
問題:コンサル企業と事業会社は、どちらの方がより高速で成長できるか。
Sponsored by トリドールホールディングス
2018/11/01
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外食産業の雄・トリドール ホールディングス。国内でブランド展開する丸亀製麺のことは多くの方がご存じだろう。しかし、今この稀有な成長企業が、グローバルマーケットで飛躍を遂げようとしている事実を知っている人はどれぐらいいるだろうか。海外1号店をハワイにオープンしたことを皮切りに約40の国と地域に500店舗を数えるに至っている。積極的なM&Aも推し進め、現在約1,200億の売り上げを2025年までに5,000億円まで引き上げる方針だ。
そうしたグローバルでの急成長を支えているのが、今回取材した経営企画本部のメンバー。彼らはともに、超大手コンサルティング企業からトリドールへと転身を果たしている。コンサル企業で得られる成長、事業会社で得られる成長。それぞれの実体験を元に語っていただいた。
事業会社の魅力は、プランニングから実行までの「スピード感」と、長期で事業を成長させていける「時間軸」。
――お二人はそれぞれ、誰もが知っている大手コンサルティング企業から転職してこられたわけですが、その理由を教えていただけますか?
原田:まずはやはり、コンサル会社と事業会社の特性の違いが非常に大きなポイントですね。どんなビジネスも、規模が大きくなればなるほど、成果が出るまでには時間がかかります。社会にインパクトを与えるまでには、3年から5年はかかるというのが私の考えです。
しかしコンサルティング企業は、新規事業の企画段階から入ったとして、同一のテーマで関わるのはどんなに長くてもわずか1年。それ以上は発注元の事業会社として費用対効果が合わなくなってしまいます。そうすると、我々が全力を注いで計画した構想が、実際に花開く姿を見ることはできない。コンサルという事業の性質上、太く短く関わるというスタンスにならざるを得ません。
一方でトリドールは非常に広く長く、様々な案件に携われることが魅力です。ここへ来て最初に手掛けたのが食品・化粧品事業を行う子会社のM&A後の経営支援なのですが、その中で新規事業を立ち上げて、今も動向を見守っています。これもやはり、事業として大きく花開くにはあと2年ほどかかると見ていますが、買収からビジネスの立ち上げ、そして事業拡大へと、中長期で関われることが大きな違いですね。
酒井:その感覚は私も同じです。コンサル時代から、会社を継続的に成長させていきたいという想いが強くありました。もう一つは、将来的に経営者としての能力を高めたい、M&Aも含めて数字に強くなりたいと思ったことがトリドールに参画した理由です。
色々な企業を探しましたが、経営とM&Aの両方を経験できる会社はなかなかなかった。どちらかができて、給与が高いところはたくさんありましたが、両方やりたかったんです。今、少しずつそうしたスキルは身につきつつあると感じています。上司が任せてくれるという点も大きいですね。この経営判断を僕が決めていいんですかと、こちらが心配になるほど任せてもらえます。裁量と責任をセットで持つことにより、自分自身の成長スピードが加速しているイメージです。
本当にこの会社は、事業を回すペースが速い。考えたことをすぐに実行できる点は、コンサル時代との大きな違いです。コンサルにいた頃は、考えて考えて提案して、お客様にめちゃくちゃいいですねと言っていただいても、なかなか実行されないということもありますから。
まだどの外食企業も実現していない、グローバルマーケットでの勝ち方とは。
――スピード感を持って、継続的な事業成長に取り組んでいるのですね。お二人は今、どんなミッションを追っているのでしょうか?
