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【ユニリーバ、インスタグラム、ロレアル出身】日本初のCDO・長瀬さんの「これでもか」と戦略的なキャリア構築

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「日本初のチーフ・デジタル・オフィサー(CDO)」として有名な長瀬次英さん。日本ロレアルやインスタグラム(Facebook)、ユニリーバなど外資系企業を中心とした華々しいキャリアの持ち主です。

そんな長瀬さんは就職活動を通じて、外資系戦略コンサルティングファームも含めた30社ほどから内定を得たといいます。

しかし、新卒で入社したのはKDDI。その選択の背景には、「これでもか」といわんばかりの戦略性がありました。【丸山紀一朗】

〈Profile〉
長瀬次英(ながせ・つぐひで)
LDH JAPAN 執行役員 兼 CDO。
1976年生まれ。中央大学総合政策学部卒業後、KDDIに新卒入社。その後、外資系広告代理店のJ. Walter Thompson Japan、ユニリーバ・ジャパン/ユニリーバ・オーストラリア、外資系化粧品・栄養補助食品会社のニュースキンジャパンで、主にブランドの戦略構築や新商品開発、アジア地域市場でのビジネスの建て直し、新規事業開発・収益化を手掛けてきた。その後、Facebookでブランド ビジネス ディベロプメント・クライアントパートナーを務め、インスタグラム日本事業責任者に就任。前職の日本ロレアルではCDOとしてビジネスのデジタル化の旗振り役を担った。


 

就職氷河期に30社近く内定! 学部では歴代トップレベルの成績

――本日はお忙しいところありがとうございます。関西からの帰りと聞いています。

長瀬:そうなのです、今日は大阪でライブを視察していて、ちょうど今東京に戻ったところです。

でも、全然忙しくないんですよ。というのも、実は、僕はショートスリーパーなんです。1.5時間の刻みで寝ていて、1.5時間、3時間、4.5時間で平気。1カ月に2日くらい、1日中寝て「寝だめ」はするのですが。

だから、一般的な7時間睡眠の人と比べて、1日当たり4~5時間は多く生きているので、毎日ゆったり過ごしていますよ。

――1.5時間睡眠でも平気ということなのですね。いつ頃からそういう身体になられたのですか?

長瀬:生まれつきですね。

子どもの頃から、寝なくても元気なんです。夕方まで友達と遊んで、家に帰ってまた遊んで、そのあと宿題をして、夜中に寝ても、朝誰よりも早く起きているような子でした。宿題をサボったこともないので、親に怒られたこともないです。いくら遊んでも、宿題をする時間があるんですよ。

今、普段は朝4時頃に起きて本を読んだり、映画を見たり。そして、少しトレーニングをして、朝食を食べて。9時頃から仕事をしますが、それまでゆっくりと過ごしています。

夜まで会食していても、深夜まで資料を作っていても、時間があるんです。おかげで、仕事も勉強も遊びも、いくらでもできます。生まれつきなので、コツを教えることはできないのですが・・・。

でも、遊んでいたのは中高の時までですね。大学生になってからは勉強、就職してからは仕事しかしていないです。

――中高時代はどういう生活をしていたのですか?

長瀬:中学から6年間、父の仕事の関係で東海岸にいました。当時のアメリカは、セックス、ドラッグとロックンロールの時代。僕もとても遊びました。今までの人生で、一番遊んでいましたね。

そして、ちょうど大学入学の時に、家族と共に日本に帰国して、中央大学の総合政策学部に入学しました。

日本では、高校まで勉強して「大学に入ったら遊ぶ」ほうが一般的ですよね。でも、アメリカでは、「大学は勉強する場所」という考え方が一般的なので、僕もその認識だった。そのうえ、キャンパスが多摩の山奥だったこともあり、勉強ばかりしていました。

先日、母校で講演会をした時に聞いたのですが、僕の成績はどの科目もAとSばかりで、いまだに学部のトップクラスだそうです。

――大学では専門性の高い勉強をされていたそうですが、その分野の専門家になる選択肢はなかったのですか?

長瀬:大学では法律を専攻していて、渥美東洋先生のゼミでした。刑事訴訟法の権威で、アメリカでも有名だったんです。

ゼミの友人たちや先輩たちはほとんど弁護士や検事になりました。でも、先生から「君は弁護士に向いていない。弁護したら勝ちにこだわって、絶対に勝ちを取りに行く性格だから。日本は判例が大事なので、君の作った判例が後世にも大きな影響を与える。だから弁護士にならないほうがいい」と言われたんです。

確かに、先生の言うように、僕はお金と勝ちにこだわるタイプ。早く偉くなりたかった。学業の成績も高かったから留学してもよかったのですが、興味がなかったので、就職活動をすることにしました。

――就活ではどういう企業を志望されたのですか?

