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Q.1 所属部門の紹介をお願いします。担当業務、職制/職階と各役職の職務内容はどのようなものでしょうか。
私が所属するのは、170年以上の歴史を持ち、27カ国43拠点にまたがってアドバイザリー・ビジネスを展開する「独立系」投資銀行、ラザードフレールの東京オフィスです。
東京オフィスは、1989年の開設以来、クロスボーダーM&Aを中心に数々の大企業による著名な案件を手掛けてきました。組織の職階は、マネージングディレクター(MD)/ディレクター(D)/ヴァイスプレジデント(VP)/アソシエイト(AS)/アナリスト(AN)の5階層です。
MDからANまでの全員がM&Aのエグゼキューション(案件執行)及びソーシング(案件提案・発掘)の両方に従事するスタイルですが、同業他社と比べてシニアもエグゼキューションに深く関与する点は弊社の特徴の一つです。
Q.2 部門やチームのカルチャーをひと言で表現するとどのようなものでしょうか。
「プロフェッショナル」です。ラザードのアドバイスのスタイルは、よく「ポルシェ」に例えられます。ベルトコンベアに乗って流れてくる車体に、毎回決まった部品を取り付けていれば良いのではなく、オーダー毎の特殊性やお客様の好みを考えて、「プロフェッショナル」として持てる技術を総動員し、1台1台テーラーメイドで最高傑作を作り出します。
ファイナンス・法務・会計・税務等の幅広い知識と、M&Aという専門性を持ち、“For the client”の精神で真にベストなアドバイスを提供するために自らの仕事の品質に妥協することのない姿勢は「プロフェッショナル」と呼ぶにふさわしいと思います。このカルチャーは、ラザードの本社があるニューヨークに限らず、パリやロンドン、東京オフィスなど地域に関係なく、徹底的に追及する姿勢を叩き込まれます。
Q.3 ご所属の部門やチームについて、同業他社と比べて優れていると考えられる点をできるだけ具体的に教えてください。
ラザードは自らを「独立系」投資銀行と呼んでいます。バルジ・ブラケットと呼ばれる大手投資銀行とは異なり、株式・債券の引受部門等を有しておらず、M&Aを中心とした経営トップへの純粋なアドバイザリー業務のみで成り立っています。故に、クライアントとの間での「利益相反」がなく、クライアントの利益最大化のみにフォーカスすることが可能です。
例えば、クライアントの利益を考えると本来は実施すべきではない買収案件があるとしましょう。しかも、案件規模が大型のため、買収資金を新たに調達する必要がある場合、「フルサービス」の投資銀行では、株式や債券発行をすると多額の手数料収入を得られるため、「パッケージ販売」を狙って、買収を推奨する方向に組織的なインセンティブが働きます。これは極端な例ですが、アドバイザリー業務のみを有するラザードではこうしたインセンティブの歪みが起こりえません。
また、アドバイザリー業務のみを手掛けていることから、「アドバイスのクオリティ」という観点では同業他社に劣ることは決して許されません。「アドバイスのクオリティ」で差別化を図れているからこそ、競争の激しい投資銀行業界において、確固たる地位を確立できているのだと考えています。
Q.4 ご所属の部門やチーム(もしくは会社全体)について、入社前の期待値を最も大きく上回ったこと、上回ることができていないことをそれぞれ教えてください。
仕事の面白さは想像以上でした。私はもともと総合商社でM&Aを経験し、M&Aのエグゼキューション自体が非常に面白いと感じたため、M&Aを自らの専門職にしたいという思いから転職してきました。知識量やクライアント・インターフェイスの技術が圧倒的な先輩方から学びながら、エグゼキューションに従事していくのは知的好奇心が非常に刺激されます。
それだけでなく、クライアントへの営業活動の一環でリサーチや資料作成を行う際も、例えばエクイティ・ガバナンス強化等の資本市場の趨勢や業界別の動向、各企業の経営戦略や収益構造について日々新たな発見があり、非常に面白く感じています。
また、アナリストであってもクライアント対応等の責任ある仕事を任せられる点や、グローバルに優秀なバンカーが揃っている点も入社前の想像以上でした。入社前の期待値を上回ることができていないことは特にありませんが、仕事の繁忙度の波は想像していた以上であり、忙しい時はトコトン仕事に打ち込み、繁忙期が過ぎれば休みという非常にメリハリの利いた働き方になっています。
Q.5 ご担当されている業務に求められるスキルセットとマインドセットを教えてください。
投資銀行のアナリストとして求められるスキルセットは、コーポレートファイナンスや会計税務、M&A関連法制度の理解、資料作成や財務モデリングの能力に加え、限られた時間の中で大量のデータを抜け漏れなく正確に読み解き、クライアントを含むプロジェクトチームが戦略を練る上で必要となる情報提供を行う能力と考えます。
