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就活生の皆さん、こんにちは!
某外資系コンサルティングファームのTAKです!
前回の寄稿はお読みいただけたでしょうか?
前回の寄稿はこちら→コンサル業界の働き方改革は「クライアントの利益のため」!?【現役コンサルTAK】
前回の寄稿の中で、「常駐案件」について軽く触れさせていただきました。常駐案件とは、クライアント先の会議室などにプロジェクトルームを作ってもらい、そこに常駐して業務に取り組むタイプのプロジェクトのことを指します。実は、この常駐案件が、昨今のコンサルティング業界ではじわじわと増加してきています。
この常駐案件が、昨今では、「高級文房具化」という言葉を使って揶揄されることがあります。今回の寄稿では、外部から見えにくいコンサルタントの仕事内容の中でも、まだまだ就活生の皆さんの中で馴染みがないと想定される「高級文房具化」と呼ばれる常駐案件の概要についてご紹介していきたいと思います。
コンサルタントでありながら、事業会社の社員と同様の業務
「高級文房具化」という言葉から、どんなことを想像しますか。文房具はとてもありふれた商品です。コンサルティングファームに依頼しなくてもできる「ありふれた、文房具のような業務」を、高額なフィーをもらっておこなっているコンサルティングファームに対して、皮肉を込めて作った言葉と言われています。
これまで、コンサルティングファームは、エグゼクティブクラスへのアドバイザリーを主要なサービスとしてきました。事業会社から、自社の業務をアウトソースしたい、と依頼されることは少なかったはずです。
最近では、クライアント企業が業務効率化のためのアウトソース(委託)先として、コンサルティングファームを選ぶケースが増えています。
私の同僚(入社3~4年目)が関与した事例も踏まえ、もう少し具体的にお話ししましょう。
私の同僚は、某メーカーの経営企画部の一員として、その他同僚と合計3名(入社3~4年目、中途入社者も含む)で、経営企画部の業務に従事していました。
具体的な業務内容としては、クライアントの経営企画部のスタッフの方々が、経営企画部の部長や役員クラスへ中期経営計画の内容を説明するための資料を作成する業務のサポートでした。
基本的にはクライアント先の会議室で、クライアントと膝詰めでディスカッションをして作業を進めるスタイルでした。(就活生の皆さんの想像するコンサルタントのアドバイザリーとは、少し異なるのではないでしょうか。)
毎朝9時にクライアント先に出社し、クライアントと同様の業務に従事し、クライアントと同じ時間に帰宅する。クライアント社内で業務外の飲み会があれば、クライアント先の社員と同じように参加する。そんなまさに事業会社の社員としての生活を、一年続けていました。
本来なら事業会社の人でもできる業務を代行するわけです。その中でも、課長以下クラスのクライアントが、部長や役員層にプレゼンするための資料を作成するような業務が、コンサルタントに振られがちです。
昨今では、総合系ファームや独立系ファームだけではなく、戦略系ファームまでもがそういった案件の獲得に躍起になっていると言われています。
コンサルティングファームが高級文房具案件獲得に注力する理由とは?
それではなぜコンサルティングファームが、高級文房具案件の獲得に力を入れるようになってきているのでしょうか。
まず1つは、単純に儲かるからです。スタッフランクのコンサルタントでも2~3名を1年間常駐させることができれば、結構なフィーをクライアントから得ることができます。また、コンサルティングファーム側も、エグゼクティブクラスの案件と比べてそこまで肩ひじを張る必要がないことも、こういった案件の魅力の一つです。
クライアントから高い評価を得ることで、エグゼクティブクラスへのアドバイザリーのような高難易度かつ高単価の案件獲得につながることも、高級文房具案件の割合を増やしている理由です。
アウトソースや高級文房具と言われてしまうと、なんだかコンサルタントの仕事の価値が下がったような感覚になるかもしれませんが、よりクライアントの近くで自分たちの腕をアピールする絶好のチャンスにもなっているわけです。
しかし、コンサルタントの中では、こういった案件は不人気です。コンサルティングファームでのキャリアを選択した方の多くが、エグゼクティブクラスへのアドバイザリーなどのエキサイティングな経験を求めて入社してきているからです。
先ほどの事例のメンバーの中には、事業会社から転職してきてすぐに高級文房具案件にアサインされた方がいました。その方に言わせると、まるで事業会社に戻ってきたかのようだ、とのことでした。一年の時を経て、顔はやつれているのに、お酒の飲み過ぎで身体はふくよかになってコンサルティングファームに戻ってきました。