長瀬:1999年は超が付くほどの就職氷河期だったのですが、大学の成績がトップクラスで英語が堪能だったこともあり、30社程度内定をいただきました。

僕自身は、2~3社受ければいいと思っていたのですが、新設されたばかりの学部で、実績を作る事も大事だと考え、自身の経験や自身の幅を広げるためにもたくさん受けていました。

当時は戦略コンサルが人気があったのですが、外資系の戦略コンサルもほとんど内定をいただきました。

ただ、日系企業は、KDDIしか受からなくて。最終面接までいっても、落とされる。日本の企業のカルチャーとは合わないのだろうということがよく分かりました。

そこで、当時相談していたヘッドハンターから「外資系はいつでも転職できるから、日系企業に就職したほうがいい」とアドバイスをされ、KDDIの国際事業部に入社しました。

 

新卒KDDIは最良の選択!? 簡単には入り込めない日系大企業の世界

――大学生のうちから、ヘッドハンターに相談していたのですか?

長瀬:そうですね、やっぱりその道のプロに聞くのが確実だろうと思って。

僕は30代で社長になりたかった。でも、社長になる方法なんて分からない。それで、ヘッドハンターという存在を教えてもらいました。プロの意見を聞いて、30代で社長になるために必要な誰も文句が出ないキャリアを最速で作ろうと思いました。

なぜスピードにこだわったかというと、いくらお金があっても、いくら有名でも、身体が動く若いうちでなければ意味がない。若くして成功したほうがモテるでしょう(笑)。ただの、不純な動機でした。

だから就職してからも、ヘッドハンターのアドバイスをきちんと聞きました。クビにもならずにきちんと貢献して仲良く円満退社して、次のキャリアとしてふさわしい会社に転職するようにした。おかげで、ヘッドハンターとは良い関係を築いています。

――新卒でKDDIに入社したことは、後のキャリアにどう役立ちましたか?

長瀬:今振り返っても、新卒でKDDIに入社したことは、最良の選択だったと思います。

「日本企業にいた」というだけで、後の職場でも仕事がとてもスムーズに進むからです。スタートアップや外資系に新卒入社していたら、日本の大企業の偉い“オジサン”たちに相手にされなかっただろうなと実感する場面が多いです。ロジックだけでは入り込めない部分があります。

KDDIでは、新人は誰よりも早く出社して、ゴミ箱をそろえて、上司や先輩たちの机を拭いて、ラジオ体操の準備をして、上司やチームの様子や空気を読んで行動したり・・・というような、いわゆる日本の大企業の働き方をしました。

そのため、日本企業の人間がどのように動いているか、手に取るように分かります。その経験があるおかげで、インスタグラムの日本事業責任者として、電通や博報堂のような日系の大企業の役員の方々とお話しても、代理店側の経験も加えてすぐに打ち解けることができました。同じランゲージで話せるのは、皆さんの想像以上に強いのです。

今、日系の大企業の社長をしている方々は、若いうちに、誰よりも早く出社して掃除をしていたりする。だから、同じ思い出話ができるんですよね。これは、最初から外資系企業に勤めていたら、分からなかったと思います。

――そうしたご経験から、今の大学生にキャリアのアドバイスをするとしたら何を伝えますか?

長瀬:僕は、新卒でスタートアップやGAFAに入社することは全く勧めません。その後、日本企業に転職するのがとても難しいから。給料も下がる場合が多いでしょうし。キャリア形成として考えても、タイトルと給料を下げるのは良くない。

そうした意味でも、日本企業に勤めるのは最初しかできないんです。また、日本の市場で勝負していくのなら日本の大企業に勤めた経験が必ず役に立ちます。だから、僕は今でも新卒は日本の大手企業が良いと思います。

日本の大企業に入ると「マーケットでNo.1」という称号が手に入りやすいのもメリットです。KDDIは「日本最大最古の国際電信電話会社」です。キャリア形成の上では、そういうレッテルを貼れることがとても大事なのです。

だから、僕の場合は、その後も「世界最大最古の外資系広告代理店」のJ. Walter Thompson、「世界最大の消費材メーカー」のユニリーバ、「世界最大の美容MLM(マルチレベルマーケティング)ビジネス」のニュースキンジャパン、「世界最大のSNS企業」のFacebook、「世界最大のヴィジュアルコミュニケーションのプラットフォーム」のインスタグラム、「世界最大のコスメメーカー」のロレアル・・・こういうレッテルが貼れる会社をヘッドハンターに勧められ、選びました。

実は“シェア”に興味なし。「これからは好きなことしたい」と選んだ今の仕事

――今、大学生に限らず大変人気なGAFAの一つを辞めることに、抵抗はなかったのでしょうか?