マインドセットの面では、自分がもしクライアントの立場だったら、また上司の立場だったらどうするかを常に考え、相手が求めていることを理解し、常に期待値を上回るアウトプットを出し続けるという心掛けが重要だと考えます。
Q.6 入社してからご自身が最も成長したと思うことを理由とあわせて教えてください。
我々の業務はクライアント・サービスのため、短期間でもプロ意識が飛躍的に成長したと思います。例えば、現在、従事しているエグゼキューション案件では、企業価値評価の為の財務モデリングを担当しているのですが、数字の間違いは決して許されないという意識が非常に強くなりました。
前職の総合商社でも予決算管理等で数字を間違えていけないという意識はありましたが、間違えたとしてもそれを説明しなければいけない相手は社内の人間であったため、どこかで甘えがありました。
一方で、M&Aのプロセスにおいては自身が分析を間違えるとチームが間違った戦略を取ることとなり、軌道修正に多大な時間と労力を要するのみならず、ディールの成否にも影響を及ぼしかねないため、絶対に間違ってはならないという緊張感と責任感を持って業務に取り組むようになりました。そうして納得がいくまで何度も見直してアウトプットを生み出し、クライアントから直接「有難う」と言われると非常に達成感がありますね。
Q.7 所属する部門やチームの人の育て方で、特徴的だと思うことはありますか。
2017年から国内新卒採用を開始したのですが、新入社員毎にビックブラザーがつき、手厚く指導しています。また、少しでも早く職場に打ち解けられるよう、新入社員には全ての社員とのランチやディナーがセットされます。
東京オフィスはバンカー数約20人ほどの小所帯なので、新入社員を皆が気にかけていることは強く感じますね。また、グローバルファームとしての一体感の強さやシニアとの距離感の近さも弊社の優れている点であり、マネージングディレクターがアソシエイトやアナリストと直接議論することが積極的に推奨されているため、他の投資銀行の若手バンカーでは得難い経験を通して成長できるという特徴もあると思います。
Q.8 所属部門の仕事について学生からどのような人が向いているか、もしくは不向きかを問われたら何と答えますか。
前提として、新卒で入社する時点では知識面で抜きんでていることは求められていないです。その上で、向いている人の条件は3つあると思います。第一に、M&Aに興味をもっていること。第二に、グローバル・海外にアレルギーがないこと。第三に、新しいことに臆せず日々挑戦し続け、素直に吸収し、貪欲に成長していけることです。
反対に、学習し続け、自分をアップデートし続けることが出来ない人は不向きだと思います。M&Aアドバイザリーの世界は広く深く、ファイナンス・法務・会計・税務等幅広い知識が求められ、アドバイザーとして真に熟達するには、10年20年という単位での経験が必要になってくるため、常に自分をアップデートし続けることが必要だからです。
Q.9 あなたが今後1年以内に仕事で成し遂げたいことを最大三つまで、その理由とあわせて教えてください。
第一に、クロージングまで辿り着くエグゼキューション案件を最低2件は経験したいです。M&Aのエグゼキューションは、時に短時間で大量の仕事をこなす要領の良さや反射神経が求められ、体力的に大変なこともありますが、自分の成長が実感できて楽しいです。M&Aバンカーとして成長するため、多くのエグゼキューションを経験したいですね。
第二に、エグゼキューションだけでなく、ピッチブックを作って企業にM&A等を提案する営業能力も、最終的に優れたバンカーになるために必要ですので、磨いていきたいと考えています。
Q.10 就職活動中の学生に、人生の先輩としてメッセージをお願いします。
就職活動中の学生の皆さんとは、あまり年も離れておらず偉そうなことは言えませんが、就職活動では、様々な業界や職種を見てみることをお薦めします。就職活動の時点で明確にやりたいことが決まっている学生の方は少ないと思いますし、私自身も何が本気でやりたいことかは見つかっていませんでした。色々な業界を見て、仕事の内容や、OB・OG訪問等で会う社員などで判断して、面白そうと思った会社に飛び込んで懸命に働いていると、その仕事の中でやりたいことが見つかるかもしれません。私もそうしてM&Aに巡り合い、その魅力に惹きつけられ、ラザードに転職して来ました。皆さんが色々な業界や会社を見た結果、入社したいと思う会社がラザードであれば嬉しいですし、一緒に働けることを楽しみにしています。
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