原田:シンプルに言うと、2025年に売り上げ5,000億円という経営目標を達成するために、必要なことをすべてやるというイメージです。我々が所属しているのは経営企画本部ですが、一般的な経営企画と比較すると、担っているファンクションはかなり幅広い。M&AもHR戦略も、パートナー改革もマーケティングもすべて関わっています。
最近で言うと、海外企業のM&Aが特に活発ですね。トリドールは外食企業であり、アメリカやマレーシア、イギリス、スペイン、香港など、世界中の国々で事業を行っています。しかし、必ずしも日本食を海外に広めようというこだわりはありません。日本食は世界的に認知されているし高評価も受けていますが、決して各国におけるマスマーケットではない。主流となる市場で戦うためには、それぞれの国にマッチしたローカルブランドを持っておく必要があります。
この2、3年で海外企業を6件ほどM&Aで買収しましたが、すべてローカルのブランドで、ローカルの起業家が立ち上げた企業です。各国のアントレプレナーと一緒になって事業に取り組んでいます。
――そうしたローカル企業をM&Aすることは、御社にとってどのようなメリットがあるのでしょう。
原田:食文化や個人の嗜好は、国や地域によって大きく異なります。マクドナルドやスターバックスのような世界中に店舗を持つ企業もありますが、現在世界では、そういったグローバルブランドをローカルブランドが凌駕する動きが出始めている。たとえばUberを例に出すと、アメリカで大成功して東南アジアや中国に進出しましたが、それぞれローカルに強力なプレイヤーが生まれたせいで、Uberは撤退を余儀なくされています。
そうした潮流が、UberのようなIT業でも、製造業や日常消費財の業界でも起こっている。P&Gなどは昔から、ローカルごとにブランドを立ち上げてマーケティングしていますよね。しかし外食業界において、そうした動きを戦略的におこなっているプレイヤーは世界を見渡してもまだいない。トリドールが世界初になろうとしているところです。
酒井:私は今原田が言ったような戦略を元に、海外子会社の経営企画や管理をおこなっています。現地の方々と議論しながら課題を抽出し、その課題に対してどのような施策を打つのか、進捗はどうか、予定通り進んでいなければ何がボトルネックなんだと、経営課題を解決しながらパフォーマンスを上げることに注力していますね。
原田:トリドール本体として、今この瞬間にはグローバルで1,500店舗、国内で1,000店舗経営しています。我々は伸び盛りの数億円から数十億円規模の企業を買収しているので、彼らにとっては足を踏み入れたことのない領域まで経験があるわけです。成長には常に成長痛を伴いますから、どこでどういう壁にぶつかって、その壁をクリアするためには何をすべきなのか。そういったノウハウや知見を提供しています。
コンサル時代に磨いたスキルと、トリドールに来て気がついたコンサルタントの死角。
――経営に関わるほとんどすべてを担当されている印象です。そうした経営スキルは、前職のコンサル時代に培われたのでしょうか。
原田:ビジネスのなんたるかという部分は、もちろん学ばせてもらいました。視座を高く業界や世の中を捉えて、次の戦略を考えるプロジェクトが多かったので、俯瞰的に物事を考えるようにもなったと思います。
もう一つは、利害の異なる複数の人や企業が関わる中で、どうすれば合意形成できるかという方法論も身につきましたね。他人に意思決定してもらうのは、自分が意思決定する10倍ぐらい難しい。ポイントは、一人ひとりの意思決定構造を理解して、全員が共有できる解をつくること。成果を出したいのか、権利を守りたいのか、やっかいごとを起こしたくないのか。人それぞれに判断の枠組みが存在しているので、それを把握し、連立方程式を解いていくイメージです。
酒井:BCGではロジカルシンキングやプロジェクトマネジメントの手法も勉強になりましたが、より大きかったのはお客様のために最後までやり切る力とスタンスを学べたことですね。ミーティングに出発する直前の最後の1秒まで、資料の完成度を上げるかにこだわり抜く。お客様のもとへの移動中でも、上司とはどのように説明すればお客様のためにご理解いただけるか議論していました。そういったスキルや姿勢は、間違いなく今の仕事にも活きていますね。
――トリドールに転職してからの成長という観点だと、どのような部分がありますか?