長瀬:インスタグラムの日本事業代表責任者になったのは37歳の時。30代で社長になるという目標に向けて、キャリアを積み重ねてきて、ようやく達成することができました。上司のマーク・ザッカーバーグは、その時まだ10代でしたが(笑)。

一般的にプラットフォームビジネスのローンチ時は仕組みや戦略をイチから作るので、やることも決めることもたくさんあります。

しかし、ローンチ後や普及してからは、サービス改善や営業活動の拡充などには取り組みますが、基本的には事業を維持して継続するだけ。だから、僕のポジションは普及後は全く別のモノになる性質がありました。

――ここまでお聞きして、大変戦略的なキャリア形成だと思うのですが、ビジネス関係なく長瀬さんご自身が好きなことは何なのですか?

長瀬:30代で社長になる。そのために最高のキャリアを構築する。ここまでは、本当にお金と地位と名誉のためだけに、自分自身の全てのリソースを使っていました。

僕は、写真を撮ることは好きだけど、共有することにはそこまで興味がない。会ってお酒が飲める友人が数人いれば十分で、Facebookで何千人と繋がりたいなんて思っていないし、化粧品にもネットワークビジネスにも興味がない。

広告も全然興味がないから、家にテレビもないし、スマホもVPNを使って広告が表示されないようにしています。ユニリーバではリプトンの担当でしたが、僕はコーヒー派で、紅茶は飲まないんです(笑)。

でも、好き嫌い関係なく、全力で仕事をしましたし、そこのブランドを愛しました。それでようやく37歳で目標とするキャリアが実現できたので、ここからは好きなことをしようと思いました。

そこで、元々友人だったm-floのVERBALさんがLDH JAPANというエンターテインメントカンパニーを紹介してくれました。

LDHはアーティストのマネジメントの印象が強いと思いますが、実際はアパレルや飲食、スクール事業など、幅広く展開しています。僕はファッションも芸能(特に音楽やダンス)も飲食も教育も大好きで。もっとファンを大事にしたり多くの人々に楽しんでもらうためには、もっとデジタルでのお客様との接点が必要になる。Eコマースやチケット販売など、デジタルが活躍する場も多々あると感じていました。

――芸能人の方々とお友達・・・失礼ながら長瀬さんは一応普通のサラリーマンだと思うのですが、どういうご縁なのですか?

長瀬:それは、マーケターだからですね。メディアの仕事があるので、ユニリーバの頃から、芸能人の方にはたくさんお会いします。私がそのブランドのマーケティング責任者だと知れば、こういう子が入ったとか、次に使ってくださいとか、代理店や事務所の方々がいわゆる芸能人という人たちと引き合わせてくれます。一見華やかな世界ですよね。

 

「日本初のCDO」になれたのは、“すべて”を見ていたから

――今の会社では、モノではなく、アーティストやモデルといった“人間”を扱われるということで、いつどのタイミングでトラブルが起きるか分からず、大変なお仕事ですよね。

長瀬:元々、メンタルは強いほうで。あまり細かいことは気にしないんです。もちろん、人というのはビジネス関係なく非常に取り扱いが難しくセンシティブで未知数ですが、それは人間だから、仕方ないですよね。

そういう意味では、リプトンの担当だった時が、一番大変でした。最終的には、食べ物や飲み物が一番センシティブ。人が死ぬリスクがあるので。口に入れる商材は怖いですね・・・。工場の管理、アレルギーやハラル対応、成分表記など、とても大変でした。今はそういったストレスからは解放されていますね。

――長瀬さんは日本初のCDOとしてメディアで取り上げられることも多いですが、CDOを選んだ理由を教えていただけますか?

長瀬:CDOというポジションを知ったのは、ロレアルがたまたま募集していたからでした。

当時、CDOというポジションは世界でも珍しくて、普通のマーケターではできる人がいなかったので、ずっと空いていたのです。メディアのことが分かって、セールスができて、ロジスティックスや工場のプロダクト回りも理解していて、かつデジタルの領域が分からないといけないポジションです。

でも、日本では、そんなキャリアの人はいないんですよね。

僕は、社長になろうと思っていたから、そのすべてを見ていました。社長になろうと思ったら、PLを見た経験、部下を育てた経験、工場やロジスティックスも全て必要です。だから、それらの経験にデジタルを掛け算して「日本初のCDO」になることができました。

最近は「日本初のCDO」と取り上げていただける機会が多くあります。日本でもCDOという肩書きは増えていますが、実は、ふたを開けてみると、ただのウェブやEコマース責任者であることも少なくない。だから、CDOの仕事を正しく広めることに社会的責任があると思っています。

CDOという仕事の可能性を広げるために、僕自身が、ロレアルという化粧品だけではなく、エンターテインメントやアパレル、飲食、興行など幅広い業界において、CDOとして仕事をする必要があると考えています。それができる環境がLDHにはあると考えました。

僕自身のキャリアはもう達成できたので、これからは、CDOやデジタル担当者達が活躍できるフィールドを広げていきたいです。

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