てくることも多いのですが、働き手としても自分たちの価値を最大化してくれる企業に所属した方が絶対にいいですよね。
企業としても、売却は単なる守りではなく、資金を作って次の一手に投入するための攻めの施策でもあるわけです。これからの時代は、企業と従業員の双方にとって価値のあるwin-winの売却案件が増えてくるでしょうね。
「世界と互角に戦える」では不十分、ディールの主導権をとれる人材へ
ーーそういったグローバル案件を推進できるようになるための、教育体制はどうなっているのでしょうか。
湯谷:入社1年目にグローバルの新入社員が集まるサンフランシスコ研修に参加しました。また、この夏からはニューヨークに1年間駐在することが決まっています。2年目から社内公募に手を挙げることができるのですが、世界一M&Aが盛んであり、金融の中心でもあるニューヨークでM&Aに触れてみたいと思って希望しました。
今の時代、日本にいても電話やメールで海外とコミュニケーションできますし、各国の法令についてもネットを活用して勉強できますが、やはり面と向かって議論してみて初めて感じる部分もあると思うんです。日々新聞で読んでいることを肌で感じるというか。それから、企業が決定前にやめたことって大抵新聞に載りませんよね。現地に行くことで、そういうプロセスも感じ取ることができるのではないかと期待しています。
野々宮:若手のうちからグローバルな空気を肌で感じる機会は、積極的に作るようにしています。それも単なる研修ではなく、リアルな案件を経験することで、より早くより大きく成長してほしいと思っています。湯谷の1年間も、研修ではなく会社として生産性を上げられるという判断です。現地で実際のディールを担当してもらいますし、日本に戻ってきた後はその経験を他のみんなに繋げてくれるでしょう。海外駐在は、1回と言わず2回3回と経験してもらいたいですね。
面接などで、「グローバルで互角に戦える人材になりたい」という方が多いのですが、その時点で間違っていると思います。互角ではなく、リーダーとして主導権を取れる人材になってほしい。グローバルという意味で言えば英語でのコミュニケーションも大変ではありますが、そこは努力で乗り越えることができます。本当に大切なのは、何語で話すかではなく、その言語を使って何を話すか、何を伝えるか。自分の中に、価値あるコンテンツを積み重ねていってほしいと思っています。
外資でも一般的な日系でもない、“日本発”グローバル
ーーそもそもお2人はどういった経緯でGCAに入社されたのですか。
野々宮:私はGCAが4社目なのですが、もうM&Aがライフワークだと言っても過言ではありません。大学と大学院が海外だったこともあり、最初のキャリアもそのまま海外でスタートしました。会計事務所だったのですが、そこでM&Aという仕事に出会い、その魅力に引き込まれました。
2社目はグローバルな投資銀行。コーポレートファイナンス全体を俯瞰できる力を身につけたくて転職しました。さらに数年が経過する中で、アドバイザーではなく当事者としてポートフォリオをマネジメントしたいという想いが強くなり、縁のあったGE(ゼネラル・エレクトリック)へ入社しました。GEではアジア・パシフィックのリーダーとして多くのことを経験させてもらえました。
GCAにジョインしたのは、リーマンショック以降GEの方向性が攻めから守りに切り替わったことと、日本企業のM&Aへの取り組みが大きく変化していたことがきっかけです。かつて日本でM&Aと言えば一部のトップ企業のみが実施する“特殊技”のようなものでしたが、ミッドキャップ(200億~1000億円程度のM&A)のグローバルなディールが急増していました。自分のスキルセットを考えてもこの領域は好きだし得意なので、日本企業のグローバル化を後押ししたい気持ちで、もう一度アドバイザリー業務に戻ることを決めました。
湯谷:私は2018年4月の新卒入社です。幼いころから10年ほどマレーシアで暮らし、この期間の東南アジアの成長を目の当たりにしていました。大学でアメリカに留学した時も、日本人より東南アジアの人たちの方がずっと目立っていました。自然と、「世界で日本のプレゼンスを上げていきたい」という想いが強くなっていきました。
就職活動を始めた当初は総合商社やメーカーなど幅広く見ていたのですが、1つの会社のブランドを海外に展開していくよりも、専門性を持ちながら多くのクライアントを世界に押し上げていくM&Aに興味を持ちました。最終的にGCAを選んだのは、やはりクロスボーダー案件ですね。そこは自分のこだわりとして譲れないところだったので、1年目から必ずクロスボーダー案件に携われると聞き、「ここしかない!」と決断しました。
野々宮:クロスボーダーの中でも、日本発グローバルという領域が多いことがGCAの特徴です。外資とも一般的な日系とも違う、完全独立型のファームだからこそできるサポートだと思います。
湯谷:そうですね。あともう一つ魅力的だったのが、選考プロセスでお会いした方が皆さん独自のスタイルを持っていたことです。野々宮さんのように外資系出身だったり、日系や銀行、会計事務所だったり、それぞれのバックボーンをベースに独自のスタイルを築いていると感じました。
とはいっても好き勝手に動くのではなく、GCAの理念である「For Client’s Best Interest」という方向性は共有していると感じました。ここでなら、自分の心にある理念を曲げることなく、たくさんの方から多くのことを吸収していけると確信しました。
野々宮:湯谷が言った通りで、GCAは同じ個性の人がいないことが特徴です。19世紀のフランスにジョルジュ・スーラという画家がいるのですが、彼は線ではなく点で全てを描き、少し引いて見るとそれが絵に見えます。まさにそんなイメージです。
個々人がそれぞれ自分の色を発揮したいという気持ちを持ちつつ、でも全体としては同じ方向を向いている。不思議な社風ですが、これは大きな特徴だと思っています。
ロールモデルを“追う”のは間違い、その上を目指せ
ーーこれからキャリアを積み上げていく就活生にアドバイスがあればお願いします。
野々宮:学生さんと話すと、よく「ロールモデル」という言葉が出てきます。ロールモデルがいることはたしかにとても良いことなのですが、その背中を追いかけている以上ロールモデルを超えることはできません。
特にこれからの時代はそうだと思います。例えば「30年後に成功するバンカーは?」と聞かれても、私にも分からない。未来の自分を一定の型にはめるのではなく、なりたい自分をもっと高く、遠くに見据えつつ、自分自身の想像力と行動力で自分だけのキャリアを作っていってほしいですね。
湯谷:自分の就職活動を振り返ってみて思うのは、一番大事なのは企業研究ということです。GCAは独立系ですし、M&A業界の中でも知名度が高い企業ではありません。それでも弊社に入社している人は、詳しく調べて自分の意志を固めてから来ているので、「来なければよかった」と言っている人はいません。
どれほど有名な企業に入社したとしても、その動機がブランドであるならば長続きするとは思えません。自分は何のために、誰のために働いているのか-。そこが明確になっていることが、自分自身に誇りを持つことに繋がるのだと思います。企業研究と自己分析を重ねた上で、やりがいをもって働けると自信を持って言える企業に入社していただきたいと思います。
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