原田:冒頭でも少し話しましたが、コンサルタントは直接的にはマーケットと向き合っていないんです。緻密な戦略を立案しても、そのプランが本当に正解だったのかどうかは永遠に分からない。クライアントがプラン通りに実行していなかったり、実行したとしても結果が出る頃には自分は関わっていなかったり。答案用紙はすべて埋めるんですが、その答えが○なのか×なのかが判明しないんです。
それに対しトリドールでの仕事は、マーケットの反応がすぐに数字として返ってくる。なるほどそういうことか、と感じる瞬間もけっこうありますね。それまでの自分の考え方と異なる結果になると、それを受けて自分の中での捉え方が補正されて進化していく。この点が大きな成長だと感じています。
端的な例で言うと、「価格弾力性」はここまですごいのかと。同じ商品でも、少し値段を変えるだけでマーケットの動きはまったく変わるんですよ。プライシングや価格弾力性の理論は知っていましたが、ここまでシビアに出るものなのかと驚きました。マーケットから答えを突き付けられると、非常に深く刺さりますね。
コンサルタントとして提出する答案用紙は、絶対に90点以上はあると確信できるところまで精度を高めていた自負はあります。やる前から正解だと分かっているプランを提案できるからこそ、戦略コンサルティングには価値がある。ただ、残りの10点に関しては実際にマーケットに向き合わないと埋められないんだなと実感しました。
酒井:自分の考えたプランをすぐに実行して、そのアクションに対する評価もすぐに分かる。これは本当に大きいですね。自分の仕事が良かったのか悪かったのか、悪かったのならどこを修正しなければいけないのかをスピーディに振り返れるので、次の一手はさらに精度の高いプランを出すことができます。
もう一つは、多様な魅力・能力を持った人と働けることも、自分にとっては成長につながっていると感じます。原田のようにコンサル出身でものすごくロジカルな人もいますし、なおかつ情熱、熱量の高い人がとても多い。そういった方々と一緒に仕事をすると、多用な考え方やスキルが身につくのと同時に、人間としてもさらに成長していけると感じています。
最初に入るべきなのは、コンサル会社か、事業会社か。
――コンサル会社、事業会社ともに成長できるポイントはあるということですね。新卒でまずはどちらに入社すべきか悩んでいる学生さんに、アドバイスがあればお願いします。
酒井:私自身の経験で言えば、戦略立案の能力そのものも、トリドールの方が磨かれるのではないかと感じている部分もあります。コンサルティング会社には、マーケットと自社の間にクライアント企業がいる。どうしても、クライアントに喜んでもらうためにはどうしようかと考えてしまう部分もありました。でもそれは必ずしも本当にマーケットに対してインパクトを出せる方法ではないかもしれません。
一方でトリドールは、非常にフラットな組織でもありますし、若いうちから自分自身で事業をどうしなければいけないのかを真剣に考える必要があります。コンサル出身のメンバーも多くいて、彼らと意見をぶつけ合いながら課題を抽出し、解決策を考えて実行に移していく。事業全体のことを考えながら戦略立案から実行まで携われるという点では、最初から事業会社で経験を積む道もありだと思っています。
原田:自分が何を目指しているかによって違うとは思いますね。プロの戦略家になりたいなら、戦略コンサルにいくのもいいでしょう。ただし経営者になりたいのなら、コンサル会社というのは必ずしもベストな選択肢ではない。クライアントも超大手企業がほとんどなので、特にスタートアップとしてビジネスをやっていきたいのだとすれば、コンサルで過ごす時間は非常に効率が悪いと思います。
トリドールは今、1,000億円という中堅クラスから大企業に向かうフェーズです。生まれ変わるための苦しみをいろいろ体験していますし、M&Aで傘下に入った企業には数億円も数十億円も100、200億円の企業もあります。それぞれのライフステージでぶつかる壁とその解決法を、同時に体験できてしまうわけですね。
それと、仮に戦略コンサルタントとして身をなしていきたいとしても、必ずどこかで事業会社の経験を積まなければ一流のコンサルタントにはなれないとも思います。私がトリドールに転職した一つの理由でもありますが、やはり深い意味での事業会社の悩みは、第三者の立場では分からないんです。
トリドールには本当に様々なステージの企業が集まっているので、そういった会社を最初に見ておくと、いずれコンサルとして身を立てる時にも参考になるところはたくさんあるでしょう。若いうちからマーケットに直接向き合ってトライ&エラーできる環境で、それぞれの思い描く成長を手に入れていただければ嬉しいですね。
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