高級文房具案件で得られるこれだけのメリット
さて、ここまで読んでくれた方の中には、高級文房具案件へアサインされるリスクに鑑み、コンサルティングファームの志望度を下げよう、なんて方もいるのではないでしょうか。
しかし、ご安心ください。そんな高級文房具案件の中にも、高級文房具案件だからこそ得られるメリットがあります。そして、そのメリットが自分のエッジになっていくこともあります。私自身の経験や周囲のコンサルタントの経験を交えてご紹介します。
① 若いころから役員クラスと対峙できるチャンスがある
一般的なコンサルティング案件同様、パートナーやマネジャーなど管理側の人間と、実働部隊のスタッフがアサインされることになります。ただし、実際に常駐するのは、スタッフクラス、というケースが多いです。
一般的なコンサルティング案件では、クライアントの役員クラスへの報告となると、マネジャーだけではなく、あまり案件に関与していなかったパートナーまで顔を出してプレゼンテーションすることが多く、若手のスタッフのこうした機会が少ないのが現状です。
しかし、常駐案件の場合、役員クラスの方から、「迅速に進捗状況を報告してもらいたいから、常駐をしている方々から説明してほしい。仰々しい報告会なんて設定しなくていい」なんて言ってもらえ、プレゼンテーションやディスカッションをする機会を与えてもらうことがあります。特に、常駐中に普段から役員クラスの方にきちんと挨拶をしたり、社内の飲み会などで積極的に会話をしたりしているうちに存在が認知されると、どんどんそういった機会が増えてくる印象があります。
やっぱり、いくら「迅速に」だとしても、役員への報告は緊張するものです。質疑応答のタイミングでも、非常に鋭い質問が飛んできます。そういった環境で鍛えた力は、きっと別のプロジェクトでも役に立つはずですし、常駐案件だからこそ得やすい成長かもしれません。
②新規のプロジェクトを自ら創出できるチャンスがある
常駐をしているうちに、クライアントやクライアント社内の別の方と交流をする機会がどんどん増えてきます。すると、「御社ってこういう分野の知見ある?」や「○○さんはうちのこの事業についてどう思う?」なんて聞かれることがあります。
そこで、知見があることをアピールできたり、的確な意見を言えたりすると、「良かったらプロジェクト化も見据えて、少し上長の方も含めてディスカッションさせてくれないかな?」なんて言ってもらえることがあります。
先ほどの経営企画部の例でも、私が経験した常駐案件でも、常駐中の何気ない会話が、別のプロジェクトの提案につながり、実際に受注にまで至ったことがありました。
若いうちから案件を受注すると、パートナーからも一目置かれるようになり、その後のアサインやボーナスなどにもメリットがあるかもしれませんよ。
③ コンサルティングファームではなかなか味わえない他社のカルチャーを体験できる
例えば、社内の飲み会や運動会、ゴルフコンペなど、事業会社では頻繁に行われることが当たり前のイベントが、コンサルティングファームでは結構少なかったりします。
ですが、こういったスキルはコンサルタントとして若いうちから鍛えておくことに越したことはありません。というのも、普通のアドバイザリー案件であったとしても、クライアントと飲みに行ったり、ゴルフに行ったりする可能性はあるからです。(さすがにクライアント社内の運動会に参加したことのある人は居ないかもしれませんが。)
先ほども述べた通り、コンサルティングファーム内では、こういった機会は決して多くないです。アドバイザリー案件同様の環境でお作法を学べるので、こういった機会を今後につながる学びの場としてポジティブに捉えるべきだと思います。
要は捉え方次第!どんな案件でも、まずはポジティブに捉えて全力投球しよう!
常駐案件に限らず、コンサルティングファームには多種多様な案件が存在しており、正直“ハズレ”だと思うような案件にアサインされてしまうこともあるでしょう。
私もドメスティックな某インフラ企業に1年間常駐した経験がありますが、最初アサインを告げられた時は、正直残念な気持ちがありました。ですが、1年間の常駐を経て、「インフラ系と言えばあの人!」、「ドメスティック企業のカルチャーを知る人と言えばあの人!」みたいなブランディングやポジショニングを確立できたように思います。役員クラスへのプレゼンテーションやディスカッションに臆することもほぼ無くなりました。
どんな案件でもコンサルタントとして必要なマインドやスキルを学べる宝の山だと思って、まずは目の前の案件に全力で取り組んでみることをおすすめします!
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